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ノキア、ローカル5Gに向けたエコシステム構築で国内5社とパートナーシップ

2020.12.16

Updated by Naohisa Iwamoto on December 16, 2020, 10:30 am JST

デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現や、インダストリー4.0、日本のソサイエティ5.0へのシフトを支えるインフラに、いつでもどこでもつながるための通信技術は欠かせない。その中でも5Gは今後のデジタル化の推進を支える技術として期待されている。フィンランドのノキアは、今後の5G時代にエンタープライズ向けのデジタルソリューションを提供するエコシステムとして、国内の5社とパートナーシップを結び、日本のデジタル化の進展を促す。

ノキアとローカル5Gテクノロジーパートナーシップを結んだのは、オムロン、コネクシオ、シャープ、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、日立国際電気の5社。ノキアの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスの代表執行役員社長を務めるジョン・ランカスターレノックス氏は、「5Gはすべてがつながる世界、どこでもつながる世界であり、そこから経済的価値が生まれる。日本は通信事業の最先端を行く国であり、エンタープライズの分野でも超大国の1つ。日本政府のソサイエティ5.0は、ノキアが考えるインダストリー4.0と考えを同じにしている。通信事業者向けのビジネスだけでなく、日本でエンタープライズ分野や公共分野でも価値を提供していきたい」と語る。その取り組みの1つが、今回のパートナーシップとなる。

同社のビジネス統括代表執行役員 ドニー・ヤンセンス氏は、「世界中でノキアはさまざまなパートナーと手を握っているが、プライベートワイヤレスの進化を日本で引き出すためにノキアは日本でもエコシステムを創出する。ノキアが提供するソリューションの核となるのが、プライベートLTEやローカル5Gのコネクティビティを提供するソリューションのNDAC(Nokia Digital Automation Cloud)だ。クラウド型でプライベートワイヤレスをすぐに構築でき、アプリケーションもAppStoreのようにワンクリックでエッジに提供できる。パートナーのノウハウと合わせて、プライベートLTE/ローカル5Gをいますぐ日本で使えるソリューションとなる」と説明する。

▼ノキアのローカル5Gテクノロジーパートナーシップの記者発表登壇者

エコシステムを形成する5社のパートナーは、多方面からプライベートワイヤレスのソリューション構築を支援する。

●オムロン
オムロンは、AMR(自律移動ロボット)や分割した生産ラインを制御して実現する「レイアウトフリー生産ライン」や、センシングとネットワークを使って人間の作業を高度化する「リアルタイムコーチング」をターゲットに、ローカル5Gを活用するソリューションを提供することを目指す。また、ローカル5Gなどの活用により、これまで水平展開してきたアプリケーションを、垂直統合して展開していきたいという。

●コネクシオ
伊藤忠商事の携帯電話販売事業を分離独立してできたコネクシオは、自社開発のエッジコンピューティングゲートウエイ「BlackBear」の活用を促進する。車載可能で、ノキアのAIカメラとも連携できる豊富なインタフェースを持っているという。同社では、製造現場や建設現場、社会インフラなどの現場で、BlackBearとローカル5Gを組み合わせたソリューションの展開を進める。

●シャープ
シャープは「8K+5GとAIoTで世界を変える」を事業ビジョンに掲げ、2020年3月には5Gスマートフォンとルーターを、2020年秋以降のスマートフォンはすべてのシリーズで5Gに対応し、5Gの普及に貢献している。エンタープライズ分野に向けては2020年8月にはローカル5Gルーターの試作機の提供を開始した。この試作機を活用して、ノキアとのパートナーシップによりローカル5Gシステムのユースケース創出や社会実装に取り組んでいく。

●日鉄ソリューションズ
日鉄ソリューションズは、「デジタル製造業を実現」するためにローカル5Gがとても重要と方ある。そうした中で、日本製鐵の室蘭製鉄所内で行っているディーゼル機関車の遠隔運転のPoCを紹介した。2021年にノキアのNDACが5G SA(スタンドアロン)に対応した際には、5G SAで実験を実施する。重機などのリモートコントロールの需要や、作業員の安全見守りソリューションなどにローカル5Gを適用していく考えだ。

●日立国際電気
日立国際電気は、5G通信で情報を集めて、AIで解析する社会インフラづくりを推進する。すでに2019年秋にノキアと協業を始め、農業IoTやスマートファクトリーなどの分野でプライベートLTE/ローカル5Gのシステムの提供を手掛ける。さらにエッジAIと5Gによるクラウド伝送を並立できる「フィールドエッジコントローラー」の試作機を開発、2021年度に製品化を予定しており、現場で即時にAI判断を求められるソリューションへの適用を推進する。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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