Oculusが会議室になる。FacebookのHorizon Workroomを試してみた
2021.08.27
Updated by Ryo Shimizu on August 27, 2021, 12:50 pm JST
2021.08.27
Updated by Ryo Shimizu on August 27, 2021, 12:50 pm JST
昔からVRで会議とかプレゼントかがやりたいと思っていて、ずっとそういう環境が出てくるのを待っていた。
いや、ちらほら存在はしているし、昔、自分でVRプレゼンツールを試作したこともある。
けれども、なんかそれはまたちょっと違うのだ。
どうも「もう一歩」というところから抜け出せなくて、悶々としていたのだが、ついにおOculusの開発元であるFacebookが、満を持して投入したのがこの「Horizon Workroom」だ。
しかも、なんとOculus Quest2専用という割り切りっぷりで、Facebookの力の入れようが窺える。
筆者は初代Oculus Questを二台持っているのだが、このWorkroomを試すためだけにOculus Quest2を購入したほどである。
いったいそこにはどんなめくるめく会議体験があるのだろうか。
いざ起動しようとすると、通常のアプリとは違い、まずWebサイトで登録して、さらにデスクトップ用のアプリもダウンロードして、自分のワークルームを作った上で、アプリとWebサイトで同期をとってから使うという、けっこうガチな仕様。実際にこれで会議をしようという気持ちが痛いほど伝わってくる。
ログインしてアバターを作ると、自分のデスクトップがVR空間内に表示される。これは新鮮。
写真だとわかりにくいが、実際にみたときの感じは、かなり高精細でちゃんと小さな文字も読める。
確かにこのまま仕事ができそうだ。
すごいと評判のホワイトボードを触ってみる。
通常のWorkroomは、コントローラを持たないモードで使用するが、ホワイトボードはコントローラを持つ必要がある。
このあたりの切り替えはまだまだ過渡期という感じがする。
しかし次の瞬間に大問題が。
ホワイトボードに移行する時、部屋の中でホワイトボードを操作する場所を作らなければならないのである。
ベッドの上でやっていた筆者は、いきなり天井に
頭をぶつけたり、コントローラをぶつけたりといったドタバタの末、ベッドの端にバーチャルなホワイトボードを設置した。
これは大半の都民は使えないのてはないだろうかという一抹の不安が過ぎる。
次に困ったのは、ホワイトボードに線を描くこと。これがよくわからない。
ようやく見つけたのは、ホワイトボードに物理的にコントローラが交差するように動かすと、接触した部分にペンが現れ、線が描けるということ。
お、おおう・・・これをみんなが絶賛していたのか・・・
正直にいうとNeutransのホワイトボードのほうがずっと描きやすい。
違いは、やっぱりPCの画面をVR空間内で操作できるということ。
これはやっぱりちょっと便利で、自分の画面を全員に見せたりといったことが簡単にできる。
しかし・・・
これだったらZOOMで良くないか?
なんかVRの会議って、3Dオブジェクトのまわりをみんなで歩き回ったり、立体的なグラフのようなものが出てきたり、そう、石井裕先生のRadical Atomsのようなものを想像していたのだが、Facebookの考えるVR会議というのは、ZOOMプラスアバターのようなものだったようだ。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=RlLfrW9PmVo&w=560&h=315]
VRでやるんだったら、複数の参加者のデスクトップが空間いっぱいに広がっているとか、上下にも動けるとか、スケールを変えられるとか、そういうものであって欲しい。
何が悲しゅうてVRで大学の講義室みたいなものに没入しなければならないのか。
マーク・ザッカーバークは実はちゃんと会議とかしてないんじゃないか。
そういえば映画「ソーシャル・ネットワーク」でも基本的に一軒家で酒飲んで暴れてるみたいなイメージしかなかった。まあそれは極端だろうが、「VRで会議だ!バンザイ!」という面白楽しい世界観とは程遠い感じがする。
逆に言えば、非常に地に足がついてるというか、堅実な実装であるとも言える。
よくできているのだが、個人的にはジャンプ力が足りないと感じた。
しかし一方でOculus Storeのゲームとかは非常に充実してきており、PS5を買ってもイマイチ買うべゲームが見つからない筆者にとっては、Quest2はしばらくの間、新しいゲームマシンになりそうだ。
この会議システムの「決定版」みたいなものが早く出てしホイ。
VRじゃないとこれはできないよね、みたいなものがやりたい。
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登録はこちら新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。