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まちに開かれる「私」の伝統 
新・和室学 世界で日本にしかない空間文化 第5回

2022.04.18

Updated by WirelessWire News編集部 on April 18, 2022, 18:44 pm JST

公私の境界を軽々と超える各地の和室たち

屋敷の中の座敷のように、外から簡単には接近できず、許された者だけが通される和室がある。ところが、その一方で、祭りの際などに、通りに対して誰でも入って来られるように、いわば開け放たれる町家の座敷もある。新・和室学のシリーズ第5回では、京都大学教授で都市史がご専門の中嶋節子さんにいらしていただき、日本の町々で見られるそうした開放される和室の例と、それが未来の私たちの暮らしの空間のあり方に与える示唆についてお話いただきます。町と和室の関係、今回も楽しみなテーマです。中嶋さんから以下のコメントを頂戴しました。ご紹介いたします。

まちに開かれる和室は祭礼の空間装置

伝統的な祭礼が継承されている地域では、1年のうちのほんの数日ではあるが祭りの期間、まち全体が祝祭空間へと姿を変える。そこでは街路とその沿道に立つ建物が一体となって祭りを迎え、祝うための演出が行われる。いわば私的空間の一部が公的空間に開放されることによって作り出されるテンポラリーな空間秩序が非日常性を演出するのである。まちに対して自在に「開く―閉じる」ことができる、いいかえれば可変性の高い外部との境界領域をもつ日本の伝統建築の特性はすでに指摘されるところだ。また、同じ座敷がハレ―ケのいずれにも対応できる性質も同様であろう。それがもっともダイナミックにあらわれるのが祭礼時といってよい。各地で行われている祭礼を手掛かりに、日本の建築、とりわけ町屋の空間と時間について考えてみたい。

※お申込みいただいた方が当日お時間に都合がつかなくなった場合には、動画アーカイブでオンデマンド視聴が可能です。(動画配信開始後1週間ご提供いたします)。

開催スケジュール等

●日 程:2022年5月27日(金曜)19:00〜21:00(予定)
●会 場:Zoomを利用したオンラインイベントです。
お申し込みはこちら http://ptix.at/gYQhe4
お申込みいただいた方には、前日までに参加URLをメールにてお送りします。
●参加料:¥1500(税込)
※チケットの購入期限は当日5月27日の18:00までとさせていただきます。
●主 催:WirelessWireNews編集部(スタイル株式会社)

メインコメンテーター

松村秀一松村秀一
1957年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。現在、東京大学大学院工学系研究科特任教授。著書に“Open Architecture for the People”Routledge、2019年、『空き家を活かす』朝日新聞出版、2018年、『ひらかれる建築-「民主化」の作法』筑摩書房、2016年、『建築再生学』市ヶ谷出版社、2016年、『建築-新しい仕事のかたち 箱の産業から場の産業へ』彰国社、2013年、『箱の産業』彰国社、2013年、『団地再生』彰国社、2001年、『「住宅」という考え方-20世紀的住宅の系譜-』東京大学出版会、1999年、『「住宅ができる世界」のしくみ』彰国社、1998年など。

ゲストコメンテーター

中嶋節子中嶋節子
1991年、京都大学工学部建築学科卒業。1996年、京都大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。一級建築士。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門は近代都市史・建築史。近著に『清風荘と近代の学知』(共著 京都大学学術出版会 2021年)、『図説 大名庭園の近代』(共著 思文閣出版 2021年)、『住まいの生命力―清水組住宅の100年』(共著 柏書房 2020年)ほか。祭礼に関する著書に『祭りのしつらい -町家とまち並み』(共著 思文閣出版 2021年)、『天神祭』(共著 思文閣出版 2001年)。

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