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ソラコム、月額990円からと利用ハードルを下げたビジネス向けクラウドカメラサービス

2022.05.24

Updated by Naohisa Iwamoto on May 24, 2022, 12:00 pm JST

IoTの用途の1つとして身近なカメラによる映像活用。しかし、導入や運用にはコストや手間などがつきまとう。そこでソラコムは、IoT製品の開発・販売を手掛けるアトムテックと協業し、低廉で利用できるクラウドカメラサービス「ソラカメ」を共同開発した。初期費用はカメラ1台あたり2980円、サービスの料金は月額990円からと導入・運用がしやすい。

発表会でソラコム 代表取締役社長の玉川憲氏は、「ソラコムは、AIカメラのS+ Cameraシリーズを提供して、映像IoTを支援している。そうした中でATOM Camというカメラに出会った。高品質で約3000円と低価格で、作っている会社の方に会いたいと思った。紹介でアトムテック 代表取締役の青山純氏と出会ったところ、IoTを普及させたい、日本から世界をリードする製品を出したいという思いに共感した。そこでアトムテックと資本業務提携をして新サービスを共同開発した」と語る。

アトムテックの青山氏は、「アトムテックを創業したとき、誰でも手軽に買えるIoT製品を普及させたいと考えた。防犯や見守りだけでなく、多用途で使えるカメラが売れると信じてATOM Camを作った。2020年1月にクラウドファンディングで6000台、同年5月から1年で約5万台を打った。防水を加えた第2世代は8日で2万台などの売上を達成し、首振りタイプの第3世代も含めた累計では15万台を超える」と説明する。

▼「ソラカメ」で利用が可能な小型カメラ「ATOM Cam 2」

このATOM Camシリーズをクラウドカメラサービスの端末として利用できるようにしたのが、「ソラカメ」だ。「IoTカメラはインターネット時代の「目」としてまだまだ広がっていく。しかし、機器の導入、工事には10数万円かかり、セキュアなデータ保存環境が必要、初期設定や操作方法が煩雑といった課題があった。あらゆるビジネス現場にカメラを導入できるように、初期費用2980円、月額990円のクラウドカメラサービスを共同開発した」(玉川氏)。

具体的には、ソラカメの対応端末の第一弾として、防水機能を備えたATOM Cam 2を選定した。ATOM Cam 2は1辺約5cmの小型のカメラで、Wi-Fiと電源があれば利用できる。フルHD撮影、カラーナイトビジョン、赤外線LEDによる白黒撮影など多彩な機能も備える。IP67の防水・防塵性能も備え、屋外での利用も可能だ。

ソラカメの利用時には、AndroidまたはiOSアプリをインストールして初期設定するだけで、アプリから複数のカメラの管理や監視が可能になる。マルチスクリーンで4台分のカメラ映像を同時に確認でき、音声の双方向通話も可能だ。ソラカメのサービスでは、カメラ映像を24時間記録してクラウドに保存する。動きや音などを検知したシーンだけを録画するモーション検知機能も備える。

▼簡単に設置でき多用途での活用を想定する「ソラカメ」

費用は、ATOM Cam 2を1台当たり初期費用が2980円。ライセンスは「クラウド常時録画」の期間に応じて料金が異なり、7日ライセンスが月額990円、14日が1650円、30日が2160円となる。購入はSORACOM IoTストア、またはSORACOMユーザーコンソールから。必要な台数のATOM Camを購入して、付属のマグネットやネジなどで設置し、アプリで初期設定するだけですぐに使い始められる簡便さと、ビジネス向けとしては低料金のサービス設定で、映像IoTの幅を拡げることにつながりそうだ。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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