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いまだにFAXを使う日本の新型コロナ検査報告

Japanese Covid infection survey still uses FAX machines

2022.08.31

Updated by Mayumi Tanimoto on August 31, 2022, 15:03 pm JST

日本では、政府がコロナの全数把握をやめ、高齢者や妊婦、重症化する可能性が高い患者の検査結果のみを報告する方式にするという方針を打ち出しました。医療現場での負担があまりにも大きいためとのことです。

しかし、医療関係者の工数の多さに音を上げているイギリスでは「データ入力が大変」という話は出ていなかったので、何なんだろうと思ってニュースを見ていると、驚くべきことを知りました。

新型コロナは感染症法上の「2類相当」となるので、医師は患者全員の「発生届」を保健所に提出する義務がありますが、厚生労働省が運用する「HER-SYS(ハーシス)」にコロナ検査の入力を敬遠する医師が多く、医療機関で得た結果を医師が手書きで保健所にFAXで送り、保健所で発生届を代行入力しているというのです。

さらに大阪市保健所の場合は、FAXで送られてきた発生届がPDF化されて手書きの文字を読み取る別のシステムを開発して業務を効率化した、というのです。

つまり、これまでの日本のやり方は、

・紙の発生届が存在していた
・医師がシステムを使わないことが許されていた
・医療機関と保健所がFAXを使うことが許されていた
・保健所には紙の発生届を入力代行する人員を雇用する予算が存在していた
・なぜか大阪市保健所のような地方の保健所が独自システムを作って使うことが許されていた
・コロナ検査結果を報告する全国統一のサイトやアプリが存在せず、患者や医師が即時にアクセスできない
・スマホから処理できない

ということだったようなのです。

これは、他の先進国からすると驚くべきことだらけです。

まず、国が中央集権的な命令の下で医師に対してシステムを使うことを強制できていない点です。国のリーダーシップがあまりにも弱いといえます。他の国にも高齢の医師はいますが、システムを使うことを拒否するということは許されません。

国はシステム以外での報告を一切拒否して良いでしょう。そうしなければ入力エラー、読み取りエラーが防げませんし、工数ばかりがかかって無駄が出ます。

また、FAXを使っているのは先進国では日本だけです。これは廃止しなければなりません。FAXだと紙で出力され、紛失、ログの喪失などのエラーが発生します。通信費もかかりますし、デバイスの購入と消耗品などの維持コストもかかります。

さらに、保健所に入力代行という単純作業をする人員が大量に雇用されている点も問題です。コロナ検査の報告の最初のエントリポイントを医療機関のみに限定し、システム入力のみにすれば、このような代行入力人員は必要ないはずです。

また、医師がシステムで入力できないというのであれば、超簡素なスマホアプリで入力手段を提供する、患者の個人情報は事前に患者や医療補助人(アルバイトでも可)にやらせればよく、医師が入力する必要はないでしょう。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。