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情報としてのアート NFTアートとキュレーション

2023.10.03

Updated by WirelessWire News編集部 on October 3, 2023, 17:23 pm JST

NFTの特性に注目し始めたアーティストたち

近年、NFTアートが注目を集めている。これは、文字通りNFTを導入した新しいタイプのアートであり、史上初のNFTアートとされるケビン・マッコイの「Quantum」が発表されたのが2014年なので、その歴史はまだ10年にも満たないにもかかわらず、急速に影響力を拡大しつつある。

NFTとはNon-Fungible Token(代替不可能なトークン)の略であり、無数に存在するデジタルデータの中で、あるデータが他と代替不可能なただ1つの識別子を有している状態のことを指す。これはもともと、ビットコイン(仮想通貨)を実現するために構築された「ブロックチェーン」と呼ばれるネットワーク型の分散型台帳技術において成立するものである。

国家やメガバンクが一括管理する従来の中央集権型ネットワークとは異なり、ブロックチェーンの中では、いわば不特定多数の参加者が相互にガラス張りのネットワークを監視することによって、内部の取引の適正さが保証される(それをトラストレスともいう)。NFTは、偽造や架空取引など仮想通貨に想定される様々なリスクを回避するために考案された、ブロックチェーンならではのデジタルデータの仕組みとでもいえようか。

この特性に注目したのが、前出のマッコイら一部のアーティストたちだった。NFTを活用して識別子と紐付ければ、複製やデータの改ざんが不可能な、この世でただ一つのオリジナルなデジタルデータを作り出すことが可能になる。

NFTアートとは、まさにそのたった一つのオリジナルなデジタルデータを制作素材とするアートのことである。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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