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インド・バンガロールが世界のテックハブである理由

2023.11.14

Updated by WirelessWire News編集部 on November 14, 2023, 07:32 am JST

世界のテック企業はバンガロールに開発拠点を置いている

Google、Apple、Amazon、Microsoft、Macafee、Adobe など。誰もが知っているGAFAMをはじめとしたグローバル・テック企業は、インドのバンガロールに巨大な研究・開発拠点を持っています。世界中で使われているこれらの企業の製品や最新技術の多くは、インドで研究・開発が進められているのです。

また製造業(独メーカーBOSCH)や小売り(米の小売り大手TARGET、Walmart)、金融(Goldman Sachs)など、各業界のトップ企業も自社のシステム開発やアプリ開発の拠点をインドに置き、国際的なIT戦略の拠点としています。

バンガロールにはITエンジニアが約200万人いるといわれており、これはバンガロールの総人口の約20%。バンガロールはインドで最も多くのITエンジニアが住む都市となっています。

バンガロールがIT開発拠点として発展するきっかけとなったのが「Y2K問題」です。西暦2000年1月1日に、コンピュータの動作に何らかの異常が発生する可能性があると指摘され、世界中でシステムの見直しや対策が行われました。その際にインドのソフトウエア企業がシステム開発の外注先として、多くの開発・保守プロジェクトを請け負ったのです。

その後、2000年代にかけて欧米企業の業務アウトソーシングやオフショア開発先として、バンガロールのIT産業は発展しました。その結果、インドのIT産業の中心地となり、2010年代以降は多くのグローバル企業が、バンガロールに研究・開発の拠点を置くようになったのです。

現在では、インド、特にバンガロールは「ITシステムのオフショア先」という立ち位置ではなく、イノベーションの創造地として、最先端のテクノロジーの研究・開発の地となっています。世界のテクノロジーのトレンドは、バンガロールにあるのです。

日系企業も、欧米企業ほど多くはありませんが、楽天やソニー、ラクスル、メルカリなど、テック企業がバンガロールに開発拠点を設けています。PayPayも、インド北部の都市であるグルガオンに開発センターを設けました。

最近はバンガロールの他にも、ハイデラバード、プネ、チェンナイ、グルガオンなどの都市でIT産業が発展しており、世界のテック企業がインドに研究・開発拠点を置いています。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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