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アリに学ぶ持続可能性。衣料品製造や生殖医療の常識を変えるイノベーション

2024.02.06

Updated by WirelessWire News編集部 on February 6, 2024, 06:28 am JST


排泄物は本当に不衛生なだけのもの?

真のSDGsを理解するためにアリの社会にダイブしてみよう。まずは、「安全な水とトイレを世界中に」に関連する内容を見てみよう。

あまり知られていないことだが、アリは固形の糞はしない。多くの昆虫は固形の糞をするが、アリは液状の糞(つまりオシッコのようなもの)をするだけで、固形の物質を排出することはない。

気になるのがアリのトイレ事情だ。これまでほとんどの研究者が注意を払っていなかったテーマに取り組んだのがドイツのCzaczkesらの研究グループだ。彼らはトビイロケアリというアリを食紅で色付けした食料で飼育した。3週間後、石膏でできた人工の巣を観察したところ、巣の片隅に色のついた部分ができあがっていた。アリのトイレの発見だ。

これは2015年にPLOS ONEに発表されたもので、読んだ当時かなり驚いた記憶がある。

驚いた点は次の二点。

(1)巣の外にはトイレがなかったこと。もしかするとアリたちは巣の外で液状糞をするのではないかと考えていたが、外にはトイレがないことに驚いた。

(2)ゴミ捨て場とトイレの場所が異なっていたこと。アリにとって糞は不衛生なものという認識はないかもしれないということに驚いた。

この論文では、巣の中にゴミとは別にトイレがあることの意味に関しては不明だ、とされているが、実はある程度のヒントを僕は掴んでいる。それは菌を育てるアリたちにある。彼女らは菌を育てる時に頻繁に液状の糞を菌園に施肥している。菌食アリの社会には決まったトイレはなく、排泄物も完全に循環するようになっているのだ。見事というほかない。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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