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効率的なAI活用を支援、テラデータがBYO型のAIソリューション

2024.12.25

Updated by Naohisa Iwamoto on December 25, 2024, 06:23 am JST

「日本企業のAIに対する期待は高い。一方で多くはデータ活用の成果を実感できていない。日本テラデータは日本企業のAIドリブン経営の実現を支援していく」。こう語るのは、日本テラデータ代表取締役の大澤 毅氏だ。日本テラデータでは、AIドリブン経営を「組織のあらゆる活動をデータに置き換え、その上でデータに基づき学習・予測による最適化を自動的、継続的に行う」仕組みを経営に生かすことと見る。

大澤氏は「企業がビジネスを運営していく上で、内部、外部も含めて、組織全体のあらゆる活動をデータに置き換えることが重要。AIを実現するエンジンを実装した上で提供するAIプリセットモデルや、顧客ごとにチューニングするための戦略アドバイザリ、クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッドなデータプラットフォームで高速処理をできるエンジンの提供などで、日本発の価値を日本の企業に届けたい」と語る。

同社 前代表取締役の髙橋倫二氏は、「代表取締役時代の7年は、クラウド化の流れが強かった。一方で昨今ではクライド一辺倒ではなく、オンプレミスの価値も再評価されている。テラデータはオンプレミスでもクラウドでも共通してリアルタイム分析でき、その価値が評価されている。その上で、これまで分析の対象ではなかったデータもAIによって分析できるようになってきて、新しい時代に突入している」と、トレンドを指摘する。

そうした流れの中で、日本テラデータはBYO(Bring Your Own)型のAIソリューションの提供を始めた。BYO LLM(大規模言語モデル)やBYO DL(深層学習モデル)を、テラデータの分析基盤に持ち込んで、最適化したAI基盤の構築を可能にする。同社テクノロジーセールス事業部 DXソリューション部 部長の八田泰史氏は、「データベースと分析基盤が別れていると、データのダウンロードに時間やコストがかかったり、非力な環境で処理することでパフォーマンスが出なかったりする。データを分析基盤にダウンロードするのではなく、分析ツールやコードをデータベース内に持つことで高速処理が可能になる」と指摘する。

具体的には、AI分野のGitHubとも呼ばれるHugging Faceに登録されたオープンソースのAIモデルを、テラデータの分析基盤であるTeradata Vantageにダウンロードして利用する。「Hugging Faceには、言語モデルだけでなく、深層学習モデル、機械学習モデルが多く登録されている。コンピュータービジョン、音声の認識生成、自然言語処理、マルチモーダルなどのAIモデルを選択してダウンロードして活用することで、自社のAIドリブン経営に適した高性能なAIを、短期間で構築、活用できるようになる」(八田氏)。

テラデータでは、NVIDIAと提携してGPUクラスターをVantageに組み合わせることで、生成AIのモデルを高速に処理できる環境を提供する。BYOで構築したAIモデルは業務アプリケーションと組み合わせて、業務のAIドリブン化にも貢献する。大澤氏は「BYO LLMなどを活用して、日本発でグローバルを驚かすAI活用のユースケースを作っていきたい」と2025年にかけての意気込みを語った。

【報道発表資料】
テラデータ、生成AIの新機能BYO-LLMの提供を開始し、フルスタックのNVIDIA AIプラットフォームで高速化

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。