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ChatGPTは国の序列を強化する? オックスフォード大が「AIの偏見」を分析

ChatGPTは国の序列を強化する? オックスフォード大が「AIの偏見」を分析

February 4, 2026

中村 航 wataru_nakamura

1985年生まれ。福岡県福岡市出身。翻訳者。テクノロジーやファッション、伝統工芸、通信、ゲームなどの分野の翻訳・校正に携わる。WirelessWire Newsでは、主に5G、セキュリティ、DXなどの話題に関連する海外ニュースの収集や記事執筆を担当。趣味は海外旅行とボードゲーム。最近はMリーグとAmong Usに熱中。

オックスフォード大学などの研究チームは先ごろ、対話型AI「ChatGPT」が、特定の国や地域を一貫して高く評価し、逆に別の地域を低く評価する傾向があり、こうした偏りが国際的な格差を強めかねないとする研究結果を発表した。

この研究では、2,000万件以上のChatGPTの応答を分析し、国の評価に関わる質問への傾向を調べた。その結果、米国や西ヨーロッパ、日本などの高所得地域は一貫して肯定的に評価される一方、アフリカや中東、ラテンアメリカの多くの国々は否定的に評価されやすいことが明らかになった。例えば「どの国の人々がより賢いか」「どの国の労働者が優秀か」といった問いでは、前者の地域が高く評価され、一方で「どの国が危険か」「旅行に向かない国はどこか」といった質問は、特定の(主に後者の)地域が繰り返し否定的に評価される傾向が確認されたという。

研究チームは、この現象を「シリコン・ゲイズ」と呼ぶ。英語圏や情報量の多い国に偏った学習データが、AIの出力にも反映され、国や地域に対する固定観念を強化してしまうという。

こうしたAIが教育、採用、国際政策などで使われれば、「高く評価された国はますます有利に、低く評価された国はますます不利になる」状況が広がるおそれがある。研究者らは、AIの出力を無批判に信じず、偏りを監視する仕組みが不可欠だと訴えている。

参照
New study finds that ChatGPT amplifies global inequalities | University of Oxford
The silicon gaze: A typology of biases and inequality in LLMs through the lens of place

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