October 1, 2026
WirelessWire & Schrodinger's編集部 WirelessWire & Schrodinger's編集部
草むらの中で、男と男が抱き合っている。
その光景は、プライベートな寝室のようでもあり、あるいは太古の神殿のようでもあった。
ぼんやりとした月の光が、ふたりの体をやわらかく照らしている。
Aは敬虔な信者のような気持ちで、その行為を凝視した。
(本書「① spin」より)
私もその体を抱き返し、目を閉じたまま男の名を呼んだ。なぜ彼の名前がわかったのか。
それは、私がずっと彼を呼び続けていたからだ。東京の公園で彷徨っているはずの彼が、まさかここに現れるとは思わなかった。
(本書「② consumed」より)
第5回ふげん社写真賞グランプリ受賞作をまとめた中野泰輔さんの『Spin around the Night Consumed by the Fire』は、何とも言えない不穏な空気と迫力をまとった写真集です。
2000年に東京の新木場公園で起きた「ゲイ狩り」殺人事件に触発されて始まった中野さんの探索の旅は、「墓石の不法投棄場や江戸の石切場を撮影したり、ストレート男性の身体をストロボを焚いて撮影していく中で、現実と想像、生と死、自己と他者、ストレートとゲイなど、あらゆる境界線が曖昧になっていく」(ふげん社HPより)作品群へと結実していきます。
「写真集の夜」第15回は、一見しただけではその不穏さを全体として感覚的に受けとめるしかない『Spin around the Night Consumed by the Fire』について、飯沢耕太郎さんの案内のもと中野さんご自身の語りによって、何をなぜどのように写していったのか解き明かしていただきます。
(飯沢さんコメント)
中野泰輔の名前と作品を初めて意識したのは、2018年の第18回写真1_WALL展のグランプリ受賞作「HYPER/PIP」だった。ぬめぬめとした生理的な違和感を全編にちりばめたその作品を見て、「なんだかわけのわからない作家が登場してきた」と感じたのをよく覚えている。その「わけのわからなさ」は、今回取り上げる写真集『Spin Around the Night Consumed by the Fire』(ふげん社)でもまったく変わりない。この2025年度の第5回ふげん社写真賞受賞作をめぐって中野本人と語り合うことで、この写真家の創作活動の核心に迫ってみたい。とはいえ、さらに「わけのわからなさ」が深まるだけではないか。そんな予感もある。
| 名称 | 写真集の夜 飯沢耕太郎オンライン・フォトブック・ギャラリー 第15回 中野泰輔『Spin around the Night Consumed by the Fire』 |
|---|---|
| 開催日時 | 2026年10月23日 (金) 22:00~23:00 ※見逃し配信は行いません。後日、アーカイブ動画を有料で販売する予定です。 |
| ゲスト | 中野泰輔 (写真家) |
| 案内人 | 飯沢耕太郎 (写真評論家) |
| イベント形態 | Zoomウェビナー(Webinar)を利用したライブ配信です。 ※お申込みいただいた方には参加URLを事前にメールにてお送りします。 |
| 参加料 | 無料 |
| 参加方法 | このウェビナー(Webinar)を申し込む |
| 申込期限 | チケットの申込期限は当日10月23日の21:00までとさせていただきます。 |
| 主催 | スタイル株式会社 |
※プログラムの内容・時間などは予告なく変更となる可能性があります。ご了承ください。