グーグルとフォックスコン、製造工場へのロボット導入に向けて協議(WSJ報道)
2014.02.12
Updated by WirelessWire News編集部 on February 12, 2014, 13:07 pm JST
2014.02.12
Updated by WirelessWire News編集部 on February 12, 2014, 13:07 pm JST
台湾フォックスコン(Foxconn)のテリー・ゴウ(Terry Gou)CEOと、グーグル(Google)のアンディ・ルービン(Andy Rubin)氏が先ごろ、工場の自動化に向けたロボット技術の導入について話し合いを行ったする関係者の話を、WSJが米国時間11日に報じた。
ルービン氏は昨年前半に、Android開発チームの責任者を退いた後、グーグルの研究機関Google Xで新たなプロジェクトに携わるとされていた。また昨年暮れには、同氏が物流や生産分野での利用を想定したロボット技術開発に着手しておおり、あわえて8社の新興企業を買収したことがNYTimesで報じられていた。この8社のなかには、東大のスピンアウトでヒト型ロボットの研究を手掛けるシャフト(Schaft)や、軍事用ロボットを開発してきたボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)などが含まれるという。
フォックスコンは、アップル(Apple)をはじめとする各社の製品を手がける世界最大の受託生産メーカーとして知られるが、近年ではソフトウェア開発などにも乗りだし、経営の多角化を進めつつある。また、米国内に製造ならびに研究開発施設を設立する可能性を示唆しているほか、最新の製造・自動化技術を学ばせる目的で、米MITに同社のエンジニアを派遣しているなどとWSJは記している。
いっぽう、同社が主要な製造拠点を構える中国本土では、人件費の上昇が続いているほか、100万人を超えるとされる労働者の対応なども潜在的な火種として残っている。こうしたことを受け、ゴウCEOは以前から「将来的に100万台のロボットを導入する。人間は現在の組み立て工から、将来は技術者やエンジニアになる」などの考えを明かしていた。また一昨年暮れには、同社内ですでにこうした導入の動きが始まっているする話も伝えられていた。
さらに、グーグルやアップルなどの各社の間で、製造の北米回帰の動きも始まっていることから、フォックスコンとしては製造現場へのロボット導入を加速させる必要性が高まっている可能性が考えられる。
なお、この話題に触れたBusinessweekでは、フォックスコンがインドネシアのジャカルタに新たな生産拠点を設ける覚え書きを結んだことに触れ、総費用10億ドル前後を投じてつくられるこの工場に将来的にロボットが導入される可能性もあるとしている。
今回の報道では、ゴウ氏とルービン氏とが話し合いを行ったとされているだけで、フォックスコンとグーグルとの協力が実現するかどうかは不明。また、フォックスコンにとって最大の顧客であるアップルにとっては、グーグルの技術がフォックスコンで導入された場合、サプライチェーンの重要な部分を競合相手に握られる可能性も生じることから、3社の競合・協力関係に大きな影響が出ることも考えられる。
【参照情報】
・Foxconn Is Quietly Working With Google on Robotics - WSJ
・Google and Foxconn collaborating on a new 'vision' of roboticized factories - The Verge
・The next generation of robotic assembly lines are emerging - GigaOM
・Foxconn Might Assemble Your Next Smartphone in Indonesia--Using Robots - Businessweek
・Hon Hai Hits Obstacles in Push to Use Robots - WSJ
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