▼The Selfiest Cities in the World: TIME's Definitive Ranking
世界で最もセルフィー(自分撮り)が多い街は、フィリピンの金融の中心地でもあるマカティで、2位はマンハッタン、3位はマイアミ。以下、アナハイム、サンタアナ、マレーシアのペタリンジャヤ、イスラエルのテルアビブ、イングランドのマンチェスター、イタリアのミラノ、フィリピンのセブシティ、10位がマレーシアのジョージタウンと続くが、100位までに日本の都市は1つもランクインしていない。
この調査はTIME誌が行ったもので、インスタグラムの写真40万枚以上をデータベース化してセルフィー(selfie)の数と位置情報から、人口25万人以上の459都市に順位づけを行ったというもの。一定の面積の中の自分撮りの数を人口で割って、自分撮りする人が多い街をあぶり出したという。例えば1位のマカティは10万人中に自分撮りする人が258名いたそうで、100位のニース(フランス)は10万人中30名。
問題は写真がセルフィーかどうかの弁別に、写真のタグを使っていることだ。つまり、写真の画像分析などで、例えば伸ばした右腕が写っているから自分でカメラを操作していると結論づけるような高度な処理をしているのではなくて、写真に「selfie」とタグが付けられたものを数えているだけらしいのだ。これでは、タグ付けしてない写真は除外してしまうし、英語(新語だが)の"selfie"を使わない写真も除外してしまう。こういう次第なので、100位までに東京や大阪が入っていなくても落胆する必要はなさそうだ。
さて、世界的にはすっかり定着してきた「セルフィー」だが、仲間と頭を寄せ合って写真を撮る機会が多いアメリカのティーンエイジャーの間で、日本でも数年前に流行ったシラミ(アタマジラミ)の感染が進んでいるという話がある。写真を撮る際にシラミが拡散するというわけだ。どうやらこれはカリフォルニアのシラミ駆除サービス業者が宣伝のために流したデマらしい。こちらも心配する必要はなさそうだ。
スウェーデンでは、仲間と一緒に自分撮り(自分たち撮り)をしたものをウィーフィー(wefie)と呼んで、仲間意識を高めようという運動を始めたそうだ。スウェーデン社会にはびこった「自分(me)」意識を、「自分たち(we)」に変えて行こうというものらしく、大勢が顔を寄せ合って同じ写真に納まることを推奨している。こちらは同国の社会民主労働党の青年組織が行っているキャンペーンで、友情や絆を大事にしようというもの。集められた数多くのウィーフィーには、狭い画面に多くの人々がカメラに笑顔を向けている。この構図は、日本人、特にプリクラを好む女子高生たちには古くから見慣れたものかもしれない。
【参照情報】
・The Selfiest Cities in the World: TIME's Definitive Ranking
・Selfies (Probably) Not Spreading Lice Among Teens, Expert Says
・wefieキャンペーンのページ
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