LTE-Advanced標準化の要点(2) LTE アドバンストの要求仕様
2014.06.03
Updated by WirelessWire News編集部 on June 3, 2014, 10:00 am JST Sponsored by NOKIA
2014.06.03
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ITU-R は[3] を実現できるシステムとなるようにIMT アドバンストの要求仕様を定義した。
・高速移動時に100Mbps の最大伝送速度を実現し、低速移動時に1Gbps の最大伝送速度を実現する;
・他の無線アクセスシステムとの相互連携に対応;
・高品質のモバイルサービスを可能にする;
・世界的なローミングを可能にする;
・幅広いサービスや利用形態を安価に実現する柔軟性。
さらに以下の分野での要求仕様がある:
・ 屋内のダウンリンクでの3bits/Hz/cell から、高速移動のアップリンクでの0.7bits/Hz/cellまでを可能にするセル周波数利用効率;
・最大周波数利用効率は15bits/s/Hz;
・周波数帯域幅のスケーラビリティは最大40MHz で最大100MHz も考慮する;
・セル端のユーザ周波数利用効率は、0.015bits/s/Hz から最大0.1bits/s/Hz の範囲;
・制御信号の遅延は待ち受けから接続状態までの遷移時間が100ms を実現し、ユーザデータの遅延(負荷の無い状態)は10ms を実現する;
・最大350km/h の高速移動に対応(静止状態より伝送速度は小さくても良い);
・ハンドオーバ時の切断時間は、同一周波数では27.5ms、同一周波数帯の異なる周波数間
では40ms、異なる周波数帯では60ms;
・セクタ/MHz あたり30 から50 ユーザのVoIP 容量。
3GPP はLTE アドバンスト向けの独自要求仕様も定義した。それは多くの場合にIMT アドバンストの要求仕様より厳しいものである。これはリリース8 のLTE が既にかなり先進的なシステムであったためであり、そのため、既に多くの部分でIMT アドバンストの要求を満足することができた(特に高速移動の場合)。このように、リリース8/9 のLTE の能力からリリース10 のLTE アドバンストの能力/性能へと進化するステップが十分にあるということを証明したいという想いが3GPP にはあった。
表2.1 はITU-R と3GPP[4] からの主要な要求性能の概要であり、特に最大周波数効率とセル端の周波数効率に関する要求仕様の違いを示している。但し、遅延時間に対しての要求条件は両者とも同じである。要求仕様と実現可能な性能のより詳細な取り扱いは11 章で述べられている。
【参考文献】
3. ITU-R report, M.2134 (November 2008), Requirements related to technical performance for IMT-Advanced
radio interface(s).
4. 3GPP technical report TR 36.913 (March 2009) Requirements for further advancements for Evolved Universal
Terrestrial Radio Access (E-UTRA) (LTE-Advanced), V8.0.1.
Nokia Solutions and Networksで標準化に貢献する技術者がLTE-Advancedについて解説した書籍 "LTE Advanced: 3GPP Solution for IMT-Advanced(2012, WILEY)" を日本語化。 LTE アドバンスとテクノロジー、標準規格、3GPPリリース10からの将来への発展、およびその先について網羅。
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