県立高校の先生が、子供さんの入学式に出席するために勤務先の学校の入学式を欠席し、保護者が文句をいい、なぜか教育長がしゃしゃりでてきて文句をいう、という件が炎上している様でございます。
この件、職業倫理がどうだ、教師は聖職だ、個人生活がどうだという良くわからない話になっているわけですが、こんなことがニュースになる日本は平和でいいなと思う反面(ところで北の方で逆噴射家族している汚染水はどうすんですかね)、結局これは倫理とかそういう良くわからない話ではなく、雇用契約に違反してないなら問題ないだろう、だからなんだウルサイなオマエ黙ってろ、ということでしょう。
これがイギリスで起こった場合。例えば先生は正当な手順を経て休暇を取り、雇用契約に「入学式は絶対に欠席できない」云々と書いてなかったとします。しかし、「ケシカラン。入学式出席は当然だ」と役所とか保護者が文句をつけて、しかもマスコミでニュースになってしまった場合。
文句を言われた先生は人権侵害と雇用契約違反と名誉毀損とイジメと心理的被害で、役所と保護者(名指し)で訴えて多分裁判には勝ちます。証拠がそろっているから。莫大な賠償金をもらって退職して、ケイマン諸島当たりに引っ越すでしょう。先生が高齢の女性で、性的&民族的少数派だったりしたら、賠償金は上乗せですね。性的少数派差別、民族差別、人種差別、宗教差別、性別差別になりますから。差別のフルコースだわ。
というわけで、悪人呼ばわりされるのは役所と学校と保護者ですよ。
証拠がそろってるから弁護士事務所はこの先生に営業しまくりで、手数料がっぽり取って大喜びです。
なぜか?
だって雇用契約にこうやって休んでいいと書いてあるし、入学式に絶対にでろって書いてないから。以上。
シンプルでございましょう。
ああ、ワタクシこういう件があるとすぐに「この件だとこういう法律違反だから、ここの事務所に連絡入れて、こいつとこいつを訴えて、そうだな賠償金はこのぐらいじゃねーか」などと3秒ぐらいで思い浮かんでしまいますので、現地化しているなあと実感しているのであります。どんどん嫌なキャラクターになってますね。
でもね、これって当たり前なんですよ。契約主義の土地では。だって決まりが書いてある。先生だって単に労働時間とスキルを切り売りする労働者に過ぎませんので、雇用契約に書いてあること以上のことはやらなくて良い。 (ちなみにイギリスだと先生ってカワイソウな低賃金労働者って呼ばれる上に全然尊敬されない。なぜなら給料が安いから)権利だって雇用契約に書いてある。やっちゃいけないことは倫理規定に書いてある。書いてないことは要求される理由はないんです。
要求したければ紙にかけ、そしてサインしろ、そしてその活動に相当する銭払え、でございますよ。
ということを書くと
日本は違うんだよ!!!
という勘違い愛国の方が出現するわけですが、本当の愛国というのはですね、働く人が無理せず能力を発揮し、円満な家庭生活を送り、みんなハッピーに暮らすという仕組みを作って運用することなのですよ。そして、それが当たり前だという人が増えないとダメなんです。「日本は違うんだよ」そこで思考停止。ジエンドですよ。一生サビ残やってろですよ。
みんなハッピーなら病気にはならないし、ストレスも少ないから、国の医療費は減るし、子供を殴る様な親とか、夫婦関係崩壊も減るわけです。だから倫理がどうとか、そういう話をグタグタしていても仕方がないわけです。なんですかね、あの倫理が何チャラという謎の議論は。ワタクシにはさっぱり意味が分かりません。本当に生産性がない。倫理なんちゃらをグチャグチャ話したから何になるというのか。本当に無駄だ。
じゃあそういう仕組みを作ってちゃんと動く様にするにはどうしたらいいか?決まりを破る人は厳しく追及する。ただそれだけです。シンプルでしょ?追求する時に、周りがどういうとか、マスコミが何かいうとか気にしてちゃダメなんです。わかりましたか?
ところで、欧州って入学式ない国が大半なんですけど、いっそ入学式なんかやめちゃったらどうですかね?だってあれやるのに経費はかかるし、先生の労働時間も使うし、立ってるの疲れるし、来賓の挨拶とか意味わからないし、やってる間とか練習中は授業できませんから、付加価値がないでしょう。服だって高いし。あれ、やることに何の意味があるんですかね?
そういうことをいうとお前は情緒がないとか非国民とかいわれるんですけど、無駄なものはどんどん減らして家でテレビでも見てた方がいいと思いませんかね?お金も節約になるし。今みんなお金ないじゃないですか。親だって非正規雇用の人が少なくないでしょ。単に教育サービスを受けに行く初日に過ぎないというのに。ワタクシは家で漫画読んでた方がいいわ。
思ったより擁護する意見が多いですね。子供が入学のタイミングの年は1年生の担任にしないなどの配慮はできないんでしょうか。>RT 担任、息子の入学式へ...県立高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意(埼玉新聞) - Y!ニュース http://t.co/bc9yFbLLjP
— nasu(Slave of Lord) (@nasushalom) April 11, 2014
「息子の入学式に出るので、欠席します」事件。悪いのは教師ではなく学校の対応だ http://t.co/UCZzVp9OdQ @HuffPostJapanから
教師の倫理と、個人の価値観。どちらを優先させるべき?
— JUNYA MOJA (@moja_tweet) April 14, 2014
息子の入学式のほうが当然大事だ。それ分からないのは、仕事優先すぎる日本人の典型的な悪い見本の反応。/
担任、息子の入学式へ...県立高校教諭勤務先を欠席、教育長が異例の注意 (埼玉新聞) - Yahoo!ニュース
http://t.co/RDJocqIK6g
— よ作 (@yosaku39) April 14, 2014
我が子の入学式出席のため、勤務先の入学式を欠席した高校教諭が叩かれてるけども、知人の幼稚園の先生は年長を受け持つ際、妊娠しない旨の誓約書を書かされたらしいし、もう教師には人権がないんだな、と思いました。
— 深爪 (@fukazume_taro) April 14, 2014
「聖職」だからといって、教師自身が人間的な生活を営む自由を奪ってはいけない。教師自身が、自由に快活に生きていることが、生徒に対する一番の教育なのだから。教師が入学式を「息子の入学式出席のために」欠席することに問題はないと思う。逆に翌日生徒に、自分の子供への愛を陶然と語ればいい。
— G.D.Greenberg (@G_D_Greenberg) April 14, 2014
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。