フォトレポート【スマートグリッド編】家庭から社会まで、エネルギー管理の未来を見る
2011.10.06
Updated by Naohisa Iwamoto on October 6, 2011, 12:01 pm JST
2011.10.06
Updated by Naohisa Iwamoto on October 6, 2011, 12:01 pm JST
「CEATEC JAPAN 2011」では、エネルギーの需給をデジタル技術で最適制御する「スマートグリッド」に関連する展示が数多くある。太陽光パネルで発電能力を持った家庭に向けては、その消費電力を見える化することで省電力につなげる。さらに電力を識別可能にする技術や街のエネルギー需給を管理する仕組みなどで、新しいエネルギー利用の世界を提示している。
富士通のブースでは、関西電力が導入を進めているスマートメーターの展示があった。2.4GHz帯の電波を使って、スマートメーター間でバケツリレー式に情報を転送する。検針だけでなく、双方向性を生かした利用法が期待される。
===
市街の規模で総合的にエネルギーマネジメントをする仕組みを富士通が参考出展している。電力の需要予測と供給状況を一元管理し、効率の良い電力供給インフラを提供する試みだ。
===
スマートコミュニティ"ZERO"のコーナーでは、日本ナショナルインスツルメンツがデジタルグリッドの機器を出展している。電力にヘッダーを付けて識別を可能にし、供給者や発電方法を特定して利用するような新しい電力使用形態を提案する。
===
電力を識別可能にするデジタルグリッドに関しては、日本ナショナルインスツルメンツのほかNECのブースでもパネル展示があった。エネルギーの需給の形が今後大きく変わることを予感させる。
===
パナソニックのブースでは、家庭のエネルギー需給を一手に管理する「スマートエナジーゲートウェイ」(SEG)の展示がある。カギとなるのは充電池への充放電のコントロール。蓄電池を劣化させずに必要な充放電を可能にする制御をさらに研究するという。
===
試験提供している「ドコモ省エネ応援サービス」の展示があるドコモ。スマートフォンなどで電力消費をチェックし、省エネにつなげようとの試みだ。展示では、さらに太陽光パネルや充電池と組み合わせたエネルギー管理へも視野を向けていることがわかる。
===
シャープのブースには、シャープ製の太陽光発電システムと連携して発電量や売電分量、機器の消費電力などを専用タブレット端末で一括管理する「電力見える化システム」の展示がある。Androidを搭載した専用タブレットで省エネ意識を高めようとの狙いだ。
===
ソニーは、家庭用蓄電池の「ホームエネルギーサーバー」を展示している。一般のリチウムイオン充電池よりはるかに長い10年以上(1日1回充電)の寿命をもつ。LEDなどの照明器具なら10時間程度の利用が可能で、家庭での緊急時の電源としてアピールしている。
===
KDDIのブースでは、電気自動車と充電スタンド、スマートフォンが連携する社会の様子を展示している。会員アプリを搭載したスマートフォンには、最寄りの充電スタンドの場所や空き時間が示される。スマートフォンから簡単に充電予約ができることを示している。
===
スマートコミュニティ"ZERO"のコーナーでは、三菱自動車の電気自動車「i-MiEV」が電源としても利用できることを示すデモを行なっている。デモでは「i-MiEV」で電源を供給した「太鼓の達人」のアーケードゲームを楽しめる。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。