Nielsenは2011年1月6日に、同社のブログで4Gについての認知と理解、購入意向について聞いた調査の結果を発表した。その結果、83%が4Gは知っているが、知っている人の中でも理解しているのは51%、1年以内の購入意向は全体の29%であることがわかった。
携帯キャリアの積極的な広告キャンペーンによって、このところ4Gの認知をあげることには成功してきているようだ。しかし4Gの恩恵について理解させるということにはなっていないようだ。5人に一人は知らないし、残りの4人のうちの2人しか理解できていない(図1)。しかしこれは驚くべきことではない。業界の混乱が消費者の混乱の原因となっている例だ。
▼図1:4Gの認知と理解(米国)
米キャリアが「4G」と呼んでいるものは、つい最近まで国際電気通信連合(International Telecommunications Union)が定める4Gの定義にはあてはまらなかった。しかし、2010年12月、国際電気通信連合は4Gの定義を、「3Gから相当の改善のあった、いかなる技術も含める」ように改訂した(参考情報:ITU、LTEとWiMAXの「4G」名称使用を公式に認可--「発展した3G技術」も認可対象に(cnet Japan))。新しい定義の元では、WiMAXとLTEとHSPA+は、米キャリアが主張するとおり、4G技術であるということになる。
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このような背景下で、4Gの定義について聞いた結果、54%が大元の国際電気通信連合の定義である、100Mビット/秒超の携帯データ転送スピードを選択した。世界のどの携帯キャリアも現在それを実現できていないが。また27%はiPhone 4が4Gであるという誤解をしていた。さらにT-Mobileから出た新しいAndroid端末が全て4Gではないのに誤解をしている人たちもいた(図2)。
▼図2:4Gに対する定義の理解度(米国)
※青はITUの定義に沿っている、黄色はITUの定義に概ね沿っている、赤はITUの定義に沿っていない。
4Gに対するこんな不正確な理解の中、3割の消費者が1年以内に4G端末を買うつもりであると回答した。
▼図3:4G機器の1年以内の購入意向(米国)
Nielsenが米成人2,131人を対象に、4Gについての認知と理解、購入意向について聞いた調査。
【情報ソース】
2011年1月6日のNielsenのブログ
・4G Phones are Here, but are U.S. Consumers Ready?
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