総務省ICTタスクフォースで、光回線分離を巡ってNTTと他社が対立
2010.04.22
Updated by WirelessWire News編集部 on April 22, 2010, 11:56 am JST
2010.04.22
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▼日本電信電話株式会社 説明資料(PDF)
4月20日、総務省のICTタスクフォース合同部会が開催され、「光の道」実現に向けての課題について、通信事業者らに対するヒアリングが行われた。
ヒアリングのポイントは、人口シェア10%にあたる超高速ブロードバンド未整備エリアの基盤整備を進めるための方法、整備済み地域でも30%にとどまる利用率の向上のための施策、事業者間競争を活性化するための方策などである。
ソフトバンク、KDDI、イーモバイルの三社は、競争を活性化するための方策として、現状NTTが保有する光インフラをアクセス会社として完全分離し、全ての事業者に対して一律条件による設備提供を実現することを要請した。
ソフトバンクは別会社化したアクセス会社で、エリアごとに計画的にメタル撤去と光敷設を行うことで、インフラ整備費用を大幅に圧縮し、全国にメタル並みの費用で光回線が提供できるとした。またKDDIは、NTTグループ各社が「公社時代からの顧客基盤やブランドを引き継いでいる」ことを指摘し、公正な競争実現のためには、新たに総合的市場支配力に基づく競争ルールの整備を行うか、持ち株会社の廃止により市場支配力そのものをなくすことを主張した。
対してNTTは、「機能分離や構造分離は、時間とコストがかかることから、ブロードバンドの普及をかえって阻害するものである」として、反対の立場を明らかにした。「光ファイバやIPネットワークの設備開放は既に世界で最も徹底している」として、NTTだけが制約を受けているグループ内で連携した割引サービスなどの規制を見直し原則自由を求めるなど、KDDIらの主張とは全面的に対立している。
また、ケイオプティコム・ジュピターテレコムの二社も、NTTからのアクセス会社の独立は結果的にインフラ独占を招き、特に地方における地域通信事業者との競争を阻害するとして反対した。
次回会合は4月27日を予定している。
【参考資料】
・グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース「過去の競争政策のレビュー部会」(総務省)
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