[2012年第9週]MWCで盛り上がる中、国内では続々はじまるキャリアの新サービス
2012.03.05
Updated by Asako Itagaki on March 5, 2012, 11:00 am JST
2012.03.05
Updated by Asako Itagaki on March 5, 2012, 11:00 am JST
バルセロナではMobile World Congressが開催された先週は、日本でも大きなできごとがあった。プラチナバンド900MHz帯の割当て決定である。
2月29日、総務省特定基地局の開設計画の認定について、電波監理審議会に諮問し、ソフトバンクモバイルの開設計画を承認するとした原案を適当とする答申を受けたと発表した。(関連記事:900MHz帯はソフトバンクモバイルが獲得)。3月1日、正式な認定証交付を受け、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は記者会見を開催し、7月25日から900MHz帯のサービスを開始することを発表した(関連記事:どこでもつながるソフトバンクへ 900MHz免許交付を受け孫社長が会見)。「今までは不平等な競争を強いられてきたが、これでもう言い訳はできない」という孫社長の言葉に期待したい。
一方、900MHz獲得競争に敗れたイー・アクセスの千本 倖生代表取締役会長は、700MHz帯への出願に意欲を見せた(報道発表資料:900MHz帯における特定基地局の開設計画の認定結果及び700MHz帯の割当てに対するコメント)。
そのイー・アクセスは、国内でNTTドコモに次いで2社めとなるLTEサービス「EMOBILE LTE」を3月15日から提供することを発表。月額料金は使い放題3,880円、端末は実質0円からと、先行するドコモに対して価格で訴求する戦略に出た(報道発表資料:LTEとして国内最安、最速クラス、「EMOBILE LTE」を3月15日に提供開始〜月額料金は使い放題3,880円、端末は実質0円〜)。3月15日から開始する「オプション入っちゃおキャンペーン(LTE)」では、既に契約中の顧客に対して、契約変更時に発生する契約解除料を最大1万円割引くことで、LTEへの移行を促す(報道発表資料:「EMOBILE LTEスタートキャンペーン」および「オプション入っちゃおキャンペーン(LTE)」を実施〜既存のお客さまも契約解除料最大1万円割引でお得にアップグレード〜)。
日本通信は、既にNTT東日本と提携して東日本エリアで展開していた、フレッツ光用ISPサービスとモバイル通信用SIMを組み合わせた「b-mobile FMC for フレッツ光」について、NTT西日本とも提携して3月1日から西日本エリアでも展開することを発表。当初は大阪府からのサービス提供となるが、将来はNTT東西合わせて全国に展開することになる(関連記事:日本通信、b-mobile FMCを全国展開へ)。
ソフトバンクモバイルも、同社の「ホワイトBB」や提携事業者の提供する、指定の固定通信サービスとセットでスマートフォンのパケット利用料金が割引になる「スマホBB割」キャンペーンを実施する(報道発表資料:固定通信サービスとのセットで、スマートフォンの毎月の通信料が2年間、最大1,480円引きに!〜固定通信サービス事業者との連携による新キャンペーン実施〜)。日本通信とNTT東西のサービスや、KDDIが3月1日から展開する「auスマートバリュー」などのFMCサービスに対抗する。
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KDDIは、2月27日、公衆無線LANサ-ビス「au Wi-Fi SPOT」を、手持ちのauスマートフォン以外にもう1台のタブレットやPCでも利用できるようにするサービス拡充を発表した(報道発表資料:公衆無線LANサ-ビス「au Wi-Fi SPOT」のサービス拡充について)。また、公衆無線LANサービスについても、国際ローミングサービスを提供する。
NTTドコモは、同社が提供していた公衆無線LANサービス「Mzone」の名称を3月1日から「docomo Wi-Fi」に変更した(関連記事:ドコモの公衆無線LANサービス名が「docomo Wi-Fi」に)。ソフトバンクが「ソフトバンク Wi-Fi」、KDDIが「au Wi-Fi」と、結局3社とも同じような名称に落ち着いたが、利用者からは分かりやすいという声が多いようだ。
MWC 2012の基調講演で、Facebook社のマーク・ザッカーバーグCEOが、HTML5をベースにしたモバイルウェブへの取り組みとFacebook Creditに関して大手携帯事業者との協力を明らかにしたが(関連記事:フェイスブック、MWCで存在感アピール - モバイルウェブの取り組みなどを発表)、日本ではKDDIがFacebookとの連携を発表。auかんたん決済との連携で、Facebook内のコンテンツ料金を携帯電話料金と合算して支払えるようになる(報道発表資料:〈お知らせ〉 モバイル決済サービスのさらなる普及に向けたFacebook (R) との協力について)。
KDDIは3月1日から「au スマートパス」のサービスを開始。auポイントプログラムとの連携、新コンテンツの提供などを発表した。(報道発表資料:KDDI直営のショッピングサイトと「auスマートパス」、「auポイントプログラム」の連携について・au Smart Sports Run&Walk 「フォーチュンランド」提供開始について)また、ローソンとの業務提携を発表。ローソン店内へのau Wi-Fiスポットの設置、Ponta会員向けのWi-Fiスポットの提供、au スマートパスでのローソングループからの特典提供、au簡単決済の導入、NFCの共同実験など、多岐にわたる分野で関係を強化する(報道発表資料:ローソンとKDDIの業務提携について )。
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先週発表された端末の発売情報・予約開始受付のお知らせについてまとめておく(リンク先はいずれも各社サイト)。
・「docomo with series MEDIAS ES N-05D」3月1日発売 (NTTドコモ)
・「docomo with series Xperia(TM) acro HD SO-03D」3月2日より事前予約受け付け開始(NTTドコモ)
・〈お知らせ〉 「MOTOROLA RAZR (TM) IS12M」、「DATA08Wドック」の販売開始について(3月1日より・KDDI)
・高精彩スーパー有機ELディスプレー搭載のクラウド連携スマートフォン「DELL Streak Pro 101DL」、3月3日発売(ソフトバンクモバイル)
・国内最大容量バッテリー搭載のLTE対応Wi-Fiルーター 「Pocket WiFi LTE(GL01P)」を3月15日に発売〜連続通信時間約9時間、LTEモデル最薄13.5mm〜(イーモバイル)
・国内最大容量バッテリー搭載のLTE対応Wi-Fiルーター「Pocket WiFi LTE(GL02P)」を3月27日に発売〜連続通信時間約9時間、LTEモデル最軽量の123g〜(イーモバイル)
UQ WiMAXサービスの累計契約数が2012年2月26日をもって200万契約を突破した。2009年7月に商用サービスを開始し、2011年6月に累計100万契約を突破。その後、約8ヶ月で倍増したことになる(関連記事:UQ WiMAXが200万契約を突破 )。
総務省は、情報通信審議会から、070番号の携帯電話への割当てや携帯電話・PHS間のナンバーポータビリティ(MNP)について答申を受けたと発表した(関連記事:070番の携帯への割り当ては2014年初頭から、MNPも実施を目指す)。現在携帯電話に割当てられている080番号、090番号は2014年2月頃には枯渇されると予想されており、現在はPHSに使用されている070番号を2014年初頭からの割当て開始に向け準備を進めることが適当であるとされた。またこれに伴い、携帯電話とPHSの間のMNPについては、2014年度内の導入を目指すことが適当であるとされた。従来は制度とシステムの違いから競争が発生しにくかった携帯電話とPHSの間で、料金制度やサービスで競争が発生することで、利用者にメリットが出ることを期待したい。
NOTTVでは、4月1日の放送開始から半年間のモニターキャンペーンの受付を3月1日から開始した。申し込みはNOTTV モニターキャンペーンのサイトか、ドコモショップで受け付ける。
新しくはじまるサービスもあれば、役割を終えて終了するサービスもある。NTTドコモは、2012年3月31日サービスを終了するDoPaサービスについて、DoPaサービス終了に関する重要なお知らせを発表した。サービス終了時点で契約中の回線は自動的に解約となり、同じ番号でのFOMAへの移行はできなくなると注意喚起している。
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。