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4G iPadは「金食い虫」-米従量課金ユーザー「あっという間に上限に」(編集担当メモ)

2012.03.22

Updated by WirelessWire News編集部 on March 22, 2012, 14:29 pm JST

先週末に発売された新しいiPad。目玉のひとつがいわゆる4G(LTE)網に対応する高速通信機能であることは周知の通りだが、この4G通信網をいち早く使い始めた米国のiPadユーザーの間から、「あっという間に月々の上限に達してしまう」という話が出ているようだ。

ご承知の通り、米国で4G iPadを扱うベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)とAT&Tは、いずれも従量制課金に移行している。現在の料金プランはもっとも安いもので月額約15ドル(上限250MB:AT&Tの場合)、あるいは同20ドル(上限1GB:ベライゾンの場合)で、両社とも50ドル(5GB)で、上限に達した場合の追加料金が1GBあたり10ドル。

ところが、同じ目的で使っていても4G対応機器は3G機器の場合に比べて2倍以上データ量が多くなるという。Digitsブログにはそうした例として、ベライゾンの参考資料が出ているが、それによると動画閲覧では3Gが260MBに対して4Gが650MB(いずれも1時間あたり)、ビデオチャットでは3Gが75MBに対し4Gが260MBで、音声通話(VoIP)でも2倍以上の開きがあるという。

要は、4Gのほうがずっと高速でガンガン回線を使えるため、自然とデータ消費量も増えていくということらしいが、WSJ記事には毎年3月に行われている全米大学バスケットボール選手権の決勝トーナメント--「March Madness」という呼ばれるくらい盛り上がる、日本で言えば甲子園(高校野球)あるいは高校サッカーのような存在--の試合をクルマのなかで観ていたら2時間ほどで上限の2GB(30ドル)に達してしまった、というベライゾン加入者の話などが紹介されている。また、LTE接続の代わりに、米国で比較的普及しているWi-Fiホットスポットを使おうという「回避策」を試してみたものの、接続スピードが遅すぎて、Youtubeの動画などまともに観ることができず、やむを得ず携帯通信網を使うことになった、というAT&T加入者の例も出ている。

新しいiPadについて、4Gサービス普及の起爆剤として期待していた通信事業者にとっては、いまのところ期待通りの展開かもしれないが、いっぽうではこうした高額な支払い金額を見聞きして、二の足を踏む消費者もいる。その割合がどれくらいかはまだ定かでないが、LTE網の展開を始めた通信事業者としてはなるべく早めに3G加入者を(より通信効率の良い)4G網に切り替えさせることで、逼迫する周波数帯の利用効率を上げたいことも事実。新型iPadは通信事業者にとって新たなジレンマの種となるかもしれない。

【参照情報】
Video Speed Trap Lurks in New iPad - WSJ
Video Speed Trap Lurks in New iPad - Digits (WSJ)
新型iPadのLTE対応 - 米携帯通信キャリアへの影響は?(編集担当メモ)

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