iPhoneなら14回可能 - 燃料電池を使ったトランプ大の充電器(編集担当メモ)
2012.05.09
Updated by WirelessWire News編集部 on May 9, 2012, 16:47 pm JST
2012.05.09
Updated by WirelessWire News編集部 on May 9, 2012, 16:47 pm JST
米MITの研究室から生まれた燃料電池技術を利用する携帯型充電器が今年中に米国で発売されることになった。
[CNET]
この製品を開発したのはリリプシアン・システムズ(Lilliputian Systems)というベンチャー企業で、発電にはブタン(ガス)を使用。このガスが入ったリサイクル可能なカートリッジひとつで、iPhoneのようなスマートフォンなら最大14回程度のフル充電が可能になる。充電するモバイル端末などとはUSBコードでの接続となるため、さまざまな機器に利用できることになりそうだ。
リリプシアンは米国時間8日に、この製品をブルックストーン(Brookstone)という米小売業者で販売することになったと発表。価格は未発表ながら、一部には充電器本体が100〜200ドルで、また交換用カートリッジが5ドル以下で提供されそうだという報道もある。
リリプシアンでは約11年の歳月をかけて、MITのマイクロシステムズ・テクノロジー・ラボ(Microsystems Technology Laboratory)がもともと開発した「Silicon Power Cell」と呼ぶこの燃料電池技術を製品化。また同社がインテルキャピタル(Intel Capital)をはじめとするVC各社から調達した資金はあわせて9000万ドル以上に上るという。
画面の大型化やプロセッサの高速化、LTE対応無線チップの搭載など、スマートフォンの高性能化がさらに進むと同時に、薄型化・軽量化などのニーズも高まっているなかで、この矛盾のしわ寄せを受けているのがバッテリー。各種チップの改良やソフトウェア面での工夫など、駆動時間を縮めないための努力が重ねられているが、いまのところ大きな前進には結びついていない(逆に、新型iPadのようにパッテリー容量を増やしたために本体の厚みが増したといった例もある)。またバックアップとして持ち運ぶバッテリーパックにしてもほぼ同様で、多くて数回のフル充電後にバッテリーパック自体の充電が必要となる。さらに災害時など、そもそも充電自体が難しい場合も考えられる。
そうしたことから、このポケットに入る大きさの燃料電池式充電器が普及し、充填用のカートリッジも街角のコンビニなどで簡単に入手できるようになると面白いと思う。
【参照情報】
・Portable Fuel Cell Charger Offers Weeks of Smartphone Power - PC Magazine
・Two weeks of smartphone charging in your pocket - CNET
・Brookstone to sell Lilliputian portable power chargers, this year - BizJournal
・Lilliputian Systems
・Brookstone
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