マイクロソフト、「Windows Phone 8」を発表 - 複数の端末メーカーや通信キャリアがサポート表明
2012.06.21
Updated by WirelessWire News編集部 on June 21, 2012, 10:40 am JST
2012.06.21
Updated by WirelessWire News編集部 on June 21, 2012, 10:40 am JST
マイクロソフト(Microsoft)は米国時間20日、今年秋に投入予定の次期モバイルOS「Windows Phone 8」を発表。前バージョンから様々な変更が加えられた最新OSに、早くも複数の携帯通信事業者や端末メーカーがサポートの意向を表明している。
これまで「Apollo」という開発コード名で知られてきた「Windows Phone 8」では、PC版Windowsと同じNTカーネルが採用され、NFC(Near-Field Communications:近距離間無線通信)やマルチコア・プロセッサ、デバイスの暗号化、マイクロSDカードなどに新たに対応。ブラウザには「Windows 8」と同じ「Internet Explorer 10」を搭載する。また、自社傘下のスカイプ(Skype)や他のサードパーティ製のVoIPアプリとも統合。インターフェイス面では、Windows Phoneの特徴であるMetroスタイルのスタート画面で、タイルのサイズ調整などの変更が可能になっている。
いっぽうマイクロソフトは、前バージョンのWindows Phone 7やアップデート版の7.5(通称Mango)を搭載する既存の端末からWindows Phone 8へのアップデートはリリースせず、代わりにインターフェイスなど最新OSの様々な変更を盛り込んだ「Windows Phone 7.8」というアップデート版を別に提供するとしている。
この日の発表のなかでは、ノキア(Nokia)、サムスン(Samsung)、HTC、ファーウェイ(Huawei)の大手端末メーカー4社が、Window Phone 8搭載端末を投入予定であることが明らかにされた。マイクロソフトによると、Windows Phone 8は50か国語の言語をサポートし、同OS搭載スマートフォンは180か国で提供される見込みだという。また、すでに米国の携帯通信大手3社ーーAT&T、ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)、T-モバイル(T-Mobile)が同OS対応端末の取り扱いを計画。いっぽうスプリント・ネクステル(Sprint Nextel)やその他の下位事業者では、いまののところ取り扱いの可能性があるとだけしているという。
なお、今回の発表内容を踏まえて、現在Windows Phone端末の大半を占めるノキア製品への悪影響を懸念する声も一部で上がっているようだ。Window Phone 8の投入で、競合するAndroidやiOSへのキャッチアップが図られる見通しがはっきりしてきたことで、現在販売されているLumiaシリーズの端末の売れ行きにさらにブレーキがかかるとの可能性があるほか、これまで同社製品の大きな訴求点となっていたナブテック(Navteq)の地図関連技術ーーオフライン機能やいわゆる「ターン・バイ・ターン」のナビゲーション機能などが、Windows Phone 8からは他社製端末でも利用できることになるためだという。
【参照情報】
・Windows Phone 8 in detail: new Start Screen, multi-core support, VoIP integration, and NFC - The Verge
・Microsoft's Windows Phone 8 finally gets a 'real' Windows core - ZDNet
・First Windows Phone 8 Devices Coming From Nokia, Huawei, HTC and Samsung - ATD
・Microsoft reveals Skype & 3rd party VOIP integration for Windows Phone 8 - WP Central
・Will Microsoft's Windows Phone 8 Move Put Nokia's Current Business on Ice? -
・マイクロソフト、「Surface」タブレット2機種を発表 - 10.6インチ、次期Windows OS搭載
・ノキアの経営不振、さらに深刻化 - 1万人の人員削減など、新たな組織再編へ
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