多くのスマートフォンメーカーがインドネシア現地でのスマートフォン製造工場設立に向け動いていることは既報の通りだが、中国メーカーのレノボもインドネシアでのマートフォン製造に向けて、ジャワ島西部のセランに工場を設立することを明らかにした。
レノボのインドネシア支社であるPT Lenovo Indonesiaと工場のあるセランの電気機器メーカーPT Tridharma Kencana (TDK)と提携して、スマートフォンの製造を行い、1か月に75,000台〜150,000台の端末を製造していく予定。製造機種はレノボがインドネシアで提供しているA6010 ・A2010シリーズを予定している。中国メーカーのレノボがインドネシアに工場を設立して、スマートフォンの製造を行うことはインドネシアの政府も歓迎している。
インドネシアでは2017年までにインドネシアで販売する4Gスマートフォンの部品のうちインドネシア製を30%以上、搭載するように義務付けている。現在のレノボがインドネシアで販売しているスマートフォンのインドネシア製部品は20%程度であり、引き上げが求められている。
レノボはインドネシアの4Gスマートフォンのシェアでは1位で19.2%のシェアを持っている。とはいえ、4Gのカバレッジが全国まで行き届いてないことや、端末自体が高価であることから、インドネシアではまだ4Gのスマートフォンの出荷台数は決して多くない。スマートフォ全体の出荷ではサムスンや地場メーカーのEvercoss、Smartfren、Advanの勢いには追いついていない。
インドネシアではスマートフォンが急速に拡大しており、多くのメーカーがインドネシア国内に工場を設置して製造を行っている。スマートフォンでは世界4位(2014年)の出荷台数を誇るレノボでも、インドネシア市場では決して順調ではない。
▼インドネシアのスマートフォンメーカー別出荷シェア推移(Counterpoint発表資料を元に作成)
【参照情報】
・Lenovo produces 4G smartphones locally
・Tiga Menteri Sambut Baik Pabrikasi Lenovo di Indonesia
・Lenovo Smartphones (in Indonesia)
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。