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iPhoneのロック解除協力強要は不当 - 米ニューヨーク地裁、FBIの要請を却下
2016.03.01
Updated by WirelessWire News編集部 on March 1, 2016, 11:53 am JST
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2016.03.01
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「All Writs Act」と称する法律を根拠に、アップル(Apple)に対してiPhoneのロック画面解除に協力するよう求めるFBIの要求は認められないとする判断が、米国時間2月29日にブルックリンにあるニューヨーク市東部地区法廷で下された。同様の争点をめぐって続いているカリフォルニア州での銃乱射事件に関する争いに、この判断が影響を及ぼす可能性が浮上しているという。
この裁判は、ブルックリン(ニューヨーク市)で発生したある麻薬密売事件に関して昨年起こされていたもので、司法当局はこの事件に絡んで押収したiPhoneから証拠となる情報を取り出すべく、アップルにiPhoneのロック機能解除を可能にするiOS修正版の作成を求めていた。それに対してアップル側は、司法当局の捜査に負担のかからない範囲で協力することを定めた「All Writs Act」(1789年の合衆国憲法制定時に定められた法律)を根拠にこうした協力を強制することは不当として、FBIの協力要請を拒否していた。
ABC NewsやWSJの報道によると、今回の判断を下した同法廷の行政判事は、「All Writs Act」の制定に携わった先人たちに21世紀のプライバシーとテクノロジーに関わる問題が予見できていたとは思われないなどとし、アップル側の主張を認めたという。また同判事は、暗号化をめぐる諸問題を解決する法律を現代の議会が定めるべきとする見解も示しているという。
既報の通り、昨年12月にカリフォルニア州で発生したテロリストによる銃乱射事件に関して、FBIは「All Writs Act」を根拠にアップルに協力を求める申請を行い、この申請がカリフォルニア州法廷で認められていた。それに対し、アップルは同法廷の命令に対する異議申し立てを米国時間2月25日に行い、そのなかで犯人が使用していたiPhone 5cの暗号化機能解除を可能にするiOS修正版の作成にかかる人的リソースなどの推定も明らかにしていた。また米国時間1日には連邦議会下院の司法委員会でこの問題をめぐる公聴会が行われる予定で、アップルの法務担当責任者を務めるブルース・シーウェル(Bruce Sewell)氏らがこれに出席することも報じられていた。
【参照情報】
・Apple Wins Ruling in New York iPhone Hacking Order - NYTimes
・Judge Sides With Apple in Drug Case Involving Locked Phone - WSJ
・NY Judge: US Cannot Make Apple Provide iPhone Data - ABC News
・Apple and the FBI will face off at a Congressional hearing on March 1st - The Verge
・Read Apple's statement to Congress on the FBI warrant fight - The Verge
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