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若山 正人 masato_wakayama

九州大学 理事・副学長。マス・フォア・インダストリ研究所 教授。代数学・幾何学・解析学が交わる現代数学の研究領域である表現論、とくにその整数論・ゼータ関数、数理物理への応用研究が専門。加えて10年ほど前より、数学の産業応用とそれに関わる人材育成に強い関心をもち、2011年には、わが国初の産業数学の研究所である九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(文部科学省共同研究・共同利用拠点)の創設に関わる。「絶対カシミール元」、「技術に生きる現代数学」(岩波書店)などの著書・編著書のほか、学術誌Pacific Journal of Mathematics for Industryや叢書Mathematics for Industry(Springer)の編集長をつとめている。近年は、量子計算機の基盤となる量子光学における物理モデルのスペクトル解明への表現論からの探求とその数論的側面の考察に従事している。

⑤数学者の共著論文に学ぶ研究開発のチームワーク

著名な数学者であっても、よく計算間違いをする。しかし彼らには最後の目標が見えているので、途中で必ず気づくという。また多くの数学者は、高校で習うような定理であっても完全に暗記してはいない。しかし偉大な数学者は、その場で定理を再構築しようとする。ここにいかに数学を深く考えているかが表れてくる。

2017.05.31

④研究の視野はこうして広がった

1984年に開かれた数学の国際会議に関連して、当時30代であった若山は招待講演を行った。その内容は大きな拍手をもって迎えられたが、他の大物研究者がほぼ等しい内容を既に論文として発表していたことを知る。

2017.04.20

③ビッグデータから見えてくる新しい数学

これまで現実世界のデータを扱うには、その法則性を見つけるために微分が用いられてきた。しかし昨今流行するビッグデータでは、データ量が多すぎるために法則性を見つけることが大変困難であり、微分方程式を適用することもできない。

2017.02.06

②表現論とコンピュータによる現代数学の応用可能性

若山の専門分野は「表現論」である。表現論とは、複雑な物事の中に対称性を見出しその解決を目指す比較的新しい分野だと言える。近現代の数学は非常に抽象化が進み、物理学のような応用場面とはかけ離れたものになってきた。しかし近年のコンピュータの発達によって膨大な計算が可能となり、近現代数学を現実場面へ応用することが可能となってきた。

2017.01.16

①数学者が考える数学とは何か

高校までの数学では与えられた問題を解くことが全てだが、実際の数学者が特に気を払うのは言葉の厳密な定義である。これによって複雑で抽象的な概念を操ることができ、「フェルマー予想」のように永らく未解決であった超難問に挑むことも可能となる。

2016.10.30