ネットにしか居場所がないということ(後編) 2016.11.30 ネットでしか生きられない人間がネットでの活動にアイデンティティを託すことの危険性を考える機会が増えました。ジェイク・オロウィッツの文章を読むと、ウィキペディア編集により2011年のエジプト革命を支援したことを誇りに思っているのが伝わります。
ネットにしか居場所がないということ(前編) 2016.11.29 2004年に初めてウィキペディアを編集した現在37歳のエリオットは、ほとんど誰よりもこのオンライン百科事典の内部の仕組みを熟知していました。ウィキペディアを日常的に利用するネットユーザであれば、彼がかの有名な[要出典]タグを発明した人と聞けば、おっとなるのではないでしょうか。
我々は信頼に足るアルゴリズムを見極められるのか? 2016.10.06 前回、プラットフォーム企業がウェブを中央集権的でクローズドなものにしている話を書きましたが、そうしたプラットフォーム企業が提供するサービスの根幹にある「アルゴリズム」が問題視される事案が最近いくつかありました。
もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 2016.08.22 すっかり旧聞に属しますが、Internet Archive が主催し、これからのウェブのあり方を議論するイベント Decentralized Web Summit が6月に開かれました。それにいたる流れを少し辿りたいと思います。
ユートピアのキモさと人工知能がもたらす不気味の谷 2016.06.28 ニコラス・カーの新刊『Utopia Is Creepy: And Other Provocations』が9月に出るのを知りました。SF 小説、特に優れたものは、たいてい常にディストピアものだ、という話から件のエントリは始まります。
他人事でないIoTのセキュリティ問題、そして追悼 2016.05.25 旧聞に属しますが、奈良先端科学技術大学院大学教授にして、内閣官房情報セキュリティ対策推進室の初代情報セキュリティ補佐官など要職を務められた山口英氏の逝去が伝えられました。その訃報に接し、昔のことを少し思い出してしまいました。
仄暗いウェブの底から 2016.04.25 少し前に英ガーディアン紙がウェブ版の記事に寄せられた大量のコメントを解析した結果が話題になりました。その要旨を簡単に書いてしまえば、女性によって書かれた記事は、男性によって書かれた記事よりもクソリプがつきやすい、という仮説を裏付けるものだった、になるでしょうか。
メイカームーブメントの幼年期の終わりと失敗の語り方 2016.03.23 今年のはじめに偶然にも John Baichtal 編『物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活』と高須正和『メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。』という、いずれもメイカームーブメントを主題とする二冊の本を献本いただきました。今回はこの二冊について書きたいと思います。
世界に売られた男 2016.02.25 Apple と連邦捜査局(FBI)との間の「iPhoneロック解除」問題の話題が続いています。一連のニュースを見ていて、この人ならどういう意見を述べただろうかと思う人がワタシにはいました。それは早熟の天才ハッカー、アーロン・スワーツです。
テクノロジースタートアップは経済的不平等に貢献しているか? 2016.02.02 シードアクセラレーター Y Combinator の共同創業者して知られるポール・グレアムですが、エッセイストとしても著名な彼の文章は時折論議を呼びます。今年に入って書かれた、ズバリ「経済的不平等(Economic Inequality)」と題されたエッセイもかなり論議を呼びました……というか、もう少し正確に書くなら、多くの批判を浴びました。