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yomoyomo yomoyomo

雑文書き/翻訳者。1973年生まれ。著書に『情報共有の未来』(達人出版会)、訳書に『デジタル音楽の行方』(翔泳社)、『Wiki Way』(ソフトバンク クリエイティブ)、『ウェブログ・ハンドブック』(毎日コミュニケーションズ)がある。ネットを中心にコラムから翻訳まで横断的に執筆活動を続ける。

ソーシャルネットワークの黄昏、Web 2.0の振り返り、そして壊れたテック/コンテンツ文化のサイクル

Facebookが社名をMetaに変更したのは、もちろんメタバースの会社に変えていくという意思表示には違いありませんが、Facebookというブランドイメージの失墜の影響を無視はできません。この10年近く定期的に見てきた覚えがある、若者のFacebook離れについての最新報告が最近も話題になりましたが、友達とのつながりよりも利用者が好みそうな動画が優先される機能変更、早い話が「TikTok化」も、そうした状況の打開を目論んでのことでしょう。

2022.08.21

ある「パソコンの大先生」の死

今回のワタシの文章は、Web3やらメタバースやら、いまどきな話題とまったく関係のない、もっとスケールの小さい、個人的な、早い話がとてもしょぼい話題になります。一種の恥さらしとすら言って良いでしょう。話は今月半ば、自室のデスクトップパソコン(以下PC)を起動しようにも、再起動を繰り返すようになったところから始まります。

2022.07.28

Web3の「魂」は何なのか?

「NFT」はともかく、「メタバース」あたりまであれもこれもWeb3だと言い立てる人がおり、定義が人によってかなりブレているのが現実です。脱中央集権(分散型)といったコンセプトよりも、何より暗号通貨周りへの投機の過熱がもたらす混乱があり、Web 2.0の提唱者であるティム・オライリーが、今の状況は間違いなくバブルであり、真価が分かるのはバブルが弾けた後、と引き気味に語るのも理解できます。

2022.06.01

自由なソフトウェアと抗議と倫理の「(不)可能性」について

ロシアのウクライナ侵攻への抗議はテック界隈でもいろいろな形で行われましたが、少し変わったものでは、「プロテストウェア(protestware)」と呼ばれるフリーソフトウェア/オープンソースソフトウェア(FOSS)の利用があります。プロテストウェアの「抗議」は、反戦やウクライナへの支援を訴えるメッセージを表示する他愛もないレベルだけでなく、ロシアやベラルーシにあるコンピュータのファイルを消去する、要はワイパー型マルウェアと同等の動作を行うかなり物騒なレベルまでありました。

2022.05.10

ネットにしか居場所がないということ(後編)

ネットでしか生きられない人間がネットでの活動にアイデンティティを託すことの危険性を考える機会が増えました。ジェイク・オロウィッツの文章を読むと、ウィキペディア編集により2011年のエジプト革命を支援したことを誇りに思っているのが伝わります。

2016.11.30

ネットにしか居場所がないということ(前編)

2004年に初めてウィキペディアを編集した現在37歳のエリオットは、ほとんど誰よりもこのオンライン百科事典の内部の仕組みを熟知していました。ウィキペディアを日常的に利用するネットユーザであれば、彼がかの有名な[要出典]タグを発明した人と聞けば、おっとなるのではないでしょうか。

2016.11.29

我々は信頼に足るアルゴリズムを見極められるのか?

前回、プラットフォーム企業がウェブを中央集権的でクローズドなものにしている話を書きましたが、そうしたプラットフォーム企業が提供するサービスの根幹にある「アルゴリズム」が問題視される事案が最近いくつかありました。

2016.10.06

もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて

すっかり旧聞に属しますが、Internet Archive が主催し、これからのウェブのあり方を議論するイベント Decentralized Web Summit が6月に開かれました。それにいたる流れを少し辿りたいと思います。

2016.08.22

ユートピアのキモさと人工知能がもたらす不気味の谷

ニコラス・カーの新刊『Utopia Is Creepy: And Other Provocations』が9月に出るのを知りました。SF 小説、特に優れたものは、たいてい常にディストピアものだ、という話から件のエントリは始まります。

2016.06.28

他人事でないIoTのセキュリティ問題、そして追悼

旧聞に属しますが、奈良先端科学技術大学院大学教授にして、内閣官房情報セキュリティ対策推進室の初代情報セキュリティ補佐官など要職を務められた山口英氏の逝去が伝えられました。その訃報に接し、昔のことを少し思い出してしまいました。

2016.05.25

仄暗いウェブの底から

少し前に英ガーディアン紙がウェブ版の記事に寄せられた大量のコメントを解析した結果が話題になりました。その要旨を簡単に書いてしまえば、女性によって書かれた記事は、男性によって書かれた記事よりもクソリプがつきやすい、という仮説を裏付けるものだった、になるでしょうか。

2016.04.25

メイカームーブメントの幼年期の終わりと失敗の語り方

今年のはじめに偶然にも John Baichtal 編『物を作って生きるには ―23人のMaker Proが語る仕事と生活』と高須正和『メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。』という、いずれもメイカームーブメントを主題とする二冊の本を献本いただきました。今回はこの二冊について書きたいと思います。

2016.03.23