エリートと教養 8 現代日本語考 3 2020.08.10 「言葉警察」の如き文章を、二回にわたって連ねてきました。他方で、朗読、読み聞かせ、などという業も、結構賑わいを見せているようで、アナウンサーとして一段落したような方も、その分野で数多く活躍しています。美しい日本語についても語っておかなければ、手落ちということになりそうです。
エリートと教養7 現代日本語考 2 2020.08.03 「あかとんぼ」や「でんしゃ」では、かつては冒頭のシラブルにアクセントが置かれていたのが、今は、どこにもアクセントが置かれない、平たい発音がむしろ普通になった、という論点でした。
「自らの『生』を問う」 ALSを患った女性の死から 2020.07.31 ALSで重篤な状態に陥った患者が、SNS上で安楽死を望む投稿をし、それに二人の医師が応じた事件で、世評はいろいろと喧しい。何でも政治家や政府のせいにしたがる人々は、首相がいち早く否定的な見解を発表しないことを、手抜きとして非難する始末である。
エリートと教養6 現代日本語考 1 2020.07.28 「何とかがぁ」「どうこうしてぇ」「どうこうなったからぁ」「それでぇ」「困ってしまってぇ」──。 こんな話し方に気付かれていませんか。一つの文章が細切れに分節化されて、その分節の最後のシラブル(音節)、上の表現では斜体のシラブルだけが、特別に強調されて高音化されるのです。
「音楽 その光と塩」 5. オーケストラ 承前 2020.07.23 オーケストラでは、予期せぬ事故が起こります。日本で大変有名になった話があります。かつて『題名のない音楽会』というTV番組で、司会の黛敏郎さんが、ゲストの指揮者山田一雄さんに、ちょっと聞きにくい話なのですが、と断って、公開の席上で尋ねられたことがあります。そのエピソードは、私も前々から聞いていて、本当かどうか知りたかったので、果たして山田さんはどう答えられるか、興味津々で見ていました。
反東京としての地方建築を歩く10 「宮崎県の消えた建築と新しい建築」 2020.07.22 2020年3月、宮崎県を訪れた。菊竹清訓が設計した「都城市民会館」(1966年)の保存問題が、最初に起きたとき以来になるなので、10年以上ぶりである。あまり知られていない建築かもしれないので説明しておこう。
「音楽 その光と塩」 4. オーケストラ 2020.07.16 これを書いている二〇二〇年六月は、年初に始まったヴィルス禍の真っ最中です。「三密」を避けるという原則からすれば、オーケストラ活動は、まさしくそれに抵触する最たるものともいえます。ほとんどのオーケストラが、定期演奏会や予定されていたスケジュールがキャンセルされて、経営上も、また団員の音楽への構えの上でも、大きな危機にある状況です。
「音楽 その光と塩」 3. 明日には! 2020.07.09 ジョン・ヘンリー・マッケイ(John Henry Mackay, 一八六四~一九三三)という人がいます。あまり日本では知られていないと思いますので、少し詳しく紹介してみましょう。名前からすれば、誰もがイギリス人だと思うのではないでしょうか。
グローバリズムから「インターローカリズム」へ 2020.07.04 2020年1月より世界中に拡散したといわれる新型コロナウイルスと、それに端を発するパンデミック現象は、半年経った今でも世界中を席巻している。この新型コロナウイルスという存在そのものや、その危険性についてはまだよく分かっていない部分も多い。その中でWHO(世界保健機関)によって早々と出されたパンデミック宣言や、世界各地で都市封鎖が行われたことで様々な影響が現れている。
「音楽 その光と塩」 2. 違いの判らない男 2020.06.30 昔、ネスカフェ ゴールドブレンドの名CMに「違いのわかる男」というシリーズがありました。それぞれの分野で道を究めたような有名人をフィーチャーしたもので、人々の憧れを誘ったものでした。今回は、情けないことに「違いの判らない男」としての私の話です。