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科学技術芸術と社会Social Implement of STEAM

デジタル化と巨大企業の「税逃れ」。加速し続ける無形資産への投資

企業の資産のあり方は、21世紀になって非常に激しく変わりつつある。それまで経済を牽引してきた製造業は、従業員も多く、大工場があり、資産といえば有形資産がほとんどであった。だがITが発展すると、知的財産の重要性が著しく増加し、無形資産が有形資産よりも重要な地位を占めるようになっていった。

2024.01.16

テクノロジーへの熱狂には、サイクルがある

1980年代の半ば、現在のような経済成長の勢いがまだあまり見えない時期のインドネシア・ジャワの村落で、2年ほど人類学的な調査をした。その村はジャカルタとスラバヤを結ぶ幹線道路からかなり奥まったところにあり、道路近くなら電線は引かれていたものの、当該農村では電気がなかった。

2024.01.11

AIの強みは「間違えられる」ことにある

コンピュータというものはプログラム通りに動くのが当たり前、バグがあったら停止するのが当然で、いくら記号の羅列という共通性があるといっても、ちゃんと動いたり動かなかったりするゲノムをデジタル情報処理系になぞらえるのは、いくらなんでも牽強付会が過ぎる、と思われる向きもあるかもしれない。

2024.01.09

小売業がポイント還元をやめられない理由とサブスクの罠

お買い物をするときには、ポイント還元よりも現金割引の方がいい、という話を聞いたことのある方も多いのではないかと思いますが、少し違う角度からポイント還元の話をしたいと思います。実は、ポイントやギフトカードプレゼントには、私たちの意識の穴を突く、恐ろしいトリックが仕掛けられているのです。

2023.12.26

システムの自己増殖が止まらないのはなぜか?

ドイツの社会学者にルーマン(N.Luhman)という理論社会学者がいる。英米圏やフランス語圏ではそれほど人気があるとはいえないが、日本では彼の書籍の大半は翻訳が出ている。彼の議論は独、伊そして日本といった旧枢軸国でよく読まれているという冗談を聞いたことがあるが、なぜそうなのかはよくわからない。

2023.12.22

テクノロジー・欲望・苦痛 理工系の学部増設に意味はあるか?

テクノロジー礼賛は、F・ベーコン以来の古い歴史を持つ。ベーコンは、有用であることこそ、学問(サイエンス)に求められるべき成果と信じていた。日本のように化石燃料や広大な土地といった資源を持たない国では、技術立国こそが生き残りの道である、と声高に言われたりもする。そこで、役に立つテクノロジーを開発する人材も求められるわけである。

2023.12.19

データは何も語らない、意思決定に寄与するのは「仮説」である

Thinking Baseball 「考える野球」をブレイザー監督から受け継いだプロ野球の名監督故野村克也はID野球を提唱した。Import Data、データ重視野球、チーム編成や選手のプレイ上の判断は、経験や勘に頼るのでなく「客観的データを取り込んで科学的に進める」べきだ、と考えた。

2023.12.14

データ活用は無意味だったのか。データ分析部門創設で生産性が下がる?

多くの企業が社内外のデータを分析し自分たちのビジネスに活かすため、新たに「データアナリティクス・チーム」を創設してきました。分析者の採用は活発化し、関連設備への投資は随分と進められています。一方で、チームを作り設備も用意されたというのに成果が挙げられず、データアナリティクス・チームの閉鎖や縮小、企業内での立場が弱くなるという結果も生まれています。

2023.12.12

読んでいない記事についてすら「知っている」つもりになってしまう人々

考えてみてください。あなたは、タイトルだけ読んだオンライン記事を他人に共有したことはないでしょうか? そのとき、あなたはそのオンライン記事の内容をきちんと「知って」いたと言えるでしょうか。

2023.12.07

過去の気象解析データで山岳事故をなくせ
「逗子開成高校八方尾根遭難事故」に学ぶ冬山登山の心得

昭和56年(1981年)の五六豪雪の始めのほうで起きたのが、逗子開成高校八方尾根遭難事故です。神奈川県の逗子開成高校の先生1人と山岳部の生徒5名のパーティーが北アルプスの八方尾根に入って行方不明になり、全員が死亡しました。

2023.12.05

3.11でも生かされなかった大量の地球観測データ、本気で公開の検討を

2023年1月26日にH-IIAロケット46号機で、レーダー衛星7号機が打ち上げられた。これにより、日本の情報収集衛星システムは、高分解能地球観測衛星を9機も擁するようになった。

2023.11.30

「医療では、死は敗北」 データ化されていない看取りの現場

終末期ケアの優れた調査や論文は多い。それらの多くはご遺族やスタッフへのアンケート調査として行われる。亡くなった本人には聞けないのだから実際のところは分からないのだが、私たちは死のそばで何が起きているか、データを持っていると信じている。

2023.11.28