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科学・技術・芸術の社会実装Social Implement of STEAM

朽ちる現代アート

モノを基盤とした表現は、必ず経年劣化の影響を受ける。しかし、こうした変化を単に劣化ととらえるのか、それとも作品が経由する必然的な過程として肯定的に評価するかは、論じる者の思想的、哲学的な立場と直結している。そして新興テクノロジーを多用する現代アートのかなりの部分は、こうした側面についてかなり無防御だという印象が否めないのである。

2025.03.24

知ることは、領ることである

世俗の雑事や巷間の騒擾から、ふと一時的に逃れたとき、あるいは夜が白む頃合いの瞑想のひととき、心おきなく友と書物を語らうとき、須臾の間の仕合わせを感じるとき。それを王者と呼ぶまでもなく、ひそやかに得心すること。これが私にとっての、知ることの意味である。

2025.03.21

リスクのある科学実験を社会の中で行うべきか

学習のかなりの部分は模倣から成り立っているというのも事実である。しかし、多くの分野では我々は未知の領域に突入しており、自らやってみなければ解決しない分野も増えつつある。実験をベースにした学習を推進するには、それを可能にする空間がどのように可能になるのか、横断的に研究するという視座が必要になってくるのである。

2025.03.19

機械のアニミズム

宮崎の倫理は、機械の製作に対しても当てはまる。人間は機械を自分の役に立てるという利己的な欲望によって生産する。それにもかかわらず、人間は機械に美しさや愛着を感じ、大事にしようとする。

2025.03.18

「感覚」はすべての学問の土台でなければならない

もし過去の豊かな五感経験が失われつつあるのだとしたら、逆に現代社会だからこそ生まれた新しい感覚というものもあるかもしれない。五感を通して見えてくるもの 、社会の変化やその中で紡ぎ出される人々の関係や生き方は、より一層複雑化する世界の中で、社会のあり方を考えるヒントを与えてくれるのではないだろうか。

2025.03.13

分析のいきつくところ

分析とは「事物を部分に分かつこと」であり、不可視を可視化する一つの方法である、と同時に、優れた実験的方法の一つである。

2025.03.11

正しくあれない自分に耐え、周囲に揺れ動かされながら不恰好に生きるということ

こんな状況でも、人は生きようとする。パンを焼き、物語を創る。ここに、新しいものを作り出そうとする。このように「生きねば」ならない人間を、殺してはならない。

2025.03.04

表面的な歴史観を修正する、テクノロジーの補修論的転回

特に国際的なSTSや技術史の文脈では、補修やメンテナンスの作業についての詳細な研究が増え始めていて、従来の先端技術偏重の研究動向とは一線を画しつつあるのである。

2025.02.28

「ご近所付き合い」を支えるデジタルサービス

インドに住んでいると、頻繁にインド人の友人や同僚の家に招待される。インド都市部の大型高層マンションに住む友人の家を訪問すると警備員が常駐しており、最近はどのマンションでもアプリを用いて入館手続きを行う。

2024.10.03

「臨時情報」に97.2%が混乱、南海トラフに備える

過去、100-150年ほどの間隔で繰り返し起きてきたと言われる南海トラフ沿いの大地震。この歴史的事実自体は多くの人に知られているが、実はその地震が次に予測されたときに社会で何が起こるかは、意外と知られていない。

2024.10.01

「いま」を点群データとして仮想空間上に置いて「リセット」に抗う

いつか私たちを襲うと予想されている巨大地震。日本で暮らす人々は、日常が一瞬で「リセット」されてしまうこの災いを常に頭の片隅に置いている。

2024.09.27

パステル画から生まれた世界初のデジタル画像処理

ソ連が月や太陽系の各惑星へと探査機を送り始めたのとほぼ同時期から、アメリカの太陽系探査も本格的に始動した。

2024.09.24