正確(correct)ではあるけれど関係(relevant)はない、そう判断される瞬間もあれば、そうでない瞬間もある──「忘れられる権利」という概念の提起は、長期間のデータ利用が生み出すライフサイクルの中において、データの価値やリスク自体が変化していくこととを改めて認識させた。KDDI総研 主任研究員・高崎晴夫氏と東京大学情報学環特任講師・生貝直人氏による対談の最終回。
2014.10.31
検索エンジンをターゲットとした「忘れられる権利」は、データそのものの削除ではなく、データへリンクをさせないことで、現実的な運用を可能としている。しかし一方でデータそのものが残存することで、プロファイリングへの対応という新たな課題が生じている。インターネットの利用スタイルがソーシャルに移行した中で、「忘れられる権利」というキーワードが喚起するデータやプロファイリングへの対峙は、新たな局面を迎えつつある。KDDI総研 主任研究員・高崎晴夫氏と東京大学情報学環特任講師・生貝直人氏による対談の中編。
2014.10.28
もともと検索エンジンの検索結果を取扱い対象としていた「忘れられる権利」は、ここにきて「データベースと人間・社会」という広義の議論を呼び起こしつつある。討議が敷衍する中で、検索エンジンの先には何が対象となるのか。そしてそれらによって生じるであろう「本当の課題」とは何か。KDDI総研 主席研究員の高崎晴夫氏と東京大学大学院情報学環 特任講師の生貝直人氏による対談をお送りする。
2014.10.23
情報通信技術の発展により、我々の「パーソナルなデータ」が様々な場所において履歴として残り、時として実社会の本人に影響を及ぼすほどの事態を生み出している。このため、日本に限らず、国際的にもインターネットやスマートフォンを前提としたプライバシー法制が見直される最中にあるが、その中での重要キーワードである「忘れられる権利」について、概要と基本的な論点の整理を当記事で行う。
2014.10.14
前回は、株式会社ビデオリサーチソリューション推進局インタラクティブ事業戦略室専門職部長の松本圭一氏に、内閣官房IT戦略本部の「パーソナルデータに関する検討会」の議論を事業者としてどう受けとめているか、また、パーソナルデータの安全な利活用を進めるために同社が現在行っている、情報セキュリティへの取組みと第三者委員会の運営を伺った。本稿では、引続き同社の取組みと、複数企業間でパーソナルデータを扱う場合の課題と展望を伺う。
2014.06.02
本テーマ第二回では、株式会社ビデオリサーチソリューション推進局インタラクティブ事業戦略室専門職部長の松本圭一氏にインタビューを行い、パーソナルデータの安全な利活用を進めるために、事業者単独で有識者による第三者委員会の運営を行う一方で、新規事業として企業に既に蓄積しているデータをマーケティング活用出来るかたちに補完するサービスを行う同社の、当該分野への期待と課題を伺う。
2014.05.26
インターネット広告の世界では、「行動ターゲティング広告」が既に事業化されている。「パーソナルデータに関する検討会」での検討と事業者のガイドラインを今後どのように整合させていくのか。事業者サイドから見える課題の整理のポイントを伺った。
2014.05.19
3番目のテーマとして「パーソナルデータとビジネス展開」をとりあげる。今回は法改正の議論に先んじてインターネット広告業界のガイドラインのなかで定義された「インフォマティブデータ」を中心に話を伺った。
2014.05.14
完璧な匿名化とは別の議論として、パーソナルデータの利活用にトラストフレームワークを構築することの重要性が高まっている。経済産業省では、異なる組織間でユーザのID(アイデンティティ)データを連携し、サービスの質の向上を図る仕組み「ID連携トラストフレームワーク」に取り組んでいる。現在はルール、認定制度等の検討やユースケースの実証など、ID連携トラストフレームワークの整備に向けた取り組みを進めている。今回は経済産業省のキーパーソン満塩尚史氏に、トラストフレームワークがパーソナルデータの利活用をどう支えるかを伺う。
2014.04.07
完璧な匿名化とは別の議論として、パーソナルデータの利活用にトラストフレームワークを構築することの重要性が高まっている。経済産業省では、異なる組織間でユーザのID(アイデンティティ)データを連携し、サービスの質の向上を図る仕組み「ID連携トラストフレームワーク」に取り組んでいる。現在はルール、認定制度等の検討やユースケースの実証など、ID連携トラストフレームワークの整備に向けた取り組みを進めている。今回は経済産業省のキーパーソン満塩尚史氏に、トラストフレームワークがパーソナルデータの利活用をどう支えるかを伺う。
2014.03.31