TD-LTEをめぐる世界の動き - 中国ではインドア試験に成功
2010.04.01
Updated by WirelessWire News編集部 on April 1, 2010, 08:00 am JST
2010.04.01
Updated by WirelessWire News編集部 on April 1, 2010, 08:00 am JST
中国の通信機器ベンダーZTE(中興通訊)と通信キャリアのチャイナモバイル(中国移動通信/China Mobile Communications Corporation:CMCC)が北京でTD-LTEの室内テストに成功したと発表した。
このテストでは、MIMOのネットワーキング・パフォーマンスをパス1本と2本、複数UEの環境下で比較。パス2本のほうが1本よりダウンリンクのストリームは劇的に高速だったという。
両社は中国政府(中華人民共和国工業和信息化部/Ministry of Industry and Information:MIIT)が北京北部で行ったフィールドテストにも協力している。さらに上海万博でも共同でTD-LTEネットワークを構築するという。
2009年の通期利益が約25億元(約340億円)で前年比約50%増となったと先ごろ発表があったZTEでは、チャイナモバイル以外にも、豪テレストラCSL(Telstra CSL)、スペインのテレフォニカ(Telefonica)、シンガポールのシングテル(SingTel)などの各社が進める複数のLTE関連プロジェクトに関与している。
TD-LTEについては、米国でWiMAX事業を推進しているクリアワイアー(Clearwire)が2.6GHz帯(現在はWiMAXで利用中)でTD-LTEを使えるように標準化団体3GPPに働きかけ、今月始めに承認されている。
クリアワイアーでは、FDD(周波数分割復信)でLTEを展開しようとしているAT&Tやベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)、T-モバイルUSA(T-Mobile USA)に対抗して、TDD(時分割復信)で対抗してくるつもりのようだ。
2.6GHz帯をTDDバンドとする要望を上げているのはクリアワイアーだけではない。米スプリント・ネクステル(Sprint Nextel)や英UKブロードバンド(UK Broadband)などの通信事業者や、米モトローラ(Motorola)、米シスコシステムズ(Cisco Systems)といった通信機器ベンダー各社、さらに仏アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)、フィンランドのノキア シーメンス ネットワークス(Nokia Siemens Networks)、ドイツの計測機器ベンダーのローデ・シュワルツ(Rohde & Schwarz)などが、中国勢ともども賛意を示している。インドでは米クァルコム(Qualcomm)が2.3GHz帯オークションにTD-LTEで応札を表明しており、TD-LTE陣営も世界的に大きな勢力になりつつある可能性もある。
【参照情報】
・ZTE, China Mobile Test TD-LTE (Light Read Mobile)
・Clearwire Paves Way for LTE in US (Light Read Mobile)
・中国ZTE:09年通期利益、約50%増の約25億元-新華社 (Bloomberg.co.jp)
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