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ドイツの4Gオークション終了 - 落札額は予想を大幅に下回る

2010.05.25

Updated by WirelessWire News編集部 on May 25, 2010, 11:29 am JST

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(cc) Image by Sara Goldsmith

ドイツの4G周波数帯のオークションが5月21日(現地時間)に終了した。入札にかけられた41の周波数ブロックに対して集まった43億8000万ユーロ(1ユーロ=112円換算で約4906億円)の資金が集まったが、コンサルティング会社KPMGの事前の予想値60億〜80億ユーロを大きく下回った。並行して行われていたインドの3Gオークションが過熱し146億ドル(Wall Street Journal記事)に達したのとは対照的な結果に終わったが、これは10年前の3Gオークションの再現を携帯通信事業者各社が恐れた結果と思われる

規模の小さな事業者が恐れていたように、オークションという制度は大手に有利に働いたようだ。独ボーダフォン(Vodafone Germany)、O2(テレフォニカ傘下)、Tモバイル(T-Mobile:ドイツテレコム傘下)の大手3社が800MHz帯の5KHzペアを2つずつ獲得、落札額はそれぞれ14億2000万ユーロ、13億8000万ユーロ、13億ユーロとなった。各社が取り損ねたスロットもあり、この3社の落札額は総額で35億5000万ユーロに達する。イープラス(E-Plus)も800MHz帯への入札の意向を示していたが、あまりに高額だとして入札を取り下げた。41個の周波数ブロックは、800MHz帯、1.8GHz帯、2GHz帯、2.6GHz帯で、ボーダフォンが12ブロック、O2が11ブロック、Tモバイルが10ブロック、イープラスは8ブロックを落札した。

電波は周波数が高いほど光線のビームに近づくので直進性が強まり障害物の陰に回りこまなくなり、屋内にも入り込みにくくなる。そのために2.6GHz帯よりも800MHzが高額で落札されている。低周波の最安値が5億7100万ユーロなのに対して高周波の最安値は約17万ユーロと大きく違う。しかし、各社とも800MHz帯は20MHz幅しか取れず、LTEの通信速度を最大限に引き出すには40MHz幅が必要だから、2.6GHz帯を使うことになる。

800MHz帯はインフラストラクチャーのコストを低く抑えることができるので、地方のブロードバンドの空白地域--ホワイトスペース(white space)と呼ばれているらしい--に、モバイルのブロードバンド環境を持ち込むことができるようになる。

今後、ヨーロッパ各国が4G用の周波数帯の割当を行っていくことになるわけだが、その前にアナログTVの放送波を止める必要がある。現時点でベルギー、フィンランド、スウェーデン、ルクセンブルク、オランダの5カ国ではすでに止めており、他の国も2012年末までには止める計画だ。欧州連合(European Commission)は、参加各国に800MHz帯を4G用に利用可能にするように無線周波数政策プログラム(Radio Spectrum Policy Programme)のなかで求める案をこの6月か7月に発表するかどうかを検討中といわれる。各国で800MHz帯がモバイルに転用されることが明らかになれば、機器ベンダー各社の開発もさらに本格化するだろう。

【参照情報】
German spectrum auction ends but prices low (Rethink Wireless)
$6billion raised in German 3G auction (Wireless Federation)
Germany Ends Frequency Auction, Preps Rural Broadband (PC World)
インドの3Gオークションが終了 - 落札額は110億〜146億ドルに
独ケルンでのLTE用周波数帯オークションに裁判所の「待った」がかかるか

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