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[先週の動き]iPhone 4や新Android端末、LTEの試験運用など、今後を占う動きが続々

2010.06.14

Updated by WirelessWire News編集部 on June 14, 2010, 10:10 am JST

iPhone 4発表、発売は6月24日

201006141010-1.jpgiPadの国内発売から10日経った日本時間の6月8日は、iPhone 4の発表のニュースで夜が明けた。米アップルが、サンフランシスコで開催された同社の開発者会議(Worldwide Developer Conference:WWDC)の初日に発表したもの。日米をはじめとする5カ国では、6月24日に発売するとアナウンスされた。

iPhone 4は、iPhone 3GSの正常進化形といえる(関連記事:iPhone 4、ビデオ通話や高解像度ディスプレイを載せて6月24日発売アップル、iPhone 4を発表 - 既存iPhoneユーザーへの買い換え促進策も)。本体はこれまでの12.3mmから9.3mmへと大幅に薄型化。それでいながら、640×960ドットとスマートフォンとしては最高レベルの解像度を備えた液晶や、500万画素のカメラ、ビデオ通話に使う前面カメラなど、ハードウエア面での改良が施されている。

新しいコミュニケーション手段として、ビデオ通話の機能を搭載したことが1つのトピックだ。Wi-Fi環境にあるiPhone 4同士での通信に限定されるが、お互いの表情を見ながら通話できる。これまでにも、国内の3G携帯電話などでテレビ電話機能は搭載されてきたが、割高な通信料金やそれほどきれいでない画質なども影響し、コミュニケーションとして普及してきたとはい言い難い。iPhoneが新しいコミュニケーションの姿を作れるのか、注目したいところだ。

国内では、やはりソフトバンクモバイルがiPhone 4の販売を行う。この記事が公開された時点では翌日となる6月15日(火)に予約を受け付ける(関連記事:国内のiPhone 4はソフトバンクモバイルが発売 6/15(火)から予約受付を開始)。ソフトバンクモバイルは、iPadの発売があった5月にも純増数を大幅に伸ばしている(関連記事:5月末の携帯電話契約数、iPad効果のソフトバンクがダントツの純増)。2カ月連続の舶来品の市場投入で、引き続きの好調ぶりを示すことになりそうだ。

Android端末も着実な進化の歩み

201006141010-2.jpgiPhone発表の直後、国内では最もiPhoneの対抗軸として気を吐いているNTTドコモのXperiaが、正式にバージョンアップをアナウンスした(関連記事:Xperiaのバージョンアップが正式にスタート、フリック入力などが可能に)。これまでの国内の携帯電話が、いわば発売時点で完成していたのに対して、Xperiaなどのスマートフォンが発売後も進化を続けることをアピールする。待たれていた「フリック入力」に対応したほか、日本語入力関連を中心にいくつかの機能アップや調整がなされている。

このバージョンアップは、5月28日に誤配信があったアップデートファイルと同じもの。iPadの発売日に誤配信があり、iPhone発表の翌日に正式アップデートとは、偶然とはいえXperiaの存在を誇示するために狙ったようなタイミングだ。

Android端末としては、6月9日〜11日に開催されたInterop Tokyo 2010で、NECが新しいタブレット型の端末を公開した。Android 2.1を搭載した端末で、BtoBtoCを意識したもの。個人向けのサービスを提供する企業が端末も含めてカスタマイズして、顧客に届けるスタイルでの提供となる。無線LANによる通信が基本で、オプションで3G通信カードなどを挿入できる。この端末の詳細は、今後公開するInterop特集記事で紹介する。

コンテンツ提供側での動きもあった。iPhoneなどを対象としたスマートフォン用コンテンツ配信システム「Handbook」を提供するインフォテリアは、HandbookのシステムをAndroid端末でも使えるようなアプリの配信を開始した(関連記事:インフォテリア、コンテンツ配信システムのAndroid版アプリを提供)。これにより、これまでiPhone向けにコンテンツを用意してきた企業や大学などで、コンテンツに手をいれることなくAndroid端末も配信先に加えられるようになる。このようなコンテンツの利活用の自由度が上がる動きは、Android端末の普及を一層後押しすることになる。

これから来るLTE、発進1年のWiMAX、そしてメーカーは?

201006141010-3.jpg次世代の高速無線通信に向けたキャリアーの動きもあった。NTTドコモは、2010年12月に開始を予定しているLTEに向けて、実際の基地局などを利用したネットワークの試験運用を開始した(関連記事:NTTドコモ、LTEネットワークの試験運用を開始)。伝送速度や遅延などの通信品質、移動機が無線基地局間を移動した際の安定性などについて検証し、12月のサービス開始につなげたいとしている。

一歩先に高速無線通信サービスを開始しているUQコミュニケーションズは、7月1日のサービス開始1年を前に開業1周年イベントを開催した(関連記事:UQ、2010年度末に80万加入を目指す、2012年には300Mbps超に)。ここでは、基地局の積極展開や実行速度の向上などをアナウンスし、2010年度末までに80万加入を目指すという。5月末時点では同社の加入者数は19万2600であり、10カ月で4倍に増加させる計画だ。達成のための1つの方策がWi-Fiルーターでのユーザー確保。端末製品群に新しく「WiMAX Speed Wi-Fi」というシリーズ名を付け、積極的に市場にアピールしていくことを表明した。

6月11日には、富士通と東芝の携帯電話事業統合のニュースが駆け巡った(関連記事:富士通と東芝の携帯事業統合報道、両社は「決定した事実はない」)。ワールドワイドはもとより、国内でもアップルなどに市場を脅かされている国内メーカー。ターゲットとする市場を失いつつあるメーカーの再編は、まだまだ進むことになりそうだ。

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