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ロシアにもマシン間通信の到来か - 露第2位の携帯通信事業者が米M2M企業と提携

2010.06.11

Updated by WirelessWire News編集部 on June 11, 2010, 11:53 am JST

ロシア第2位(加入者数ベース)の携帯通信事業者、ヴィンペルコム(VimpelCom:ブランド名は「Beeline」)が米ジャスパーワイアレス(Jasper Wireless)と提携、ロシア市場でのM2M(マシン・トゥ・マシン)ソリューションを提供していくことになった。

Jasper Wireless
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ロシアのM2M市場は未開拓で、ヴィンペルは消費者向け、法人向けにソリューションを提供予定。消費者家電(電子書籍、フォトフレーム、デジカメ、パーソナルナビ、ゲーム機など)のネットワーキングのほか、法人市場では運輸、警備保障、遠隔医療、遠隔監視などの自動制御サービスを提供していくという。

ロシアは固定電話の世帯普及率が31.8%である一方、携帯電話の普及率は141.1%に達している(いずれも2008年)。携帯普及率は2004年には51.2%だったので、わずか4年で「2人に1台」の状態から「1人が1.4台」という状態にまで普及したことになる。

日本でも携帯の普及率が100%に近づいた2000年代前半、ユビキタスという言葉とともに、M2Mへの期待が大手携帯キャリアからしきりに発せられていた。人間に売れなくなるから、次は機械。さらには動物(ペットや家畜)を携帯の「加入者」にしてしまうことで、成長の鈍化を回避したいという思惑があった。カバレッジが広く、比較的低速で、月額料金が非常に安価であれば、送受情報の少ないセンサーや計器類のネットワーキングが普及する可能性は十分にあり、また車載システム、公共機関の安全対策(交通その他)にも、まだまだモバイルを活用する余地は十分にあると各国のモバイルオペレータは見ている。

ジャスパーワイアレスは2005年設立。M2Mに特化しており、車載機や自動販売機などのほか、POS、コピー機、プリンター、看板や冷蔵庫などのネットワーキングと管理システムの開発を行っている。AT&Tやメキシコのテルセル(Telcel)、カナダのロジャーズ(Rogers Wireless)、蘭KPN Internationalなどと提携している。

【参照情報】
VimpelCom and Jasper Wireless launch first M2M service in Russia (プレスリリース)
VimpelCom and Jasper Wireless Partners to Introduce First M2M Service in Russia (M2M Online)
VimpelCom targets robots in Russia (telecoms.com)
ロシア - インターネット、ブロードバンド加入者数および普及率(世界情報通信事情)

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