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[先週の動き]将来ビジョンや海外サービス展開、キャリアの動きが顕在化

2010.07.20

Updated by WirelessWire News編集部 on July 20, 2010, 10:30 am JST

子供たちの夏休みを目前に控えた1週間、通信業界では大規模な展示会「ワイヤレスジャパン2010」の開催もあり、ニュースには事欠かなかった。中でもキャリアの動きが多く見られたことが特徴。最近ではiPadやiPhoneなどの端末の話題に押されがちだったが、インフラを提供するキャリアが存在感を示した。

ドコモはスマートフォンに一層注力、UQはWiMAX 2提供へ

ワイヤレスジャパン2010の基調講演では、キャリアのトップによる今後のプランのアナウンスがあった。

1つはNTTドコモの山田隆持社長の基調講演。山田社長は、NTTドコモが今後、スマートフォンに一層の注力をしていくことを明らかにした。2010年の冬モデルでは、当初予定していた5機種を上回る7機種のスマートフォンを市場に投入することを表明.一部機種にはFeliCaやワンセグといった従来型の携帯電話の標準機能を搭載して、ユーザーのスムーズな移行を促す(関連記事:NTTドコモ、2010年冬モデルのスマートフォンは7機種を予定)。

201007201030-1.jpgもう1つはUQコミュニケーションズの野坂章雄社長の基調講演。こちらでは、次世代のWiMAX企画「WiMAX 2」(IEEE802.16m)の導入に関するロードマップが示された。WiMAX 2は最大下り300Mbpsを実現する規格。UQコミュニケーションズではまず、2010年10月に開催されるCEATEC JAPANで実証デモを実施、その後2011年末〜2012年初頭のサービス提供を示唆した(関連記事:「WiMAX 2」のサービス開始は2011年末〜2012年初頭か? UQコミュニケーションズが10月のCEATEC JAPANで実証デモ公開を予定)。

先週、WirelessWire Newsで最も読まれた記事は、ドコモでもiPhoneの話題でもなく、PHSのウィルコムの動向を知らせる記事だった。現在、同社が一部ユーザーを対象にテストサービス中の「だれとでも定額」オプションが、正式サービスになるという方向で検討されているというもの(関連記事:ウィルコム広報、「だれとでも定額」正式サービスについてコメント)。誰とでも定額オプションは、月額980円で「他社携帯・一般加入電話への10分以内の通話が月1000回まで無料」になる。ユーザーからの注目は高く、ジリ貧状態が続いているウィルコムにとって、「ウィルコム定額」以来の起死回生の一発になるかもしれない。

ガラパゴスからの脱出!? 海外との連携なども進む

携帯電話の高付加価値サービスは、国内で閉じたものが多い。ガラパゴスと揶揄される要因の1つは、国内に特化した高付加価値サービスにある(ガラパゴス島に失礼な物言いではあるが)。こうした分野での海外展開が少しずつ進み始めているようだ。

201007201030-2.jpgKDDIとソフトバンクモバイルは、韓国のSK Telecomと共同で、国内ではおサイフケータイで提供されている各種の"かざすサービス"を両国で共通して使えるようにするための検討を開始した(関連記事:KDDIとソフトバンク、韓国SK Telecom、日韓両国で使える「かざすサービス」を検討へ)。

国際標準の近接型無線通信方式「NFC」(Near Field Communication)を使い、決済、クーポン券、会員証、交通乗車券、チケットなど携帯電話をかざすサービスを相互に利用できるようにしようとするもの。日韓の3事業者は早期の商用化を目指すとともに、アジアを中心に提供国を増やしてグローバル展開を目指すという。

KDDIは歩行者向けのナビゲーションサービス「EZナビウォーク」の目的地に海外を追加した(関連記事:EZナビウォークで海外の有名スポットまでの"歩き方"が検索可能に)。「国際間トータルナビ」と名付け、海外の490カ所の有名スポットまでの"行き方"を示してくれる。「自宅からヤンキースタジアムまで」などといったルート案内が、飛行機のフライトスケジュールも込みで分かるサービスだ。

ひと味違うところでは、名古屋のユビキタス特区が上海万博で次世代ワンセグ端末を披露するといったニュースがあった(関連記事:上海万博で"次世代ワンセグ端末"を披露、名古屋ユビキタス特区が実証実験)。万博の日本館イベントステージで、7月31日から2週間にわたり、上海市当局から「ワンセグ」の電波を送出する免許を受けて、イベントステージのエリアに限定した放送を行う。コンテンツは、愛知県の祭りや産業を紹介する映像と、映像を解説する中国語によるデータ放送で、日本発のワンセグ技術をお披露目することになる。

スマートフォン、デジタルフォトフレーム、MVNOなどキーワードが続出

この他にも先週はキャリアを取り巻くニュースが目白押しだった。大物としては、NTTドコモがスマートフォンに向けたISPサービス「spモード」を開発したというニュースがあった(関連記事:スマートフォンで「@docomo.ne.jp」のメールアドレスが使える「spモード」を、NTTドコモが開発)。

201007201030-3.jpgこれまでスマートフォンでは、携帯電話のメールアドレスをそのまま使ったメールのやり取りができなかったが、ドコモのspモードでは専用のアプリを使うことで「@dodcomo.ne.jp」のアドレスでのメールのやり取りが可能になる。メールの自動受信や絵文字対応など、スマートフォンの日本向け"ローカライズ"の1つとも言える。先鋭的なユーザーが楽しんでいるツールから、一般の人も使える普遍的な端末への変化として、さまざまな試行錯誤がこれからも続くだろう。

一般ユーザーを対象としたM2Mサービスといえば、通信機能付きのデジタルフォトフレームが普及の最右翼にあることは間違いない。ソフトバンクモバイルは、同社の通信機能付きデジタルフォトフレーム「PhotoVision」に、アフターサービスのプランを提供する(関連記事:ソフトバンク、デジタルフォトフレームにも"安心"サービスを提供へ)。故障や全損時に修理代金を割り引くといった内容で、これまで、通常の携帯電話端末に向けて提供されていたサービスをデジタルフォトフレームにも拡大して適用した。

企業向けの話題としては、イー・モバイルが日立情報システムズにMVNOでデータ通信サービスを提供するというニュースもあった(関連記事:イー・モバイル、日立情報システムズにデータ通信サービスをMVNOで提供)。イー・モバイルが提供する最大21Mbpsのサービスを、日立情報システムズの「NETFORWARD/Mobile」のメニューに加えてワンストップで提供する。

携帯電話の利用方法の拡大を支える技術も開発されている。日立製作所とKDDIは、UHF帯のRFIDリーダー/ライターを搭載した携帯電話を開発(関連記事:日立とKDDI、総務省の委託研究成果としてUHF帯のRFIDリーダー/ライターを搭載したユビキタス端末を開発)。RFIDリーダー/ライター機能を提供することで、屋外設備の管理や保守、店舗内での商品棚卸、子供や高齢者の見守り、観光地での情報提供など多くの用途が見込めるという。

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