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契約総額70億ドル - ノキア シーメンス、米新興通信会社からLTE関連案件を獲得

2010.07.21

Updated by WirelessWire News編集部 on July 21, 2010, 14:54 pm JST

ノキア シーメンス ネットワークス(Nokia Siemens Networks:以下、ノキア シーメンス)は米国時間20日、米国の新興通信事業者ライトスクェアード(Light Squared)から、契約期間8年で総額70億ドルに上る契約を受注したことを明らかにした。両社取締役会の了承を得てこの契約が正式に成立すれば、高速無線通信網の卸売りを目指すライトスクェアードのために、ノキア シーメンスはネットワークの構築と保守・運用を行うことになる。

ライトスクェアードは、ニューヨークのヘッジファンド、ハービンガー・キャピタル・パートナーズ(Harbinger Capital Partners)が支援する新興企業で、通信事業者に対してネットワーク回線のホールセールサービスを予定。このために、同社は基地局4万局を新たに建設し、2015年までに米国人口の95%をカバーするLTEネットワークの展開を計画している。同社は2011年前半に、ボルチモア、フェニックス、ラスベガス、デンバーの4ヶ所で試験サービスを実施した後、2011年後半にサービスの正式開始を予定しているという。

なお、同社はこの発表と合わせて、英オレンジ(Orange)の元幹部サンジブ・アフジャ(Sanjiv Ahuja)氏をCEOに迎えて、総額17.5億ドルの資金調達を実施すると発表した。

ライトスクェアードでは、すでに30社程度の潜在顧客にコンタクトしており、Tモバイル(T-Mobile)USAやU.S.セルラー(U.S. Cellular)などの既存事業者をはじめ、小売業大手のウォルマート(Wal-Mart)やベストバイ(Best Buy)なども同社のサービスに関心を示しているというアナリストのコメントも出されている。

北米市場でのシェア拡大を課題としてきたノキア シーメンスは、モトローラ(Motorola)の通信機器部門を12億ドルで買収すると19日に発表したばかり。ライトスクェアードとの契約受注が実現すれば、同社はいっきに北米市場での立場を強化することになる。また、ネットワークのマネージドサービス(アウトソーシング)については、昨年競合するエリクソン(Ericsson)がスプリント・ネクステル(Sprint Nextel)から総額50億ドルの契約を受注しているが、今回のライトスクェアードの案件はこれを金額で上回る規模となる。

【参照情報】
Nokia Siemens wins $7 billion U.S. deal - Reuters
$7 Billion Nokia Deal Among Largest in Industry's History - Fox News
ノキア シーメンス、モトローラの通信機器部門を現金12億ドルで買収へ

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