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あなたはサイバーストーカーに情報を与えていないか?

2010.07.28

Updated by WirelessWire News編集部 on July 28, 2010, 12:20 pm UTC

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(cc) Image by FaceMePLS

7月20日にフォースクエア(Foursquare)の「チェックイン」が累計で1億回に達したと同社の事業開発担当、Tristan Walker氏がTwitter上で明らかにした。

フォースクエアは、2009年3月開始の、位置情報に基づいたSNS。利用者は、GPS機能付きスマートフォンなどを持って、飲食店などに入り、「チェックイン」するとポイントがもらえる。他者に先駆けて同じ場所に何回かチェックインすると、「MAYOR(市長、町長)」の称号が与えられる。

ユーザ数は毎週10万人ずつ増えており、3ヶ月前に100万人を、7月10日には200万人を突破している。4月には米ヤフー(Yahoo!)が1億ドル(1ドル=87.78円換算では87億7800万円)で買収を検討中とも報じられた。日本語化されていないにも関わらず、国内でもiPhone利用者などの人気を集めている。

カフェやファストフードチェーンなどは、ポイントに応じてクーポンを発行してくれるので、ゲーム性を備えたSNSとなっている。TwitterやFacebookと連動して、友人たちに自分の居場所や行動(店に入ったことなど)を知らせることもできる。同じ場所にかつてチェックインした人を見ることもできる。企業からは、こうした機能が集客に利用価値が高いと早くから注目されてきた。

Foursquareのウェブサイト
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このフォースクエアについて英ガーディアン紙のサイトが7月23日に2本の記事を掲載した。男性の立場で書かれた、「私はいかにしてフォースクエア・サイバーストーカーになったか」と、女性の立場の「私がフォースクエアでサイバーストーキングされた夜」という、物語仕立ての記事だ。

Twitterでフォースクエアの情報を撒き散らしていれば、名前や顔写真もある程度分かってしまうし、通勤経路やよく行く店なども知られてしまう。何を注文したかさえ分かってしまうのだから、遠くからどんな人物か観察することもできるし、近寄って声をかけることもできる。「狙った」相手がフォースクエアを使い続けている限り、追跡用の発信機を相手が自らつけているのも同然で、ほぼリアルタイムで追跡し続けることができてしまう。

「IT市場ナビゲーター2009年版」(野村総合研究所(東洋経済新報社))に掲載(p.110)されている「広告配信を目的としたユーザの情報取得・利用に対する消費者の抵抗感」によると、情報を取得しているのがどんな企業であっても、日本の消費者が企業に知られることに最も抵抗を覚えるのは「メールの内容」(67%)で、2位が「位置情報(自分が現在いる場所)」(60%)となっている。日本の消費者は、企業からのターゲティング広告には抵抗を感じているようだが、個人同士ではどうだろうか。

SNSでの位置情報公開がオプトアウト(明示的な拒否がなければ許可されたものとして扱う)では、特にSNSの主なターゲットである若い世代が知らずに居場所情報を撒き散らしてしまうおそれがある。フォースクエアでは登録時に、「チェックイン」した際に名前を公開するかどうか、TwitterやFacebookに自動投稿するかどうかなど、「プライバシー」の設定が可能となっているが、その設定が何を意味するのかについて、利用者側に洞察力が求められる「仕様」になっている。

【参照情報】
100 millionth foursquare check-in. Yesterday 🙂(Tristan Walker氏のTwitter)
Foursquareのウェブサイト
Boom! Foursquare Crosses 2 Million Users - TechCrunch
The night I was cyberstalked on Foursquare - The Guardian
How I became a Foursquare cyberstalker - The Guardian
Yahoo Considers Buying Foursquare For ~$100 Million - Business Insider

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