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Vodafone、インドにソーラー携帯を投入。3Gサービス開始は年内予定

2010.07.30

Updated by WirelessWire News編集部 on July 30, 2010, 12:10 pm JST

201007301210-1.jpg英ボーダフォン(Vodafone Group PLC)が新興国市場の中で最も重視しているのがインドだ。現地子会社のVodafone Essarの最近の動向を紹介しよう。

1つめの話題は、ソーラー携帯。Vodafone Essarは、VF247という太陽光発電の携帯電話機をインドの地方市場向けに投入する。ソーラー携帯といいながら、「環境光(ambient light)」(直接光ではなく散乱光)でも十分発電できるそうで、直射日光にさらす必要はない。直射日光の場合で充電は8時間で、4時間通話でき、待ち受けなら8日以上もつそうだ。FMラジオ機能もあり、画面はカラーで懐中電灯代わりになるほどパワフルな発光が可能のようだ。

価格は1500ルピー(1ルピー=1.88円換算では約2,882円)と格安で、8月から販売開始。電力事情が悪く容易に充電できない地方部をターゲットにしている。ちなみにインドでは1年前の2009年6月に、韓国サムスン電子が「世界初」のソーラー携帯"Guru 1107"を発表している。

2つめの話題は、3Gサービスだ。Vodafone Essarは今年5月の周波数オークションで、9サークル(インド全土は22地域に分けられていて、各地域をサークル(circle)と呼ぶ)の周波数を落札しているが、この支払額が1,161億7千万ルピー(約2,183億9,960万円)に上っている。

2Gについては低価格競争が続いており、オペレータの財務を圧迫している。また、インドのオペレータ各社は中国製の通信設備を使えなくなっており、このことが3Gサービスの開始を遅らせるのではないかとの見方もあった。

しかし、同社CEOのMarten Pieters氏は9月に予定どおり周波数を獲得できれば、年内に3Gサービスを開始できると明言した。またPieters氏は、インタビューに答えて「3Gの利用料は(2Gよりも)高くなると期待している」と語った。

Pieters氏は、インダス・タワーズ(Indus Towers)社の株式の上場を支援するとも語っている。この会社はVodafone EssarがライバルのBharti AirtelおよびIdea Cellularと共同で2007年に設立したジョイントベンチャーで、インド全土に10万本の鉄塔を持つ最大のタワー会社である。

【参照情報】
Vodafone Brings Solar Powered Handset To India - ABC News
Samsung Introduces the World's First Solar Powered Mobile Phone(サムソン)
Vodafone Essar expects India 3G services to be costly - total telecom
We expect higher prices for 3G mobile usage - Financial Express
Indus Towers' IPO at a later stage, says Idea's Aga - The Economic Times
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