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[先週の動き]iPhone 4効果でソフトバンクが純増圧勝、マルチメディア放送はドコモに軍配、KDDIは社長交代へ

2010.09.13

Updated by WirelessWire News編集部 on September 13, 2010, 10:00 am JST

9月も2週目になってようやく秋らしい陽気が感じられるようになってきた。こうした中で、先週は携帯電話事業者を取り巻く大きなニュースが続出した。

8月もソフトバンクは強かった

201009131000-1.jpg世にニッパチなどと言われるように、2月と8月は商機に乏しいとされている。しかし、どうもソフトバンクモバイルにはこの言葉は当てはまらないようだ。電気通信事業者協会(TCA)が発表した2010年8月末の携帯電話・PHSの契約数統計を見ると、ソフトバンクが28万8900の純増で、ダントツの純増トップに立った。携帯電話の全純増数に占めるソフトバンクモバイルのシェアは55.1%にも上る。ソフトバンクモバイルの30万近い純増数は、例年3月の進入学シーズンを除くと過去最高の数値となった(関連記事:ソフトバンクに夏枯れなし! 8月も30万近い契約純増で一人勝ち)。

PDC停波により純減となった3月を過ぎてから、ソフトバンクモバイルは純情に20万以上の純増を記録している。1つにはPDCの減少分がなくなり、純粋に3Gの増加だけが純増にカウントされるようになったことが挙げられる。その上に、「iPhone 4が非常に好調」(ソフトバンクモバイル広報部)である効果が加わって、大きな伸びを見せているというわけだ。その結果、8月末の数字ではソフトバンクモバイルの契約数は2314万1600となり、携帯電話全体に対するシェアが20%を超えるに至った。

8月末の数値で興味深いのが、NTTドコモのiモードの契約数が減少に転じていること。8月末は1万2300の純減となった。iモードの純減は2009年11月にも記録があり、初めてのことではない。しかし、今回の純減の要因は「moperaなどのISP契約で利用するスマートフォンが増加したため、iモード契約が減少した」(NTTドコモ広報部)ためだという。2009年11月にはまだXperiaなどのスマートフォンのヒット商品は生まれておらず、スマートフォンの影響でiモード契約が減少したのはこの8月が初めてのことになると考えられる。

9月の統計数値に、9月1日に提供が始まったスマートフォン向けISP「spモード」がどのように反映されるかは「未定」(NTTドコモ広報部)とのことだった。spモードの契約数が明らかになると、スマートフォンへの移行の度合いがある程度は明らかになってくるだろう。

マルチメディア放送はドコモ陣営へ、KDDIは田中孝司氏が社長に

201009131000-2.jpg地上アナログテレビ放送の停波後の周波数帯を利用した携帯端末向けマルチメディア放送は、NTTドコモ陣営のマルチメディア放送(mmbi)に軍配が上がった(関連記事:携帯端末向けマルチメディア放送はドコモ陣営の「mmbi」に)。9月8日に総務省は、電波監理審議会(電監審)から、申請していたマルチメディア放送とKDDI陣営のメディアフロージャパン企画(MediaFLO)の2社うち、比較審査を行った結果としてマルチメディア放送が適当であると答申した。

参入企業の決定にあたり、当初から参入企業は1枠で考えられていたが、議論の途中で参入枠そのものの数の妥当性なども俎上に上り、混迷の様相も見せていた。今回、総務省は電波監理審議会に答申を求めるにあたり、総務省による内定をせずに電波監理審議会に選定を一任した。電波監理審議会も、比較審査の結果を公表するなど、審査の透明性を重視したプロセスを採用した。携帯電話の新規事業に免許を与えたアイピーモバイルの事業化失敗などもあり、審査そのものの有用性を高める必要もあった。

mmbiの計画は、MediaFLOよりも少ない基地局でサービスエリアをカバーするなど、計画の内容と遂行能力の充実が評価された。今後、事業化に向けた取り組みが進むが、果たして携帯端末向けマルチメディア放送というジャンルが大きなビジネスになるのかは未知数。免許の取得での勝負が、将来のビジネスでの勝負につながるとは限らないところだ。

携帯端末向けマルチメディア放送への参入がならなかったKDDI陣営。こちらからは、トップの交代という大きなニュースが流れてきた(関連記事:KDDI、新社長に元UQ社長の田中孝司氏を起用)。KDDIは2000年10月にDDI、KDD、IDOが合併して発足、その後2001年6月からは小野寺正氏が社長を務めてきた(2005年からは会長も兼務)。2010年12月1日からはUQコミュニケーションズの社長を務めた田中孝司氏が社長となり、陣頭指揮を執る。記者会見では「スマートフォンで出遅れた」との認識を示したとの報道もあり、ソリューション事業やUQの立ち上げに関わった経験を生かした新しいKDDIの運営に期待したい。

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ドコモのLINXが販売停止に、スマートフォンのリスクに注意を

201009131000-3.jpgスマートフォンの存在が日に日に大きくなっている中で、気に留めておきたいトピックもあった。NTTドコモがスマートフォンのLINXのソフトウエアにセキュリティホールがあったことから、販売を一時停止したというニュースだ(関連記事:NTTドコモ、スマートフォンのLINXを一次販売停止、悪意あるアプリに弱点)。

具体的には、LINXに悪意のあるアプリケーションがインストールされた場合に、キーボードの操作履歴が第三者により取得される可能性があることという。パソコンではキーロガー型のマルウエア(ウイルス)による脅威があるが、スマートフォンでも同様の脅威が現実のものになりつつあるということだ。すでに8月にもiPhoneやAndroid端末のセキュリティに対する指摘がなされている(狙われ始めたスマートフォン、iPhoneやAndroidにセキュリティの穴)。

今回のセキュリティホールに対しては、実際に悪意のあるアプリは見つかっていないとのこと。スマートフォンは危ないと騒ぎ立てることではないだろう。たまたまLYNXのソフトウエアにセキュリティホールになる部分があっただけだ。ただし、スマートフォンにはセキュリティリスクがあることを利用者は十分に理解して使う必要があることは間違いない。採るべき対策はしっかりと押さえていきたい。

ビジネスソリューションも続々

201009131000-4.jpgモバイル端末を使ったビジネス向けのソリューションでもいくつか話題があった。1つは、NTTアイティのリモートアクセスソリューション。社内のパソコンやサーバーに、社外の端末からログインしてリモート操作できるものだ(関連記事:NTTアイティ、iPadやスマートフォンから社内PCにアクセスするサービス)。従来はWindowsパソコン向けに提供していたサービスを、iPadやスマートフォンに拡大した。iPadから自席のWindowsパソコンを自在に操作できるようになるので、場所を問わずに仕事ができるようになる。エンドユーザーにとっては便利になって嬉しい反面、どこにいても仕事に追われるのが悲しいような、複雑な気持ちにさせるサービスかもしれない。

デルは、中堅・中小企業(SMB)向けのノートパソコンにイー・モバイルの通信機能を搭載した新モデルを発表した(関連記事:デルのSMB向けノートPC、イー・モバイル6カ月使い放題込みで販売)。6カ月分のイー・モバイル利用権が付いて5万7980円から。通信環境がない事務所などでもすぐにインターネットに接続でき、低コストでパソコンを導入できる。

エプソン販売とNECは、RFID(無線ICタグ)を携帯電話で利用してと営業支援に役立てる実験を行う(関連記事:RFIDと携帯電話を利用した営業支援システム、エプソン販売とNECが共同実験)。具体的には、量販店に展示したエプソン販売のプリンタなどの管理に使う。プリンタなどの展示機にRFIDを着け、これをRFIDリーダーで読むとともに携帯電話の通信機能を使ってサーバーに送信。営業担当者の作業を低減するとともに、データ収集の迅速化にもつながる。

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