サムスン、ネット対応テレビにAndroid搭載を検討 - 対応アプリが焦点に
2010.09.08
Updated by WirelessWire News編集部 on September 8, 2010, 12:39 pm JST
2010.09.08
Updated by WirelessWire News編集部 on September 8, 2010, 12:39 pm JST
世界最大のテレビメーカーであるサムスン(Samsung)が、インターネット接続が可能なテレビのOSとして、グーグル(Google)が開発中のAndroidの採用を検討していることを、同社のテレビ事業責任者が9月7日(現地時間)ソウルで開かれたイベントのなかで明らかにした。
グーグルがインテル(Intel)、ソニーなどと共に開発を進めるGoogle TVプラットフォームについては、そのコストがネックとなり、パナソニックなどが採用しないことを明らかにしていた。GigaOMによれば、Google TVに対応するには、インテルのAtomプロセッサーや4GBのフラッシュメモリーをテレビに追加する必要があり、そのコストを価格に転嫁すると、テレビの価格が300ドル程度上がってしまうという。
また、サムスンはすでにネット接続機能を持つテレビやブルーレイ・ディスクプレイヤーなどの製品を販売しており、その数は全世界で約650万台に上るという。これらの製品には同社が独自に開発したアプリケーション・プラットフォームが採用されており、このプラットフォーム上で動くアプリの数はすでに80種類存在し、今年末までには200種類以上になりそうだと、同社は先月開いたプレスイベントの中で明らかにしていた。
映画やテレビ番組、ゲームの配信などさまざまな用途に対応するネット対応テレビは、今後需要がますます増えるとみられており、調査会社アイサプライ(iSuppli)の予想によれば、2009年から2013年の間に販売台数は6倍増の8760万台に達するという。また、GigaOm Proのレポートによれば、ネット経由で配信されるテレビ向けアプリの市場は2015年までに19億ドル程度の規模まで成長するとみられているという。
こうした流れを受けて、サムスンはサードバーティのアプリ開発者集めに力を注いでいる。同社は先ごろ、米国でアプリケーション開発者を対象とした「Free TV Challenge」コンテストの実施を発表。同コンテストでは優れたアプリの開発者に対し総額50万ドルの賞金が提供されるが、同社はこの試みを今年第4四半期には欧州にも広げるなど、合わせて7000万ドル以上のマーケティングコストを投じて、自社のテレビ向けアプリ・プラットフォームを促進しようとしているという。
いっぽうで、アップル(Apple)のiOSにはすでに25万種類のアプリが、またグーグルのAndroid OSには6万〜7万種類のアプリが存在する。いずれのOSももともとは携帯端末用に開発されたものだが、たとえばAndroidアプリにはテレビ対応するものがすでに数千種類もあるとグーグル関係者は述べている。
こうしたことから、サムスンにとって自社テレビ製品へのAndroid採用検討は、現時点では「保険」の意味合いが強いといえそうだが、世界のテレビ市場でもっとも大きなシェアを持つ同社がGoogle TVの採用に踏み切れば、Google TV陣営の勢いに一気に弾みが付く可能性もある。
【参照情報】
・Samsung Electronics May Use Google's Android Software in TVs - Bloomberg
・Samsung May Deploy Google TV After All - GigaOM
・Google CEO: Web TV Service to Be Offered Worldwide in 2011 - Bloomberg
・グーグル、Google TVを今年秋に米国で提供開始へ - 2011年には全世界でも
・アップル、新しいApple TVを発表 - 1本99セントでテレビ番組をレンタル配信
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