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携帯のアドレス帳でつながるソーシャルサービス「サンシャイン王国」、KDDIとRekooが開始

2010.09.21

Updated by WirelessWire News編集部 on September 21, 2010, 10:20 am JST

KDDIは2010年9月17日、中国のソーシャルゲーム最大手であるRekoo Mediaと、同社の日本法人であるRekoo Japanと共同で、新サービス「サンシャイン王国」の提供を開始すると発表した。Rekoo Mediaは世界11カ国にソーシャルゲームを提供する中国のソーシャルゲーム最大手企業。国内でも、mixiにサンシャイン牧場を提供するなどすでに多くのサービスを提供している。

▼がっちり握手するKDDIの代表取締役執行役員専務の高橋誠氏と、Rekoo MediaおよびRekoo Japan社長のパトリック・リュー氏
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今回は3社が提携して、ビジュアルポータルという新しいサービスを展開する。個人のエリアである「王国」を発展させるゲーム的な要素に加えて、王国に設けられた各種のサービスのビジュアルな看板からサービスにリンクするポータル(玄関)としての性格も持つ。通信キャリアとユーザーの接点が多様化している現状で、新しい形のユーザーの入り口を提供するプラットフォームとの位置付けだと説明する。

マルチデバイス、クロスキャリアで提供するポータル

サンシャイン王国は、ユーザーとKDDIの接点の多様化に対応する目的を持つため、従来型の囲い込みサービスとはひと味違う。サービスは、KDDIのau携帯電話、NTTドコモおよびソフトバンクモバイルの携帯電話向けには10月14日から提供。Android端末およびパソコン向けには、2010年冬のサービス開始を目指すという。

このように、サービスを利用できる端末は、一般の携帯電話(フィーチャーフォン)だけでなく、スマートフォンであるAndroid端末やパソコンにまで広がる。また、KDDIの端末に閉じたサービスではなく、NTTドコモやソフトバンクモバイルの携帯電話に対してもサービスを提供するマルチキャリア対応のサービスになる。ユーザーの利用環境の多様化に応じた新しい提供形態である。

登壇したKDDIの代表取締役執行役員専務の高橋誠氏は「Android版は2010年の冬の提供を目指している。なんとか年内には提供したい。他社のフィーチャーフォンに加えて、他社のAndroid端末でも利用できるように取り込んでいきたい」と広がりのスケールを語った。

▼「サンシャイン王国」の画面。「王国」を発展させるゲームには、ビジュアルな看板から各種サービスにリンクするポータルの役割もある。
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ユーザーにとってサービスの中心になるのは、王国を発展させるゲーム。無料で提供するが、一部のプレミアムなアイテムなどには有料課金もする。エコを一つのテーマに掲げており、王国には二酸化炭素のメーターがある。植樹すると二酸化炭素濃度が減り、クリーンになるといった環境への意識付けも狙う。他者の王国を探検することでアイテムを入手するといったゲーム性もある。

また、王国内に配置する建物には、各種のサービスへのリンクする機能を持たせられる。例えば総合エンターテイメントサービスの「LISMO!」やバンキングサービスの「じぶん銀行」などの建物を配置すると、そこから各サービスにジャンプできる。ビジュアルポータルと名付けているのは、この機能を備えているからだ。ビジュアルポータルでリンクする機能は、KDDI以外のサービスにも開放していく計画だという。

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アドレス帳を使って「ソーシャルグラフ」

サンシャイン王国の特徴の一つが、新しく「ソーシャルグラフ」としての機能を取り込んだこと。ソーシャルグラフとは、ネット上での人間関係図を示す言葉で、「携帯電話の場合は、アドレス帳に登録した人の情報がそのままソーシャルグラフと考えられる」(高橋氏)。知り合いとソーシャルネットワークでゲームを楽しんだりするときに、アドレス帳に載っている相手は最も招待に適しているというわけだ。

具体的には、KDDIが提供するアドレス帳のバックアップサービス「au oneアドレス帳」の登録データを元にして、サンシャイン王国の利用者を相互に結びつける。また、au oneアドレス帳に登録してあるメールアドレスを使って、知人を自分の王国に簡単に登録する機能も用意する。KDDI以外の携帯電話やパソコンではソーシャルグラフ機能は使えないが、KDDIユーザーのソーシャルグラフに参加することは可能だ。

▼アドレス帳を使ったソーシャルグラフ。ソーシャルサービスをリアルの人間関係のつながりで拡大してもらおうという狙いだ。
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Rekoo MediaおよびRekoo Japan社長のパトリック・リュー氏は「アドレス帳で知人に声をかけて王国に訪ねてきて欲しいとたのむことで、リアルな知人によるソーシャルネットワークができる。こうしたリアルなつながりによる発展に重点を置いている」と言う。

KDDIでは、今回のサンシャイン王国がソーシャルグラフというプラットフォームを使ったサービス第一弾との位置付けだと説明する。ソーシャルグラフは今後、広く各種のサービスに開放しながら展開する計画だという。たとえばauスマートスポーツでランニングしている人同士で情報を共有したり、LISMO!で楽曲やアーティストの好みによるネットワークを作ったりと、サービスの展開に期待を寄せる。

【報道発表資料】
KDDI、Rekoo Media Ltd.、Rekoo Japanの提携について

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