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UQコミュニケーションズ、DC-HSDPAに対するWiMAXの優位性を強調

2010.10.01

Updated by WirelessWire News編集部 on October 1, 2010, 13:30 pm UTC

9月29・30日の両日、UQコミュニケーションズ(以下UQ)はプレス向け説明会「第2回UQコミュニケーションサロン」を開催した。代表取締役社長の野坂章雄氏からは同社の事業の現状と今後の方向性についてのプレゼンテーションが行われた。また、ネットワーク技術部長の要海敏和氏からは、まもなく開催されるCEATECで実証実験が公開される「WiMAX2」の概要紹介が行われた。

iPad発売の波に乗って加入者増

UQの契約数は、この9月末で33万加入となる見込みである。5月のiPad発売をきっかけにモバイルルーターの市場が立ち上がった波に乗り、契約数を順調に増やした。2010年度末(2011年3月末)には80万加入を目標としているが、十分達成できる見込みであるとしている。また、基地局数についても、2010年8月には1万局を達成。2010年度末には1万5千局を目標としている。

市場の変化に伴いデバイスの比率も大きく変動すると見込んでいる。現在、データ通信カードが7割近くを占めているが、2011年3月にはこの比率が半分程度にまで低下すると予測。ルーターとWiMAXパソコンが主流になると予測する。

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冬に向けさらに契約数増加を加速すべく、WiMAXルーターの新機種投入を予定している。また、10月1日からサービスを開始する「WiMAX PC バリューセット」は、WiMAXパソコンユーザーの掘り起こしを狙う。

現在WiMAX PCは既に30万〜40万台程度出荷されているが、WiMAXの契約率は10%前後にとどまっている。「パソコンを買ったら通信がついてくるのは、ハンバーガーを買ったらポテトとコーラがついてくるようなものだと思って欲しい」(野坂氏)と、まずは契約してもらうために、「2ヶ月の無料期間終了後も、使わない月は0円から」のプランを用意した。

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もう一つのトピックスが、9月1日から米国・Clearwireとの提携により開始した「WORLD WiMAX」である(関連記事)。現在は全米62都市で利用可能となっており、日本のWiMAXユーザーは、名前とメールアドレスを入力するだけで、ClearwireのWiMAXを利用できる。「今はニューヨークで利用できないが、Clearwireが現在フィールドテストを実施しており、まもなく利用可能になる見込み」(野坂氏)とのこと。

なお、他社の携帯電話で利用できるようなローミングサービスではなく、日本で利用しているWiMAXの契約を残したままでClearwireとも新たに契約する方式であり、端末側が複数の接続先登録に対応していないと利用できない。具体的には、現在利用できるのはWiMAXパソコンに限られている。

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DC-HSDPAの42Mbpsより速い、WiMAXの40Mbps

UQの強みは、他社の3Gデータ通信と比べて圧倒的な速度だ。しかし、まもなくイーモバイルが開始する予定となっているDC-HSDPAの下り最高速度は42Mbpsとなっており、一見アドバンテージが失われてしまうように見える。

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「しかしその比較はApple to Orangeで、前提条件が異なっている」と野坂氏は述べた。具体的には、WiMAXの40Mbpsは、流れるデータのうち6分の1がエラー訂正用の符号である(符号率6分の5)という実際の状況を反映した数値であるのに対し、DC-HSDPAの42Mbpsはエラー訂正用符号を勘案しない数値(符号率1)の数値となっている。

「DC-HSDPAの場合、3GPPの規格上、速度は符号化率1で表すことになっているのでそのような表記となるが、無線通信である以上エラー訂正信号が無いということは実環境ではあり得ない」(要海氏)実際に、符号率をWiMAXと同じ6分の5として計算した場合、DC-HSDPAの速度は35Mbpsとなり、WiMAXの方が速いということになるという。

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また、高速・大容量という強みを活かすためにも、現在携帯事業者各社が実施している帯域制限は「できるだけやらない」という方針を強調した。今後見込まれるトラフィック増大へは、さらなる高速・大容量化により対応していく。

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ネットワークを意識しない世界を目指すWiMAX2

そのために実装に向け準備を進めているのがWiMAX 2(16m)だ。下り通信速度が40Mbpsから330Mbpsへとアップするだけでなく、高速移動性も改善され、「走行中の新幹線車内からでも途切れず通信できるようになる」(野坂氏)とのことだ。

WiMAX 2(IEEE802.16m)では、従来のWiMAX(IEEE802.16e)に比べて、通信に利用する帯域幅が10MHzから最大40MHzまでと大きくなっている。帯域幅というのは道路にたとえれば道幅のようなもので、車線が増えればより多くの車が高速に走れるように、広くなればより多くのデータを高速に流すことができる。

100Mbpsクラスのスピードでデータの送受信が無線通信でも高速に行えるようになれば、「固定のインターネットアクセス網は必要なくなる。あらゆるアプリケーション、コンテンツ、データがネットワーク上に置かれ、ユーザーは何時でも、何処でも、どんなアプリケーションやコンテンツでも、ネットワークを意識せず利用できるようになる」(要海氏)とする。

WiMAX 2のロードマップでは、2010年末にはIEEEでの標準化が完了し、2011年末には機器の認証プログラム開始が予定されている。2012年からは商用導入が想定されているが、LTEで同等の性能を持つ「LTE Rel.10」が商用化可能となるのは2014年といわれており、「WiMAXはLTEよりも約2年先行している」(要海氏)としている。

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ただし、UQがWiMAX 2の商用サービスを開始するには帯域の追加が必要。そのため、6月に行われた総務省のヒアリングで、現在保有している2.5GHz帯のすぐ上にあたる移動体向けマルチメディア放送跡地の割り当てを希望している。実現すれば、合わせて40MHzの連続した帯域が利用可能となる。

10月5日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2010」では、世界初となるWiMAX 2の公開デモンストレーションを展示する。16本のハイビジョン映像と1本の3D映像を合わせたストリームで下り300Mbps超のストリームを用意し、これらを16mの端末で受信する超高速通信を体験できる。

【関連情報】(報道発表資料)
「WiMAX PC バリューセット」の提供開始について
海外で使えるWiMAX「WORLD WiMAX」について
「CEATEC JAPAN 2010」への出展について
WiMAX屋外基地局開局数10,000局達成のお知らせ

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