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[先週の動き]ソフトバンクがAndroid攻勢、さらなるスマホ利用の拡大へ多様な動き

2010.11.08

Updated by WirelessWire News編集部 on November 8, 2010, 10:00 am UTC

11月初頭の先週は、文化の日が水曜日に入ったこともあって、ワイヤレス業界は比較的穏やかな一週間だった。その中で最も大きな話題となるのは、ソフトバンクモバイルの冬・春モデルと新サービスの発表だろう。

ソフトバンクは全機種Android 2.2、Xperiaは2.1に

201011081000-1.jpgソフトバンクモバイルは、2010年冬〜2011年春商戦を全24機種のラインアップで勝負に出る(関連記事:ソフトバンク、Android 2.2搭載スマートフォン5機種を含む冬・春モデルを24機種発表)。11月4日に発表会を開き、その全ぼうをお披露目した。

そのうち、新作のスマートフォンは5機種。すでに発表済みのHTC Desire HDを含む冬・春モデルの新作スマートフォンは6機種すべてがAndroid 2.2を搭載した点が特徴だ。Flashの再生や高速なアプリ実行など、Android 2.1に対してのアドバンテージを多く持つため、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は「全機種Android 2.2は、技術のソフトバンクのこだわり」と宣言した(関連記事:「Androidでも一番を目指す」、機能満載のシャープ製と個性的な海外製を合わせてラインアップ)。

スマートフォンの2機種はシャープ製で、ワンセグやおサイフケータイといった国内向けのサービスに対応する「GALAPAGOS SoftBank 003SH」と「GALAPAGOS 005SH」。裸眼で3Dの動画や画像を楽しめる点も日本独自の機能だ。003SHはいわゆるスマートフォン型、005SHはスライド式のキーボードを備える。このほかは、デル、ファーウェイ、ZTEといったグローバル展開しているメーカーの製品の国内モデルだ。

201011081000-2.jpgスマートフォン以外の携帯電話では防水やカメラ性能、カラーリングなどの特徴を備えたモデルを投入した。同時に、42Mbpsの高速データ通信サービス「ULTRA SPEED」の提供も発表した。サービスは2011年2月下旬以降に提供を開始する予定。新サービスに対応する3機種の端末も同時に発表した(関連記事:ソフトバンクが42Mbpsの高速サービス、対応端末3機種も発表)。

ソフトバンクの発表と同じ11月4日、先行するAndroid端末のXperia SO-01Bにも動きがあった(関連記事:NTTドコモのXperia、Android2.1へのアップデートは11月10日から)。NTTドコモとソニー・エリクソンが、Android 2.1へのアップデートを11月10日に開始すると発表したのだ。

アップデートにより、ホーム画面が5画面になるとともに、1画面に配置されるアイコンの数が4×4から4×5に増え、ホーム画面に配置できるアプリケーションやウィジェットの数が増える。カメラ機能は、1280×720ピクセルのハイビジョンムービーが撮影可能になる。ただし、Flashおよびマルチタッチには対応しない。Xperiaユーザーにとって待ちに待ったOSのアップデートは、世の中の新製品の主流がAndroid 2.2になるタイミングにまでずれ込んでしまった。

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スマートフォン利用にさまざまな工夫

続々と登場するスマートフォンは、利用方法にもさまざまな工夫やソリューションが登場している。

その1つが、米グーグルが提供を始めたスマートフォン向けの「Google Instant」(関連記事:素早く検索できる「Google Instant」、iPhoneとAndroidに対応)。9月からパソコン向けに提供していたスピーディな検索を実現するエンジンで、ベータ版として利用端末にiPhoneとAndroid端末を加えた。検索文字を入力していくと、単語の入力の途中であっても入力中の単語を予測して検索結果を表示していくため、パソコンに比べると文字入力しにくいスマートフォンでも、検索をスピーディに行えるようになる。

201011081000-4.jpg特定の業務用途にスマートフォンを適用する試みも進んでいる。NTTドコモはIMSジャパンと業務提携し、医療従事者向けのモバイルサービスやアプリケーションを提供すると発表した(関連記事:医療分野のモバイル利活用に向けてドコモとIMSジャパンが提携)。両社は、スマートフォンやタブレット型端末を使って、薬剤の安全性情報などを医療従事者に提供するアプリケーションを開発し、モバイルICTを通じて医療の質の向上を目指す。

個人向けにツイッター上の"最新情報"を届けるアプリが登場した。NECビッグローブが提供を開始したiPhone向けのツイッターアプリ「ついっぷる for iPhone」がそれ(関連記事:トレンドワードを表示するiPhone向けツイッターアプリをBIGLOBEが提供)。ツイッターで話題になっているいわゆる"トレンドワード"をリアルタイムに表示できる点が最大の特徴だ。ツイッター上で書き込みか急増しているような話題の日本語のトレンドワードを、自動的にアプリ上に表示すること。表示されたトレンドワードを選択するだけで、関連するツイートを検索・表示することができる。ツイッターアプリを見るだけで、自分のタイムラインだけでなく世の中の動きも見えてくる。

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世界から、ユーザーから、ユビキタス特区から、次代の流れを読む

先週に発表された業界の話題をいくつかおさらいしよう。

201011081000-5.jpgまず、富士通が携帯電話向けアプリケーションの開発や流通を推進する非営利団体「Wholesale Applications Community」(WAC)にスポンサーとして参画したこと(関連記事:富士通、携帯アプリのオープン化推進団体「WAC」に国内メーカーで初めて参画)。国内の携帯電話端末メーカーとしては初めての参画だという。富士通は、同社の技術や国内ユーザーの声をWACに届けるほか、WACからグローバル規模で進む技術革新の情報を仕入れる。これにより、他のメーカーに先駆けてグローバル市場で競争力を持つ端末の開発に生かしたいとする。

次に、総務省の研究開発プロジェクト「ユビキタス・プラットフォーム技術の研究開発」でユーザー参加型の実証実験を始めたニュースがあった。受託する通信事業者、メーカーなど13社と3大学は、千葉県柏市の協力を得て「ユビキタスパーク」の実証実験を開始した(関連記事:ららぽーと柏の葉などでユーザー参加型のユビキタスパーク実験を開始)。11月3日〜12月19日にかけて、三井ショッピングパークららぽーと柏の葉をはじめとした柏市の商業施設を会場として実施する。実証実験では、来場者に貸し出した携帯端末やデジタルサイネージを使って、状況に応じた最適な店舗情報の提供や同伴者の居場所情報の取得など、最新のユビキタスサービスを体験できるという。

201011081000-6.jpgまた、総務省が「ホワイトスペース特区」への提案の募集に対して42者の提案があったことを発表したニュースもあった(関連記事:総務省、ホワイトスペース特区への42者の提案を公表)。2010年9月10日から10月15日にかけて募集したもの。今後、ホワイトスペース推進会議で提案の評価を行い、2010年末に向けて選定する計画である。ホワイトスペースとは、テレビ放送などに割り当てられている周波数帯域の中で、ほかの目的に利用可能な帯域のこと。総務省では、ホワイトスペース活用のための研究開発や実証実験を行うホワイトスペース特区を設置して、有効活用を推進する。

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電子書籍の動き、加速

電子書籍を巡る状況が刻々と動いている。先週の目立ったニュースを確認していこう。

G2010設立の理由と経緯
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1つは、作家の村上龍氏が電子書籍の出版社「G2010」を設立したというニュースがあった。村上龍氏と、同氏が編集長を務めるメールマガジン「JMM」(Japan Mail Media)の運営などを手掛けるグリオが共同で出資する。その設立趣旨はJMMに掲載されている「G2010設立の理由と経緯」に詳しく述べられている。コストやスピードを考えると、既存の出版社と組むのではなく、独自で電子書籍の事業を行ったほうが効率的とのことだ。

もう1つは、ソフトバンクグループのビューンが、Android端末向けに12月上旬からサービスを提供するというもの(報道発表資料:Android搭載スマートフォン向けに「ビューン」の提供を開始)。これまでの31媒体に、「東京ウォーカー」(角川マーケティング)、「CLASSY.」(光文社)などの9雑誌を加えて40媒体のラインアップになる。Android 2.2搭載のソフトバンクのスマートフォン(004HWを除く)を対応機種として予定している。

このほか、紀伊國屋書店が電子書籍販売サイトを年内に開設するニュースや、楽天が電子書籍への参入を検討しているという報道もあった。年末に向けて、電子書籍の動きから一層、目を離せない状況が続きそうだ。

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