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[先週の動き]au復権をかけてIS03発売、スマートフォンやAndroidの話題が目白押し

2010.11.29

Updated by WirelessWire News編集部 on November 29, 2010, 10:00 am JST

11月23日は勤労感謝の日。平日が1日少なかった先週だが、ワイヤレス関連のニュースは引きも切らず流れてきた。年末の商戦期に向けたキャリアの動向はもちろんのこと、スマートフォンへの注目が各方面で高まってくることを予想させる話題が豊富にあった。先週の動きをピックアップして見ていこう。

KDDI、BIGLOBEは新端末、アップルはiOSアップデート

201011291010-1.jpgスマートフォンの話題で大きなトピックだったのは、KDDIのスマートフォン「IS03」の発売(関連記事:事前購入宣言は27万台。auの復活をかけたIS03、いよいよ発売へ)。おサイフケータイやワンセグなど、従来の携帯電話の機能も取り込んだAndroid機として発表以来話題となっていた。11月26日、"Android au「IS03」解禁セレモニー"でKDDI 代表取締役執行役員専務の田中孝司氏は、10月中旬から実施していた「事前購入宣言キャンペーン」の登録者総数が、10月25日の24時時点で27万人に上ったと説明。auの復活に期待をかける。

Androidを搭載したタブレットの新製品の発表もあった。NECビッグローブは、AndroidをOSに採用した7インチディスプレイ搭載のサービス一体型タブレット「Smartia」(スマーティア)を発売する(関連記事:BIGLOBE、Android搭載のタブレット「Smartia」を4万2800円で12月6日発売)。NEC製のAndroid端末「Life Touch」にBIGLOBEが提供しているネットサービスを一体化し、「Smartia」として提供する。端末と一体化したサービスとして、BIGLOBEのネットサービスにホーム画面からワンタッチでアクセスできるほか、ニュースや天気などの生活情報は自動的に配信されてホーム画面に表示されるなど、簡単な操作で情報を入手できるようにしてある。

201011291010-2.jpgフィーチャーフォンを攻める立場から、スマートフォン新興勢力から守る立場に転換しつつある米アップルは、iPhone、iPod touch、iPadで利用しているOS「iOS」の最新版である「iOS 4.2」を公開した(関連記事:アップル、AirPrintやAirPlayが使える「iOS 4.2」を公開)。iPadでマルチタスクやフォルダ分けの機能を実現したほか、iPhoneやiPadから印刷できる「AirPrint」、保存した音楽やビデオをAppleTVなどに無線でストリーミングできる「AirPlay」などの新機能を搭載した。

タブレット型端末でiPadの対抗馬と見なされる「GALAXY Tab」が11月26日に国内で発売された。こうした中、ソフトバンクモバイルはiPadの3Gモデルが実質0円で手に入るキャンペーンを実施する。「iPad for everybody」と名付けたキャンペーンで、2010年12月3日〜2011年2月28日に実施する。iPad Wi-Fi+3G(16GB)を購入する場合、iPad向け月月割を適用することで、毎月の本体の分割支払金と相殺できる。iPadと言えども、安住できない競争の世界になってきたようだ。

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スマートフォンの話題がぎっしり

スマートフォンの話題は語るに事欠かない。連日複数のニュースが飛び込んでくる状況だったからだ。

KDDIは26日のIS03の発売に合わせて、au携帯電話に向けて提供していたアプリのAndroid対応を発表した。KDDIのスマートフォン向けアプリケーションでは、「au Smart Sports Run&Walk」や「au one GREE」「au one ショッピングモール」「au one モバオク」「au one 助手席ナビ」「au one ニュースEX」「LISMO!」などをAndroid端末で使えるようになった。

NTTドコモは、シャープ製のスマートフォン「LINX 3D SH-03C」を12月3日に、カナダのリサーチ・イン・モーション製スマートフォン「BlackBerry Curve 9300」を12月1日に、それぞれ発売すると発表した。東芝製スマートフォンの「REGZA Phone T-01C」の事前予約を12月1日から受け付け12月17日に発売するとの発表もあった。また、モバイルWi-Fiルーターの「HW-01C」を11月30日発売することも発表している(関連記事:KDDIはIS03発売でアプリをAndroid対応、ドコモはLINX 3Dなどの発売日決定)。

201011291010-3.jpgジャストシステムは、スマートフォン向けの日本語入力システム「ATOK」を試用できるキャンペーンを開始した(関連記事:Xperia、GALAXY SでATOKを試す、ジャストシステムが無料キャンペーン)。キャンペーンは「Androidで試してナットク! エイトック! トライアルキャンペーン」と名付け、2011年2月末までの期間限定で提供する。利用は無料。

Android端末の画面やウィジェットを企業のブランド仕様にカスタマイズする新しいサービスをビルコムが提供する。「アンドロイド 着せ替え パッケージ」がそれで、ブランドの商材やイメージに併せて、ホーム画面やウィジェットをブランド仕様にカスタマイズできる(関連記事:[26日のスマートフォン]IS03発売、iPad 3Gが実質0円に、REGZA Phoneは12月1日に予約受付、Android端末をブランドに着せ替えるサービス登場)。

ソニーのReader日本上陸、ソニーやKDDIなどの配信サービスもスタート

201011291010-4.jpgソニーは、電子書籍リーダー「Readerシリーズ」2機種とオンラインの書籍販売サービスを12月10日から提供する(関連記事:ソニー、電子書籍リーダーの「Reader」を12月10日に発売)。電子書籍リーダーは5型ディスプレイ搭載の「Reader Pocket Edition『PRS-350』」と、6型ディスプレイ搭載の「Reader Touch Edition『PRS-650』」。オンライン書籍販売サービスは「Reader Sotre」の名称でサービスを始める。いずれの端末も約1400冊の書籍データを保存できる。Reader Pocket Editionが約2万円、Reader Touch Editionが2万5000円の市場価格を想定している。

Readerの国内販売に先立ち、ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社の4社は、電子出版事業会社化を「ブックリスタ」と名付けて発足させたことを発表した(関連記事:ソニー、KDDI、凸版、朝日新聞社の電子書籍会社名は「ブックリスタ」)。ブックリスタは、電子書籍の制作から配信・販売に至るまでのプラットフォームを提供する電子書籍配信事業会社。オープンなプラットフォームを提供し、端末メーカーやストア事業者が独自のストアでコンテンツを提供できるようにする。コンテンツとしては、文芸書やビジネス書、エッセイなどを扱い、今後はコミックや新聞、雑誌などにも取り扱いを拡大する計画だ。

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光の道と電波の道、それぞれの向かううところ

先週は、総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」(ICTタスクフォース)が2つの大きな方針を示した。

201011291010-5.jpg1つは「過去の競争政策のレビュー部会」と「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」の合同会合部会で、『「光の道」構想実現に向けて 骨子(案)』が示されたこと(関連記事:ICTタスクフォース、光の道構想でNTT東西は分社化ではなく「機能分離」へ)。全世帯のブロードバンド化を推進する「光の道」構想を実現するにあたって、NTTの組織形態としては分社化を伴わない「機能分離」を適当とするとしている。光回線を保有する当該部門とNTT東西内の他部門との間のファイアウォールを厳格化することで、他事業者との競争条件を公平にできるとの考えである。

また、ICTタスクフォースの「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ」の会合も開催された。ここでは、ワイヤレスブロードバンド実現に向けた700M/900MHz帯の周波数割当てで、100MHz幅の確保を目指す最終取りまとめの骨子案が示された。この周波数帯には日本独自の割り当て案が示されていたが、国際的な強調を進める観点から700MHz帯と900MHz帯にはそれぞれでペアバンドを構成する方針に転換した。

顧客満足度はドコモが首位に

キャリアを取り巻くニュースも続出した。まずは顧客満足度(CS)の調査結果から。J.D.パワー アジア・パシフィック(J.D.パワー)の2010年の携帯電話サービスにおける顧客満足度調査の結果では、NTTドコモがKDDI(au)から首位を奪い取ったことが明らかになった(関連記事:顧客満足度はNTTドコモがauを抜いて1位に--J.D.パワー調査)。全5項目のうち、「顧客対応力」「電話機」「通話品質・エリア」「非音声機能・サービス」の4項目で他社を上回る評価を得た。第2位はau、第3位はソフトバンクでだった。

201011291010-6.jpg日本通信のモバイルWi-Fiルーターが買いやすくなる。モバイルWi-Fiルーター「b-mobileWiFi」とデータ通信サービス用のSIMをセットにして、月額2980円で提供すると発表した(関連記事:日本通信、モバイルWi-Fiルーターも通信料金込み2980円の月払い販売を開始)。iPhone 4に続き、端末とサービスをセットにして月払いで購入できるプランを提供し、初期費用が多く必要だった従来の販売方式よりも利用者への導入障壁を低くする。
イー・モバイルは、発売を延期していた下り最大42Mbpsのデータ通信サービス「EMOBILE G4」に対応する端末「D41HW」を、12月3日に発売する(関連記事:イー・モバイル、発売を延期していた42Mbps対応の「D41HW」を12月3日に発売)。出だしでつまずいた国内初の下り最大42MbpsのDC-HSDPA方式のサービスが、ようやく出航する。

地方自治体が公衆無線LANサービスに乗り出す話題もあった。山口県萩市はソフトバンクモバイルの公衆無線LANサービス「ソフトバンクWi-Fiスポット」を市内で提供する(関連記事:萩市、ソフトバンクWi-Fiスポットを導入へ)。まず萩市役所のロビーにソフトバンクWi-Fiスポットを導入。今後、市内の宿泊施設、官公庁施設、観光地周辺店舗を中心にソフトバンクWi-Fiスポットを導入する。

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大学や企業でモバイルを活用する事例も

201011291010-7.jpgワイヤレスの活用事例もいくつか登場した。まず注目したいのが、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)とUQコミュニケーションズの学生・教職員向けサービス(関連記事:慶応SFCとUQ、WiMAX経由で全国からキャンパスネットにアクセス可能に)。UQ WiMAXを使ってSFCのキャンパスネットワーク(SFC-CNS)に直接アクセスできる。SFCの学生は、全国からキャンパスにいるときと同様のネットワークサービスを受けられるようになる。WiMAXでSFC-CNSに接続した学生や教職員はインターネットにもアクセスできる。2011年4月に開始する予定である。外出先の社員がVPNで社内ネットワークにリモートアクセスしているような企業ならば、参考になる事例と言える。

ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸などとJRグループ各社は、営業所やセールスドライバーが使用するモバイル端末で交通系電子マネーによる決済を可能にする(関連記事:ヤマト運輸、モバイル端末で交通系電子マネーの決済に対応)。5万台を超えるモバイル端末で、2011年春から「Suica」をはじめとする電子マネーで宅配便や代引きの決済ができるようになる。

最後に、タクシーの配車システムにスマートフォンを活用する事例を紹介する。愛知県名古屋市でタクシー事業を手がけるフジタクシーグループはソフトバンクグループと共同で、Windows Mobile搭載のスマートフォンを使った配車管理システムの実証実験を開始した(関連記事:フジタクシーとソフトバンク、スマートフォンを使ったタクシー配車管理の実証実験)。従来は個別に運用されていた複数のシステムを、通信機能やGPS機能を備えるスマートフォンを核に統合する。タクシー無線のシステムが2016年にデジタル化されることを受け、アナログのタクシー無線からデジタルのタクシー無線を使わない新システムに少ない投資で移行する先行実験と言える。

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