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中国編(9)今後が期待されるモバイル検索市場とモバイルオンラインゲーム市場

2011.01.06

Updated by on January 6, 2011, 22:00 pm JST

前回はモバイルペイメント、前々回はアプリケーションストアを紹介した。中国編最終回となる今回は、急成長するモバイルインターネット市場の中でもモバイル検索とモバイルオンラインゲームに焦点をあてる。

急成長を続けているモバイルインターネット市場

中国のモバイルサービスは当然ながらモバイルインターネットが核となるのだが、以前もお伝えしたとおりモバイルインターネットのユーザー数は現在2.77億人にものぼりインターネットユーザー全体の6割強を占めている。

また、モバイルインターネット産業の発展もめざましい。売上は2010年上半期には前年同期比31.67%増の237億元にも成長し2010年通期としては633億元に達するとの予測が調査会社の易観国際社から発表されている。

▼2004〜2010年モバイルインターネット産業規模推移
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易観国際社の発表を元に中尾が作成。※2010年は推測値。

その中で現在注目されているもしくは今後が注目されるサービスのうち「モバイル検索」、「モバイルオンラインゲーム」の2つをピックアップして紹介したいと思う。

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加速するモバイル検索市場

易観国際社の調査によれば、2010年のQ1(第1四半期)からモバイル検索の回数は成長率を高め、2010年Q3(第3四半期)には1日あたり平均4.62億回のモバイル検索が行われている。

▼中国モバイル検索市場
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易観国際社の発表を元に中尾が作成。

2010年Q3時点で、ページビューでは1日平均18.6億ページにものぼり、対前期(2010年Q2)成長率も17.8%増と2桁の成長を遂げている。3G ユーザーの増加、スマートフォンの普及と共にモバイルインターネットユーザーは今後も増え続けるであろうことから、モバイル検索の回数、及びページビュー数も連動して増加していくものと思われる。

現在、モバイル検索サイトのプレーヤーとしては百度(Baidu)、宜捜(Easou)、Google3GYY易査(YICHA)などが挙げられる。PCの検索市場ほど百度(Baidu)の独り勝ち状態(PC検索市場では市場シェアの3分の2を占めている)ではなく群雄割拠状態なのも「市場はまだまだこれから」ということを顕著に表しているように思う。

▼2010年第2四半期時点のモバイル検索シェア
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易観国際社のデータを元に中尾が作成。

モバイル検索市場の動向は、検索結果と共に表示されるモバイル広告の市場動向にも大きな影響を与える。易観国際社の予測では2010年モバイル広告の市場規模は13億元となっているが、モバイル検索市場の急成長とともに、この数字がどう変化していくのかにも注目していきたい。

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年率50%前後の成長が見込めるモバイルゲーム市場

2010年はモバイルゲームにとって節目の年であった。というのもユーザー数が1億人を超えたばかりか、その産業規模も30億元を突破することが予測されているからである。

▼中国モバイルゲーム市場規模(※2010〜2013年は予測)
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易観国際社のデータを元に中尾が作成。

そして2011年以降も、2011年は35.41%と若干落ち込むと予測されるものの、2012年、2013年ともに50%超の成長率が見込まれており、2013年にはその市場規模が2010年比3倍の96億元にまで達することが予測されている。

このように成長が予測されているモバイルゲーム市場の中でも、特に成長を期待されているのが、モバイルオンラインゲームだ。最近は80后と呼ばれる新世代を中心に浸透しつつあり、中でも歴史物をはじめとしたロールプレイングゲームは高い人気を誇っている。

QQモバイルオンラインゲームのトップページ。「隋唐九州風云」、「西游Online_0812」などの歴史物ロールプレイングゲームが並ぶ。
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中国のオンラインゲーム市場は非常に大きく、CNNICの調査によれば、2010年6月末現在で4.2億人に達した中国のインターネットユーザーのうち70.5%がオンラインゲームを利用している(CNNIC第26回中国互換網発展状況統計報告より)。

2010年第2四半期現在「腾讯(QQ、27.1%)」、「网易(163.com、15.6%)」、「盛大(14.8%)」がシェアトップ3に名を連ねているが(情報元:『艾瑞オンラインゲーム市場シェア調査』)、各社ともにモバイル対応に非常に力を入れており、専用ページも設けられている。

腾讯(QQ)のモバイルゲーム専用ページ
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シェアトップの腾讯(QQ)のモバイルゲーム専用ページでは、携帯電話単体で楽しめるトランプゲームなどと共に、オンラインゲームがラインナップされている。
オンラインゲームはチャットに代表されるサービスで取得したQQ番号でログインが可能になっている。日本でもMixiなどがSNS内でゲームを提供しているが、これと似た感覚であろう。

また、現在PCでしかプレイできない、専用のクライアントソフトが必要なオンラインゲームなども、今後4インチ以上の大画面液晶を搭載したスマートフォンやタブレットPCが急速に普及していくことが見込まれる中、ユーザーからは対応を求める声が強くなっている。2011年はPCで人気を博しているオンラインゲームのモバイル対応が急速に進むと予測する。

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▼2010年にリリースされ人気を博した「大明龍権」。プレイヤーコミュニティでは、スマートフォン対応の要望が出ている。
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しかし、オンラインゲームに関しては、1日あたりゲームをする時間が2.1時間、週にして20時間に増加するなど、長時間化を問題視する調査結果もある。また、モバイルでオンラインゲームに接する機会が増えれば、ウイルスやフィッシングなどの被害も激増することが予測される。

モバイル対応でよりオンラインゲームを手軽に楽しめるようになるのは市場発展のため歓迎すべきことではあるが、こうした問題に対する対策のモバイル対応も同様に必要であろう。

さて、本来であれば「モバイル電子ブック」、「モバイルTV/動画」、「モバイルソーシャルメディア(SNSやマイクロブログ、位置情報サービス)」といったところも現在、そして2011年以降の期待として紹介していくべきなのであろうが、こちらは別の機会にご紹介したい。

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