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[2011年 第1週]携帯でも他社あて通話無料プランが登場、スマートフォンの躍進が目立つ

2011.01.11

Updated by WirelessWire News編集部 on January 11, 2011, 10:00 am JST

年末年始を挟んだ2週間、海外からは米ラスベガスで開催中の「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」の話題などが続々と飛び込んで来ている。一方、国内では衝撃的なニュースなどはなく、穏やかな年明けとなった。2週間の国内ニュースを振り返ってみよう。

端末に合わせた料金プランできめ細かくニーズに対応

年明け早々、イー・モバイルは音声通話機能とAndroid 2.2を搭載したモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi S」を1月14日に発売すると発表した。Pocket WiFi Sは、専用のモバイルWi-Fiルーターだった既存のD25HWとは異なり、スマートフォンとしての機能も備えた多機能端末だ。

201101111000-1.jpg新製品の発売に合わせて、「スマートプラン」「スマートプランライト」の契約者を対象に、イー・モバイル携帯電話に加え、他社携帯電話・PHSや固定電話などへの10分以内の国内通話が月500回まで無料になる「通話定額キャンペーン」を開始する。キャンペーンと「スマートプランライト(シンプルにねん)」を組み合わせることで、月額2400円から国内通話が無料で利用できるようになる(関連記事:イー・モバイル「Pocket WiFi S」発売は1月14日 同時に通話定額キャンペーンを実施

ソフトバンクモバイルは、大容量メモリーと高速通信に対応した新型フォトビジョン「PhotoVision SoftBank 003HW」を発売する。ファーウェイ製の通信機能付きデジタルフォトフレームで、7インチのワイドVGA液晶(480×800ドット)、1.5GBの内蔵メモリー、最大3.6Mbpsの通信機能を備える。

ソフトバンクモバイルも、新製品の発売に合わせてフォトビジョン向けの2つの新しい料金プランを提供する。1つは個人向けの「フォトビジョンバリュープラン」で、月額基本使用料が690円。もう1つは法人向けの「フォトビジョン法人パック」で、月額料金は1190円。いずれも同じサービスを従来よりも月額100円安く利用できる(関連記事:ソフトバンク、1.5GB大容量メモリーの新型フォトビジョンと専用プラン)。

201101111000-2.jpgスマートフォン向けの関連製品の発表もあった。エレコムは、iPhoneやiPadのユーザーに使いやすいように英語配列を採用したワイヤレスキーボード「TK-FBP017EBK」を1月中旬に発売すると発表した。無線方式はBluetooth2.0で、キーボードが2つに折れて持ち運びやすい折り畳み式を採用する(関連記事:エレコム、iPhone/iPad向けに最適化した英語配列のBluetooth折り畳みキーボード)。

変わったところでは、iPhoneユーザーが電子マネーを使いやすくなるようなに製品の発表もあった。ソフトバンクBBが発表した「電子マネーシール for iPhone 4」で、2月以降に販売する。iPhone 4に貼りつけることで、イオンの「WAON」、セブン・カードサービスの「nanaco」、ビットワレットの「Edy」のそれぞれの決済が可能になる。これまで電子マネー用のICカードをジャケットに入れるなどして対応していたユーザーにとって、スマートに電子マネー決済が利用できるようになる(関連記事:iPhone 4でFeliCaの決済が可能に、電子マネーシールをソフトバンクが発売)。

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スマートフォン市場の急成長の実態

iPhoneだけでなく、Android端末も選択できるようになって着実に普及しているスマートフォン。その実感を裏付ける調査結果も公表された。

201101111000-3.jpgIDC Japanは、2010年第3四半期のモバイルデバイス市場の出荷実績の調査結果を発表した。それによると、スマートフォンの出荷実績が155万台となり、前年同期比3倍以上の急成長を遂げている。スマートフォン市場は最大販売台数のiPhoneの続伸に加えて、通信事業者の積極的な販売戦略が奏功したという。その中でも特にAndroid端末が一般のユーザーから高い評価を得たことで、プラス成長に貢献した。スマートフォンの2010年の年間出荷は約500万台にまで成長するとの予測だ(関連記事:第3四半期のスマートフォン出荷は155万台、前年同期比で3倍を超える--IDC Japan調査)。

利用実態の調査もあった。転職・就職情報サービスを提供する日経HRの就職活動に関するアンケート調査で、スマートフォンが大学生の就職活動のツールとして浸透していることが明らかになった。「携帯通信端末には何を」使っているかを尋ねた問への回答では、iPhoneが単独の機種で過半数に迫る47.1%を占めた。このほか、Xperiaが4.0%、Galaxyが2.0%と続く。回答は複数回答なので重複の可能性はあるが、単純計算をすれば半数を超える学生がスマートフォンを活用していることがわかった。スマートフォンはすでに就活の必携ツールとなっているようだ(関連記事:大学生の"就活"、半数がスマートフォンを利用--日経HR調査)。

スマートフォンを対象にしたサービスなども拡充

スマートフォンの普及に足並みを揃えて、スマートフォンをプラットフォームとして使うサービスへの取り組みも一段と進んできている。

201101111000-4.jpgスマートフォンの急速な普及に伴い、モバイル端末を利用した株式取引が今後さらに増加することが予測される。こうした中、CSKは金融機関向けに、スマートフォン向け金融マーケット情報配信サービス「CSK MarketViewer Portable」の提供を開始した。当初はiPhone向けアプリケーションを提供、Android対応は2011年春を予定している。また、同サービスの本格提供の開始に先立ち、ひまわり証券、SMBCフレンド証券の2社が同サービスの採用を決定したという(関連記事:CSK、スマートフォン向けマーケット情報配信サービスの提供を開始)。

スマートフォンを生活支援に活用するサービスもある。アルカディアは、中途失語者向け携帯用会話補助アプリ「ボイスエイド」のAndroid版提供を開始した。価格は3年間のライセンス付で1万8000円。Androidマーケットで購入できる。ボイスエイドは、2002年から提供している携帯用会話補助装置で、iPhone版、iPad版が既に提供されている。同社の音声合成エンジン「SpeeCAN」で培われた音声合成技術を用いて発声する。Android版開発にあたっては、オートコンプリート機能やユーザーインタフェースデザインなどで、最適化を進めた(関連記事:携帯用会話補助アプリ「ボイスエイド」がAndroidに対応)。

音楽などのランキングで知られるオリコンが、スマートフォン向けのアプリのランキングサイト「オリコンアプリランキング」サイトを開設した。オリコンが独自に、5万人のスマートフォンユーザーに満足度のアンケート調査を行い、その結果から「オリコンアプリランキング」を作成。この情報をパソコンおよびiPhone/Androidで閲覧できるようにした。今後のアプリの提供に向けて開発をしているという(関連記事:オリコン、スマートフォン向けアプリのランキングサイトをオープン)。

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auスマホの貸し出しや法人向けサービスの拡充なども

その他の主なニュースをチェックしておこう。

KDDIが運営するKDDIデザイニングスタジオは、auの最新携帯電話の無料貸し出し機器にスマートフォンの「IS03」と「IS06」を追加すると発表した。1月19日から貸し出しを開始する。スマートフォンなど最新端末を購入する前にじっくりと使い勝手を試したい人に朗報だ。貸し出された機器では、利用者には通話・通信料がかからず試用できる(関連記事:KDDIデザイニングスタジオ、「IS03」「IS06」の貸し出しを開始)。

201101111000-5.jpgまた、法人向けのサービスの拡充のニュースもあった。KDDIは、法人の顧客に向けて提供しているポータルサイト「Business EZ」のコンテンツ拡充を1月11日から順次実施する。従来との大きな変更点は、Wikipediaの検索機能と、月額315円で提供しているトムソン・ロイター提供のニュースを無料で提供することだ(関連記事:KDDI、法人向けポータル「Business EZ」にWikipedia検索機能などを追加

ハードウエアでは、ルネサス エレクトロニクスがスマートフォンおよびハイエンド携帯電話端末向けに、組み込みカメラ用システムLSI「CE150」を発表した。1600万画素での写真撮影とフルHD(1920×1080画素)での動画撮影に対応した製品だ。新製品のサンプル価格は1個4000円、量産は3月から月産100万個で開始する計画である(関連記事:ルネサス、1600万画素・フルHD動画対応の携帯電話カメラ向けLSIを発表)。

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