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[2011年第29週]簡単・法人向けなど新スマホ、万歩計型ケータイ、制御レイヤーでも相互接続

2011.07.25

Updated by Naohisa Iwamoto on July 25, 2011, 10:00 am JST

関東地方では、学校が夏休みに入ったら猛暑が一段落。しかしこれからが夏本番で、再び猛暑がやってくるらしい。スマートフォンも5月に各社から発表があった夏モデルが順次発売されているのに続き、"真夏モデル"が発表されている。

早くも簡単さをウリに、法人向けも登場

スマートフォンへのシフトが急速に進む中、既存のフィーチャーフォンが得意としていた市場へのスマートフォンの進出も加速している。例えば、操作の簡単さを売り文句に掲げたスマートフォンだ。

ソフトバンクモバイルとKDDIは、それぞれ初心者でも使いやすいことを前面に掲げたスマートフォンの発売をアナウンスした。ソフトバンクモバイルは「シンプルスマートフォン 008Z」(ZTE製)を8月中旬以降、KDDIは「MIRACH IS11PT」(パンテック製)を9月以降に発売する。

シンプルスマートフォン 008Zは、ホーム画面や操作の方法などを見直して初めてスマートフォンを使うユーザー層に対して使いやすさを訴求する。標準のホーム画面は大きな文字を採用するとともに、電話帳やメール、カメラなど必要なアイコンだけを配置した。またホーム画面には配置できるアイコンを最大6つに限り、視認性や使いやすさを確保した(関連記事:ソフトバンク、スマホ初心者向けの「シンプルスマートフォン 008Z」など2機種)。

201107251000-1.jpgMIRACH IS11PTもホーム画面に手を加えている。一般的なAndroid端末と同様の「通常モード」とわかりやすく使いやすい「シンプルモード」の間で簡単に切替が可能。シンプルモードでは、文字やボタン表示を大きくするほか、通話やメール送信が簡単にできる「ワンタッチダイヤル」の装備や、アドレス帳の登録を手軽にする「アドレス帳登録ナビ」などの機能を備える(関連記事:KDDI、高齢者などの安全を遠隔から見守る歩数計「Mi-Look」とシンプルスマホを発表)。

ソフトバンクは、質感にこだわった新型スマートフォンも発表した。上質なデザインを採用した「AQUOS PHONE THE PREMIUM 009SH」(シャープ製)で、本体の背面カバーに上質感のある「テクスチャー調デザイン」を採用している。

201107251000-2.jpgKDDIは2、法人市場に向けたAndroid搭載スマートフォンも発表した。パンテック製の「EIS01PT」で、9月上旬以降に発売する。ビジネスシーンでの利用を前提にしたセキュリティ機能の強化として、米モトローラ・モビリティの子会社である3LMが開発したAndroid端末向けのセキュアプラットフォームへの対応を2011年秋に予定している。GSMやUMTSに対応した国際ローミング、防水・防塵性能の装備などでビジネスユースへの対応を強化した(関連記事:KDDI、セキュリティ機能などを強化した法人向けスマートフォン)。

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ケータイ付き万歩計?や「楽天」電子書籍端末も

201107251000-3.jpgスマートフォン以外にも新端末の発表があった。新しい需要を喚起しそうなのがKDDIの「Mi-Look」(ミルック、京セラ製)である。見守り歩数計というテーマで作られた新ジャンルの端末で、シニア層を親に持つ世代へ「安心」を提供するコンセプトで新市場の開拓を目指す。歩数情報を登録した家族の携帯電話などへ定期的にメールで知らせたり、卓上ホルダーに装備した「見守りセンサー」の前を人物が通った回数も定期的にメールで送信したりする機能を備える。外出時も在宅時も、親などの活動状況が分かる仕組みである(関連記事:KDDI、高齢者などの安全を遠隔から見守る歩数計「Mi-Look」とシンプルスマホを発表)。

パナソニックは、楽天が開設する予定の電子書籍ストア「Raboo」に対応した電子書籍タブレットを8月10日に発売する。7V型液晶を搭載するタブレット型端末「UT-PB1」で、発売と同時に楽天のRabooもサービスを開始する。電子書籍のコンテンツとしては、購入後すぐに利用できるように約600冊を"立ち読み"できる「チラよみ」コンテンツがプリインストールされている(関連記事:パナソニック、楽天の電子書籍ストア「Raboo」対応のタブレットを8月10日発売)。

日本通信とドコモの相互接続、イー・アクセスの国際ローミング

201107251000-4.jpg日本通信は、NTTドコモに対してサービス制御レイヤーでの相互接続を申し入れたと発表した。具体的には、NTTドコモの3G用パケット交換機「SGSN」(Serving GPRS Support Node)と、日本通信の「HLR」(Home Location Register)との相互接続を申し入れたもの。日本通信では、相互接続が実現するとサービスの幅を大きく広げられるとしている(関連記事:日本通信、NTTドコモに通信の制御レイヤーでの相互接続を申し入れ)。

イー・アクセスは国際ローミング中のデータ通信が1日最大2880円の定額で利用できる「海外データ1日定額」を、7月26日に提供する。海外データ1日定額は、2段階定額の料金体系を採用する。国際ローミング中のデータ通信量が1日につき15MBまでは最大1480円、15MBを超えた場合は最大2880円で利用できる(関連記事:イー・アクセス、海外でのデータ通信が1日最大2880円の2段階定額サービス)。

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SNSなどとの連携も進展

201107251000-5.jpgKDDIは、auケータイ向けの「au oneアドレス帳」とFacebookを連携させたサービスを提供開始した。Facebookの友達検索機能とau oneアドレス帳を連携させることで、au oneアドレス帳に保存してあるアドレス情報からFacebookを利用している知人を検索できるようになる。Facebookを使っていない知人にはFacebookへの招待も可能。対応機種は、auのフィーチャーフォンの一部となる(関連記事:KDDI、「au oneアドレス帳」とFacebookのサービス連携を開始)。

またKDDIは、Android端末だけでなくiPhoneにも対応するスマートフォン向けの2本のアプリケーションの提供を始めた。「itemloupe」(アイテムルーペ)と「ソージャ!ソージャ!」の2本である。itemloupeはAndroid端末向けから提供、一方のソージャ!ソージャ!はなんとiPhone向けから提供を始める。KDDIの若手社員が中心となって新しいアイデアや最新技術を用いた実験的なインターネットサービスの開発への取り組みから生まれたものである(関連記事:KDDIが2本のソーシャルアプリを開発、iPhone版も提供

201107251000-6.jpgグーグルは、YouTubeの「自動キャプション機能」が7月14日に日本語対応したとアナウンスした。YouTubeにアップロードされた動画に、ワンクリックでキャプション(字幕)を付ける機能である。グーグルがモバイル端末向け音声検索に搭載しているのと同様の音声認識技術を使って、2009年11月から英語の音声を対象に公開していた。これまでに4000万点以上の動画で利用されており、今後は日本語音声でも利用できる(関連記事:YouTubeの「自動キャプション機能」が日本語対応50以上の言語への変換も可能に)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。