例年どおり、韓国・中国から、展示でも参加者でもどっとMWCにやってきたが、昨年に比べて日本人のMWC参加者が増えていると今年は感じられた。私だけでなく、他の日本人からも同様の感想をしばしば聞いた。
展示に関しては、今年は常連のドコモ、アクセスなどに加え、NECが「モバイル・クラウド」カンファレンスのメイン・スポンサーになったり、富士通が中庭に展示スイートを出したり、App PlanetにJETRO主催の日本パビリオンを出したり、WAC(Wholesale Applications Community)やGTI(Global TD-LTE Initiative)などの業界内提携の中での日本キャリア勢など、プレゼンスが少々高くなっているように感じられた。たしかにその一方で、東芝やパナソニックなど、昨年は展示していたが今年は見かけなかったプレイヤーもある。しかし、「目立つ」という意味では昨年よりも目立っていたと思うし、会場を歩いている日本人の姿も昨年よりも断然多かったと思う。
参加者としても、日本在住の知り合いにずいぶん出会った。まだまだ、中国や韓国の方よりは少ないが、心強い思いがした。
日本国内で「グローバル化」の掛け声が高まっている中、ここ3-4年のスマートフォン化=シリコンバレー勢伸長でMWCがますます「世界の潮流」を映しだすようになった。日本業界のMWCへの興味が高まり、より多くの人が世界の潮目を肌で感じるようになれば、日本の業界にも新しい刺激があるだろうと思われる。
例えばApp PlanetのJETROブースは、会場一番奥の片隅にあって目立たず、かえってがっかりしたという日本人からの感想も聞かれたが、この種の展示会では、(今回のAndroidのように)よほどたくさんお金を積まない限り、普通にやっていれば新参者にあまりいい場所は取れない。毎年出展している企業に優先権があるからだ。しかし、毎年地道にでも続けていれば、だんだんにいい場所に出てこられる。短期的にすぐ効果が見られなくても、コツコツと続けて主催者や関連コミュニティとの関係を築きあげていけばよい。
ここでは、過去10年にわたってMWCに展示をしており、今回も昨年と同様、中庭のよい場所に展示スイートを出していたACCESSに敬意を表して、世界向けのスマートフォン・ブラウザーと動画通話アプリのブースの様子を動画でお伝えする。
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ENOTECH Consulting代表。NTT米国法人、および米国通信事業者にて事業開発担当の後、経営コンサルタントとして独立。著書に『パラダイス鎖国』がある。現在、シリコン・バレー在住。
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