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震災の影響で需要が見直されるモバイル端末による社外からのVPN接続ソリューション

2011.06.15

Updated by Yuko Nonoshita on June 15, 2011, 19:00 pm JST

6月8日から10日まで幕張メッセで開催されていたInterop Tokyo 2011 の会場では、ネットワーク関連のソリューションの中でも、スマートフォンやモバイル端末とクラウドを連携したビジネスプラットフォームの構築システムがいくつか展示されており、来場者の注目を集めていた。

▼NTTコミュニケーションズのブースにあった「Biz リモートアクセス VPNタイプ」の展示。NTTドコモのFOMA網を利用し、社内システムにセキュアに接続できるサービスで、下り最大7.2Mbpsの高速モバイルアクセスが可能となる。接続キャリアはドコモだが、申し込みから受付、請求、保守までをNTTコミュニケーションズがワンストップで対応。月額利用料は通常のスマートフォン向けのフラットプランに似た設定となっている。

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▼このサービスは2年前からスタートしていたが、スマートフォンやタブレットの需要拡大に合わせて急速に需要が見込まれるようになってきたそうだ。合わせて接続用の端末も新たに開発し、従来の接続に利用していたUSBメモリ型に加え、ポータブルWi-Fiルーター型(DWR-PG)を今月より発売。3G接続ができないWi-Fi利用のみの端末であっても、ルーター側で変換を行うことでFOMA網に接続できる。価格は2万4千円でメーカーはバッファロー。

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▼シスコシステムズのブースでは「Cisco AnyConnect セキュア モビリティ」というサービスが紹介されていた。前述のBizリモート同様、モバイル端末からどこでもVPNに安全にアクセスできるソリューションで、やはり数年前から開発を行っていたという。もともとはノートパソコンが対象だったが、スマートフォンやタブレットを対象に拡げたバージョン3.0を発表。VPNに接続した時にIPアドレスなどから社内か社外かを判断し、自動的に設定した方法での接続を行う。

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▼ノートパソコンからのアクセスにはIP Sec VPN(IKEv2)への対応も可能で、それらのセキュア接続のコントロールはクライアント側に同社の提供するAlways On機能を搭載するだけで、接続用の機器を別途必要としない。そのため利用者は普通にネットに接続する感覚でVPN接続が可能になる。

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ビジネスシーンでも外出先から社内アクセスに接続したいというニーズは、INTEROPで開催されたコンファレンスでもとりあげられていた(参照記事:国内3キャリアの戦略に見る、スマートフォンとクラウドを利用したビジネスのあり方)。影響の要因としては、クラウドサービスの普及やモバイル端末の手軽さに加え、今回の東日本大震災で社外からデータに接続できなければ仕事にならない事態に直面した企業が少なくなかったこともあげられるだろう。

セキュア対策については、NTTコミュニケーションズはFOMA網を使っているが、他のキャリアもこうしたアプローチはシステム会社に行っているという話もある。インターネットの私的利用やトラフィック管理をしたいという、もう一つの需要も生まれており、今後はこの市場でも競争が始まるかもしれない。

【参考情報】
Biz リモートアクセス VPNタイプ(NTTコミュニケーションズ)
Cisco AnyConnect セキュア モビリティ(シスコシステムズ)

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野々下 裕子(ののした・ゆうこ)

フリーランスライター。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか、本の企画編集や執筆、マーケティング業務なども手掛ける。掲載媒体に「月刊journalism」「DIME」「CNET Japan」「WIRED Japan」ほか。著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。