[2011年第25週]ドコモはフェムト値下げやスマホ無償ウイルス対策、KDDIはサムスン製LTEを導入へ
2011.06.27
Updated by Naohisa Iwamoto on June 27, 2011, 10:00 am JST
2011.06.27
Updated by Naohisa Iwamoto on June 27, 2011, 10:00 am JST
急に真夏がやってきてしまった2011年第25週、埼玉県熊谷市では6月の最高気温を記録した。国内では節電対策やピーク電力の話題に押されて、ワイヤレス関連のニュースはやや落ち着き気味だった。
その中で、キャリアーに関連する話題が多かった。まず最初は、NTTドコモのサービスから。NTTドコモは、小型基地局のフェムトセルを自宅に設置して、自宅専用のFOMAエリアを利用できる「マイエリア」の料金を7月1日から値下げする。改定前の料金は、月額使用料が980円、契約事務手数料が2100円だったが、改定後は月額使用料が315円、契約事務手数料は不要になる。一方、携帯電話から自宅の無線LANを介して高速データ通信などが可能な「ホームU」を2012年8月末で終了することも併せて発表した(関連記事:NTTドコモ、フェムトセルサービス「マイエリア」を値下げ、「ホームU」は終了)
マイエリアもホームUも、携帯電話の自宅でのデータ通信にブロードバンド回線を使用するもの。ユーザーにとっては高速なデータ通信が可能で、キャリアーにとってはデータのオフロードができる。自宅では無線LANの利用が一般的なスマートフォンに対して、携帯電話での利用に関してNTTドコモは対応機種が限られる無線LANよりも、携帯電話の通信方式を利用するフェムトセルを選んだことになる。
次世代携帯電話方式のLTEのサービスで、先行するNTTドコモを追いかける立場にあるKDDIは、韓国のサムスン電子の装置を導入する。KDDIが2012年内に開始する予定のLTE商用サービスに向けて、サムスン電子がネットワーク設備の提供を開始することになった。サムスン電子では、KDDIに納入するシステムの特徴として、通信量が多くて速度が低下しやすい都心部の一部のホットスポットと通信信号が弱い地域の双方のソリューションを提供することにあると説明する(関連記事:サムスン電子、KDDIにLTE商用装置を供給)。
6月24日の株主総会で自然エネルギーなどによる発電を事業内容に加えたソフトバンク。そのソフトバンクグループは、ソフトバンクモバイルの携帯電話と、ウィルコムのPHSの累計契約数の合計が3000万を超えたとアナウンスしている。5月末の時点で合計2988万6800だった累計契約数は、その後6月に入っても伸び続け、6月19日に合計3000万契約を突破した(関連記事:ソフトバンクモバイルとウィルコム、合計で3000万契約に)。またソフトバンクモバイルは、携帯電話の利用料金に応じて貯まるポイントを家族間で共有できるように変更する。適用は7月1日からとなる(関連記事:ソフトバンク、ポイントを家族間で共有できるように変更)。
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スマートフォンの話題は引き続きアナウンスが続いている。NTTドコモは、スマートフォン向けのウイルス対策サービス「ドコモ あんしんスキャン」を7月1日から無料で提供する。ダウンロードしたアプリなどがウイルスに感染していないかをスキャンして検出・駆除できる。ウイルス対策ソフト大手のマカフィーの製品を利用し、NTTドコモのAndroid OS搭載スマートフォンに向けて提供するもの。ドコモ あんしんスキャンのアプリをAndroidマーケットからダウンロードすることで無料で利用できる(関連記事:NTTドコモ、無料でスマートフォン向けのウイルス対策サービスを提供)。
ウイルス対策ソフトベンダーなどは、Android端末のセキュリティ確保のために、製品やサービスを続々と提供し始めている。そんな中でNTTドコモが無料でセキュリティ対策サービスを提供することになった。ソフトベンダーおよび他のキャリアーの動向に大きく影響を及ぼす可能性がある。
KDDIとスペースシャワーネットワークは、音楽映像チャンネル「SPACE SHOWER LIVE Channel」を無料で提供し、音楽ライブの映像をリアルタイムに見られるようになる。2011年7月8日から2012年3月末までは無料で視聴できる。SPACE SHOWER LIVE Channelは、音楽ストリーミングサービス「LISMO WAVE」の1つのチャンネルとして提供される。スマートフォンをWi-Fi経由でインターネットに接続して利用する、LISMO WAVEのauスマートフォンWi-Fi専用チャンネルで配信する。ライブハウスでしか聴けない音楽やアーティストとの出会いをスマートフォンが作ることになる(関連記事:KDDI、音楽映像のライブ配信を来年3月まで無料で提供)。
一風変わったところとして、KDDIが開始するARアプリ「てのりん」を紹介する。スマートフォンのカメラで手のひらを写すと、手のひらの上に3Dオブジェクトを浮かび上がらせるARアプリである。てのりんは、KDDI研究所が開発した「手のひらAR」技術を使い、頓智ドットの協力のもとで開発したアプリ。手のひらの位置や方向けを検出して、その上に3Dオブジェクトを表示させる手のひらARの技術を利用している。てのりんでは、写した手のひらの上にキャラクターが乗って、踊ったり歌ったりする。スマートフォンの新しい楽しみ方の提案として、今後のビジネスにどのようにつながっていくかが楽しみだ(関連記事:KDDI、手のひらでキャラクターが動くAR「てのりん」を提供)。
東芝は米グーグルのタブレット端末プラットフォームの最新版であるAndroid 3.1を搭載した「レグザタブレット AT300/24C」を7月下旬から発売を開始する。レグザタブレット AT300/24Cは、10.1型ディスプレイを搭載したAndroidタブレット。OSにAndroid 3.1を採用することで、ホーム画面に配置したウィジェットの拡大・縮小が可能になるなどのカスタマイズに対応した。AT300/24Cは、同社が4月20日に発表したAndroid 3.0搭載の「レグザタブレット AT300/23C」の後継機種で、プラットフォームをAndroid 3.1にアップグレードしたもの。Android 3.0のAT300/23Cは当初6月下旬発売予定だったが、発売よりも前に後継機種の発売が決まったため、特定の企業顧客だけに台数を限定して6月27日に発売し、生産を終了するという異例の事態になった。OSのアップデートが早いと、製品計画にも影響があるということ。Androidビジネスを考えるときに留意点としたい(関連記事:東芝、Android 3.1搭載の「レグザタブレット」を7月下旬発売)。
一方、ソニーは国内市場で販売している電子書籍リーダー「Reader」シリーズ製品に対して、ドットブック(.book)フォーマットに対応するアップデートプログラムを提供を開始した。ドットブックフォーマットは、ルビや縦書きのレイアウトなど日本語特有の表示に対応した電子書籍のフォーマットで、国内では多くの書籍やコミック、雑誌をサポートしている。これに合わせて、Reader Storeではドットブック対応のコンテンツの販売を開始した。第一弾として、講談社が書籍とコミックを提供する。Reader Storeではコミックの販売は初めてとなる(関連記事:ソニーの電子書籍リーダー「Reader」が.bookフォーマットに対応しコミックなどを販売へ)。
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NTTドコモは2011年6月24日、電気通信事業紛争処理委員会へ提出した接続料に関するソフトバンクモバイルのあっせん申請に対して、応諾する旨の解答を行った。これは、ソフトバンクモバイルが6月9日に電気通信事業紛争処理委員会に対して、NTTドコモの2009年以前の接続料の算定に関してあっせん申請をしていたもの。
NTTドコモの2009年以前の接続料を、販売奨励金などの営業費を控除した料金へ見直すことを要求していた。これに対してNTTドコモは、あっせん申請に応じるとともに、あっせんの場でNTTドコモの考えを理解してもらうように努力し合意形成を図るとしている(関連記事:NTTドコモ、ソフトバンクからのあっせん申請に応じ合意へ向け協議)。
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